都道府県という行政区域にとどまらず、県民・企業・団体のみなさんがより効果的効率的に活動できるよう周辺自治体と一緒になって課題の解決にあたります。また、全国に先駆けた取組をアピールするだけではなく、同じ志を持つ自治体と一緒になりや政府に課題解決に向け、国などの関係機関へ働きかけを行うなどの取組を進めます。
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | T【ひらく】地域で・県外で・国外で新時代に向かって扉をひらく | A近畿圏域に近い特性を活かし、近畿圏域や他県と連携して、広域観光を展開したり、海外での見本市開催や事業展開を図るなど、県外・国外に打って出ます。 |
2 | U【つなげる】様々な活動・力をつなげ、結集して、持続可能で、魅力あふれる地域を創る | @県内企業の増設と県内外企業の新規立地の促進等を進め県内雇用を充実させ、県外からの様々な形態での転入促進を図り、人口の社会増により、人口減少を食い止めます。 |
3 | U【つなげる】様々な活動・力をつなげ、結集して、持続可能で、魅力あふれる地域を創る | Dそのほか、鳥取県の新しい魅力(例えば、「人づくりに熱心」、「安心して子育てができる」、「価値実感生活を満喫できる」等)を磨くなどの視点を持って、各種施策・対策(地域で「人財」(地域の宝である人材)を育てる「地域力」の強化、鳥取県の特長を生かした多様でたくましい「人財」の育成、高等教育を受ける機会の充実・強化、福祉・医療、防災など、安全に安心して暮らせる地域社会の形成、結婚しやすい環境・地域全体で子育てしやすい環境の整備、若者から高齢の方まで活動できる機会・環境の整備等)を総合的に進めることにより、人口の減少傾向に歯止めをかけます。 |
4 | W【楽しむ】いきいきと楽しみながら充実した生活を送る | Aいわゆる「スローライフ」や「ロハス」に象徴されるような、心豊かに暮らす生活スタイルが重視される中、県民はもとより、県外に住んでいる方にも、本県における「価値実感生活」(本県の豊かな歴史、自然・環境、食、文化等を知り、楽しむとともに、地域において自分の存在や役割に手応え・充実感が感じられる生活スタイル)に対する認識・高い評価が浸透し、多くの方のUJIターンにもつながるよう、「価値実感生活」の実現・充実に向けた取組を進めます。 |
5 | W【楽しむ】いきいきと楽しみながら充実した生活を送る | B身近にある豊かな自然や環境、食、文化等を楽しみながら暮らすことや、伝統芸能、民工芸品等を通じて生活の豊かさを実感でき、大都市圏からも「鳥取県に行けば、安らぎ・心の落ち着きが取り戻せる」と支持される次のような地域性・生活風土を形成します。 |
H27年度の取組 | 成果 |
◎全国知事会
・全国知事会議(4/20,7/28〜29,11/27,12/17)に参加し、地方創生、地方税財政等について協議。
・全国知事会の所属委員会等(総務・地方行政体制・地方分権・地方税財政・総合戦略・政権評価など)に参加し、諸課題について協議。
・平井知事が全国知事会の副会長として活動。
・平井知事が山田会長の代理として全米知事会議(7/23〜25)に出席し、日米知事会議の再開を要請。
【地方分権推進特別委員会】
・委員長として、地方分権改革の推進についての提言をとりまとめるとともに、ハローワーク特区等の成果課題の検証を行った。
・地方分権改革有識者会議において、ハローワーク特区等の成果課題の検証結果を報告するとともに、ハローワークの地方移管についてとりあげて検討するよう内閣府に対して要請を行った。
【地方税財政常任委員会】
・全国知事会副会長・地方税財政常任委員会副委員長として、自由民主党の「財政再建に関する特命委員会」や内閣府が主催する経済・財政一体改革推進委員会等に全国知事会の代表として出席し、地方税財源の充実確保の必要性について主張した。 | ・全国知事会議の大きな柱となった「地方創生」について、地方創生から日本創成に向け当面とりくむべき重点課題について議論し、「地方創生宣言」を取りまとめ、石破大臣をはじめ、強く国に働きかけた結果、地方創生交付金の創設などの動きにつながった。
