農林水産部 農業振興戦略監 畜産試験場の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
部局名 | 部局長名 | 所属名 | 所属長名 | 職員数 |
農林水産部農業振興戦略監 | 部長 岸田悟
戦略監 伊藤友昭 | 畜産試験場 | 岡垣敏生 | 36 |
組織ミッション
「食のみやこ鳥取県」を支える畜産物のブランド化と安全・安心な高品質畜産物の安定供給のため、肉用牛・乳牛の生産に関する新技術の開発を目指します。
1.政策内容と目標
(1)政策内容
鳥取和牛のブランド化と高付加価値化に向けた技術の開発
(2)長期的目標
政策項目(アジェンダ) | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
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○
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○
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●将来ビジョンの取組の方向性(該当所属のみ)
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | T【ひらく】地域で・県外で・国外で新時代に向かって扉をひらく | F-2育種改良や飼養技術の向上等により、「鳥取和牛」「大山赤ぶた(デュロック種)」「鳥取地どりピヨ」など、おいしい鳥取ブランドを形成します。子牛・肉牛の出荷頭数の増加や高価格販売により「和牛王国鳥取」の復活を目指します。県内産の自給粗飼料を給与し、生産・加工を県内で行い、安全で安心な付加価値の高い牛乳を生産します。 |
●所属で設定する長期目標(設定がある場合のみ)
1新しい種牛選抜手法とバイテクを利用した種雄牛造成と和牛改良の促進
2鳥取和牛肉のブランド確立に向けた和牛肉評価の確立
(3)今年度の目標
優秀な種雄牛の造成及び「鳥取和牛オレイン55」発生率向上のための研究強化と和牛肉の「うまみ」を数値化する研究の進展
2.測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
鳥取県和牛改良方針(枝肉3形質、4等級以上率) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | ロース芯面積:54.5cm2
脂肪交雑:5.6
枝肉重量:451.7kg
4等級以上率:53.1% | | | ロース芯面積:55.5cm2
脂肪交雑:6.11
枝肉重量:455.3kg
4等級以上率:68.1% | ロース芯面積:55cm2
脂肪交雑:6以上
枝肉重量:475kg
4等級以上率:80%以上 |
時点 | 平成24年 | | | 平成25年 | 平成30年 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
| 鳥取県和牛改良方針 | 鳥取県の和牛改良を進めるための進捗状況を確認するため |
指標2
指標名 | 指標の分類 |
鳥取県和牛改良方針(県内産和牛肥育牛のオレイン酸含有率) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 54.1% | | | 53.6% | 55%以上 |
時点 | 平成24年 | | | 平成25年 | 平成30年 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
| 鳥取県和牛改良方針 | 鳥取県の和牛改良を進めるための進捗状況を確認するため |
指標3
指標名 | 指標の分類 |
和牛肉のおいしさやDNAを活用した育種方法の確立 | 活動指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | ・オレイン酸以外のおいしさに関する指標がない
・ゲノム育種価の算出がようやく端緒についたところ | | ・オレイン酸以外のおいしさに関する指標を1つ以上見つけ出す
・ゲノム育種化の有効性等の確認 | ・香りに関係する物質の抽出方法をほぼ確立できた。
・ゲノム育種価と推定育種価の相関が一部の形質で0.9を超えるなど有効性を確認することができた。(枝肉重量0.92、脂肪交雑0.91) | ・赤身肉のおいしさを指標化し、それに基づく改良をすすめる。
・DNA育種方法の確立 |
時点 | 平成25年 | | | | |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
| 鳥取県和牛改良方針 | 鳥取県の和牛改良や産地としての形成を促進するために必要であるため |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 「鳥取和牛オレイン55」の増産に向けた飼料給与試験 (トータルコスト予算額23807千円) | 「鳥取和牛オレイン55」の増産のための飼養管理技術を確立と、「鳥取和牛オレイン55」の生前診断法開発を行う。 |
2 | 鳥取和牛の効率的な増産と改良に向けた体外受精卵利用技術体系の構築 (トータルコスト予算額26824千円) | 体外受精卵技術を確立し、和牛増産と和牛改良への活用を図る。 |
3 | 優良遺伝子を活用した新鳥取和牛の創造 (トータルコスト予算額11327千円) | 産肉性と種牛性に係る優良遺伝子を探索し、優良遺伝子を活用した和牛改良システムを構築する。 |
4 | 鳥取和牛肉うまみ開発試験 (トータルコスト予算額16655千円) | 「うまみ」のある和牛肉を求める消費者ニーズに応えるため、和牛肉のおいしいさに係る様々な「うまみ」を調査・指標化することで鳥取和牛の育種・改良手法の開発を行う。 |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
◎(予定以上) |
達成度の評価 |
10 |
評価理由 |
「白鵬85の3」「百合白清2」といった脂肪交雑、ロース芯面積で全国1,2位の現場後代検定成績を収めた種雄牛を造成できたため。 |
H26年度の取組 | 成果 |
全国トップレベルの産肉能力に優れた種雄牛の造成を行う。 | 現場後代検定試験において、全国1、2位の種雄牛「白鵬85の3」「百合白清2」といった種雄牛を造成することができた。 |
オレイン酸向上に有効な資材として、他県等で有効性が示された米ぬかを給与することでオレイン酸含有率の向上を果たすための試験を12月から実施している。枝肉での脂肪のオレイン酸含有率生前診断のため、と畜前の肥育牛の血液、耳垢のデータ収集を行った。 | 現在のところ、畜産試験場と県下3農家での血液、耳垢データを収集中であり、最終的な結果等がでるのは来年度以降である。耳垢については、枝肉のオレイン酸含有率と耳垢中のミリストレイン酸(C14:1)に弱い相関が見られたが、相関の高いものは確認できなかった。 |
経膣採卵とと畜場から採取した卵巣から体外受精卵を作成する。 | 経膣採卵は11頭実施(1頭あたり12.1個の卵子を採取し、計39個の受精卵を作出し移植・凍結した)、と畜場から採取した卵巣からは19回体外受精を実施(1回あたり約100個の卵子を採取し、計69個の受精卵を作出し移植・凍結した)。 |
ゲノム育種価を活用して種雄牛造成、和牛改良やオレイン酸含有率向上のための調査研究を実施。 | 遺伝研との共同研究で、6276頭の訓練群で種雄牛と枝肉6形質の育種価とゲノム育種価の相関を調査。枝肉重量で0.92、脂肪交雑で0.91と極めて高い相関関係であることが判明した。 |
和牛肉のおいしさに最も関与すると思われる「香り」成分の検出とその簡易評価法の確立を調査。 | 「香り」に最も関係すると思われる物質の抽出方法をほぼ確立することができた。 |
課題 | 今後の取組 |
枝肉での脂肪のオレイン酸含有率生前診断のための血液データ解析が共同研究者の近畿大学の分析待ちであるため若干遅れ気味である。 | 共同研究者である近畿大学との連携を密にとり、生前診断が可能となる手法の開発を来年度以降目指す。 |
和牛肉のおいしさと「香り」の関係を食味試験で調査する必要がある。 | 来年度以降は、(一社)家畜改良事業団等と共同で評価方法について検討する予定である。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。
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畜産試験場 所属長名 岡垣敏生 電話番号 0858-55-1362