・地方分権改革有識者会議のもとに雇用対策部会が設置され、ハローワークの地方移管について検討が行われ、内閣府・厚労省などとも精力的に検討・調整を進めた結果、地方版ハローワークの創設等を内容とする「平成27年の地方からの提案等に関する対応方針」が閣議決定され、最終的に第6次地方分権一括法が閣議決定された。長年の懸案事項に道が開かれ、地方分権改革は大きな前進を見た。
・日米知事会議について来年度の開催は大統領選挙のため困難とされたものの、再来年度の開催に向けた交渉の足がかりをつくった。 |
◎関西広域連合
・関西広域連合委員会(4/23,5/28,7/4,7/23,9/5,9/27,10/29,11/19,12/24,1/28,3/5,3/24)に出席し、諸課題について協議。
・広域医療分野、広域観光・文化・スポーツ振興分野、広域産業振興分野に参加し、事務の共同処理を行った。
・「関西」をさらに魅力ある観光圏としてアピールするため、構成府県市や国、経済団体等と連携し、トップセールス等の海外プロモーションを行った。(ベトナム・フィリピン・マレーシア) | ・高浜原子力発電所の再稼働に当たり、国に改善を求めるべき事項について関西広域連合として国に申し入れを行った。
・政府関係機関の関西への移転について「関西の特性を活かした機関の移転」、「移転に関する地方負担の軽減」を関西広域連合として国に要望した。また、改めて、「京都府へ文化庁」、「大阪府へ中小企業庁、特許庁」、「兵庫県へ観光庁」、「和歌山県へ総務省統計局」及び「徳島県へ消費者庁」を移転することのほか、各構成府県が要望している独立行政法人等の移転についても要請を行った。
・関西から提案した広域観光周遊ルート形成計画『美の伝説』が観光庁の広域観光周遊ルート形成促進事業に係る形成計画に認定された。また、世界ジオパークがユネスコの正式事業に位置づけられ、山陰海岸ジオパークの世界に向けた情報発信力が強化されたほか、関西の広域観光周遊ルートの魅力が高まった。
・トッププロモーションの実施により関西の観光地としての魅力を海外にアピールし、関西へのインバウンドの増加につなげた。
・ドクターヘリを共同運航し、経済的かつ効果的な救急医療体制を構築した。
・関西広域連合においても地方創生総合戦略を策定することが認められ、関西人口ビジョン及び関西創生戦略の平成27年度版を策定した。
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◎近畿ブロック知事会議
・近畿ブロック知事会議(5/26)に参加し、諸課題について協議。 | ・「地方一般財源総額の確保」や「広域インフラの整備促進」などの諸課題について協議を行い、国に対して提案・要望活動を行った。 |
◎中国地方知事会
・5月19日に岡山県岡山市で、11月6日に鳥取県鳥取市で知事会議を開催し、中国地方が抱える喫緊の課題について意見交換を行うとともに、共同アピールを採択した。
・昨年度設置した広域連携に係る8つの部会において、広域連携の取組が本格化した。
・国の来年度予算編成に向け、「平成28年度国の施策に関する提案書」をとりまとめ、8月に国への提案を行った。
・国の施策に関する提案書では、地方創生、地方分権改革、地方税財源、経済・雇用対策、高速道路ネットワークの整備促進など、中国地方の共通の課題について、国に対する要望を行った。 | ・5月の知事会議では、人口減少克服・地方創生、地方分権改革の推進、地方税財源の充実、地域の産業競争力強化のための基盤整備、防災・減災対策等の推進、農林水産業の振興と環太平洋連携協定(TPP)をはじめとする貿易自由化交渉への対応、住民の平穏な生活を乱す米軍機の飛行訓練への対策について共同アピールを採択し、国に対して対応を訴えた。
・11月の知事会議では、人口減少克服・地方創生、環太平洋連携協定(TPP)大筋合意に伴う国内農林水産業への対応、結婚、妊娠、子ども・子育てに温かい社会の実現、地方税財源の充実、地方創生を力強く進める前提としての基盤整備、防災・減災対策等の推進、地域医療の確保について共同アピールを採択し、国に対して対応を訴えた。
・広域連携部会の動きが本格化する中、所期の目的を達成し終了する部会がある一方で、新たな広域連携の動きが開始される分野もあらわれた。
【新たな広域連携の動き】
・海外観光客誘致部会については、中国地域観光推進協議会インバウンド推進委員会と発展的統合し、官民一体となった新組織を立ち上げ、活動していくこととなった。
・また、新たな連携の動きとして、有害鳥獣対策についてWGを設置し、県境付近での追い込み駆除など5県が連携して実施する取組を検討することとなった。
・鳥インフルエンザ等の特定家畜伝染病が発生した場合、5県が連携して迅速かつ適切に防疫措置を実施することについて協定を締結した。 |
◎広島・鳥取両県知事会議
・9月10日に広島・鳥取両県知事会議を広島県尾道市で開催し、両県に共通する政策課題等について意見交換を行った。 | ・サイクリングを活用した観光連携、地方創生の推進、要保護児童に対する支援の連携、「あいサポート運動」の取組強化、ドクターヘリの広域連携の推進などについて意見交換を行い、今後、連携して進めていくことを確認した。 |
◎岡山・鳥取両県知事会議
・1月13日に岡山・鳥取両県知事会議を岡山県備前市で開催し、両県に共通する政策課題等について意見交換を行った。 | ・観光誘客の推進、首都圏での情報発信、ドクターヘリの広域連携の推進、有害鳥獣対策、自治体情報セキュリティクラウドの共同化、高速道路ネットワーク等の整備促進について意見交換を行い、今後、連携して進めていくことを確認した。
・「あいサポート運動」を連携して取り組んでいくことを確認し、協定を締結した。 |
◎自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク
・自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク構成県が共同して開催した「ふるさと・いいこと・フェア」(2/11:東京都品川インターシティホール)に参加した。 | ・「自立と分散による地方創生を実現するための提言」をとりまとめ、知事会合において石破大臣に対して要請を行うとともに、関係府省に対しても要請を行った。
・「ふるさと・いいこと・フェア」において首都圏からの約1,500人の来場者に対して、特色ある地方の中小企業の紹介、ふるさと納税のPRなどを行い、地方のよさをPRし、UIターンやふるさと納税の促進を図った。 |
◎中四国サミット
・中四国サミット(9/4)に参加し、諸課題について協議。 | ・地方創生から日本創生に向けた取組、高速交通ネットワークの整備促進、国土強靱化の取組、広域的な観光連携の推進について議論を行うとともに、地方創生から日本創生に向けた取組や新型交付金の創設、高速道路ネットワークの整備促進について緊急アピールを採択し、国に対する要望活動を行った。 |
◎日本創生のための将来世代応援知事同盟
・人口減少に歯止めをかけ、地方への人の流れをつくり、東京一極集中型社会を変えるため、独自の発想と実行力を持ち、人口減少社会に立ち向かうトップランナーを目指す知事が同盟を結成し、立ち上げ式を行った。(4/20)
・「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットinおかやま」を開催(5/23)。
・サミットにおいて取りまとめた提言を国に対して要請(6/12)。
・「いいね!地方の暮らしフェア」を開催(2/14)。本県からも移住相談、就職・就業相談、特産品販売のブースを出展。 | ・若手知事による政策集団として、これまで子育て同盟として子育てに特化して活動してきたが、地方創生を機に新たに移住定住や女性活躍などこれまでよりも活動範囲を広げた新たな政策集団が誕生した。
・サミットにおいては、少子化対策をはじめとした若者世代の希望がかなう環境づくりについて知事同士で自由闊達に意見交換するとともに、若者世代を社会全体で支援する気運を高めるため全国に向けて情報発信を行った。
・また、サミットでは、今後の取組に対する決意を表す「おかやま声明」を発表するとともに、その後、多くの県でのイクボス宣言や若者の政治参画の取組の推進につながった。
・国に対して要請を行い、国の地方創生や一億総活躍の動きにつなげた。
・「いいね!地方の暮らしフェア」には、約2,700人の来場者があり、首都圏在住の若い世代に向けて地方の暮らしの魅力を発信し、地方への移住促進を図った。 |
◎地方分権改革
・国の地方分権改革の取組に対して、全国知事会の場などを通じて、提案募集制度の見直しやハローワークの地方移管、義務付け・枠付けの見直し、国と地方の協議の場の積極活用など本県の意見を積極的に国に伝えるとともに、提案募集方式を活用して積極的な提案を行った。 | ・昨年度から導入された提案募集方式が2年目を迎え、定着。
・提案件数は初年度からの反動で落ち着いたものの、全国から多数の提案が出され、地方分権改革有識者会議等で精力的な検討が行われた。
・昨年度実現した農地転用許可権限の移譲が来年度から施行されるにあたり、国と地方で精力的に議論し、地方の意見を反映しつつ、具体の制度設計を進めた。
・地方版ハローワークの設置権限が地方に移譲されるとともに、地方公共団体が国のハローワークを活用する仕組みが構築されるなど、地方分権改革の最重要課題であったハローワークの地方移管が大きく前進した。
・本県提案については、病児保育事業に係る国庫補助要件の緩和、介護保険における調整交付金の在り方の見直し、高等職業訓練促進給付金の支給対象期間の拡充などが実現するなど、一定の成果があった。 |
課題 | 今後の取組 |
◎地方分権改革
地方分権改革については、岩盤規制であった農地転用許可権限の移譲やハローワークの地方移管が大きく前進し、重点課題と位置づけられていた事項について一区切りがついた。
とはいえ、空飛ぶ補助金などまだまだ解決すべき課題も存在することから、引き続き地方分権改革の推進を求めていく必要がある。
一方で、国に対して強く、目玉として活動の中心に据えて訴えていく事項が見当たらないという課題がある。
また、提案募集制度は定着したものの、現行の仕組みでは年々提案件数が減っていくことは避けられない状況であり、制度維持に向け何らかの改善方策を検討していく必要がある。
一方で、一定程度地方分権改革が進展したことを踏まえ、地方として地方分権改革の取組を総括する取組もであるとか、地方分権改革で得た成果を活用し、住民に還元していくことも取組の一つの方向性として考えられる。 | ◎地方分権改革は、地方創生を実現するための基盤であるとともに、地方自治の根幹をなすものであることから、一層の推進が必要であり、残された課題(空飛ぶ補助金等)について引き続き改善を求めていく。また、全国知事会の地方分権推進特別委員長として、今後の地方分権改革の進め方について、全国知事会や他県等の意見も踏まえながら検討していく。
また、提案募集制度が今後も地方分権改革の新ステージとしての役割を果たしていけるよう、地方分権改革有識者会議の場なども活用しながら、提案募集制度の改善・拡充・継続を求めるとともに、本県からも真の地方創生に繋がるような具体の地域課題の解決に繋がる提案を積極的に行っていく。 |
◎広域連携の推進
広域的行政課題の解決に向けて、自治体の規模や必要に応じて、協議会、機関等の共同設置、事務の委託、一部事務組合、広域連合、連携協約や事務の代替執行制度などの広域連携の仕組みの活用や、県による垂直補完なども検討し、「ハイブリッドな行政」を展開していく必要がある。 | ◎中国地方知事会や関西広域連合などの場も有効に活用しながら、関係府県との連携を進め、具体的な取組を着実に実施し、住民生活の向上や行政の効率化をさらに進めていく。
また、日本創生のための将来世代応援知事同盟をはじめ、他県との連携を通じて、知恵をしぼり、政策集団として国に施策提言を行い、地方からの国を動かす取組を進めていく。 |
◎道州制
道州制については、H26通常国会への法案提出が見送られるとともに、自民党の道州制推進本部長が交代し、その後、地方創生が最大の関心事項となるなど、自民党内の動きは停滞。
H27の統一地方選後も目立った動きはなく、夏頃に開かれた自民党道州制推進本部総会において、出席者から道州制に対する異論・慎重論が相次ぎ、基本法案の国会提出は見送られ、事実上一回ピリオドが打たれたところ。
しかしながら、自民党道州制推進本部長が交代し、停滞している道州制の議論を動かそうとする動きもあり、引き続き動向を注視する必要がある。
地方としては、単なる都道府県合併に止まるような悪い道州制とならぬよう、言うべきことをしっかりと訴えていく必要がある。 | ◎自民党道州制推進本部において今後新たな区割り案を示すとの報道もあり、また夏には参議院選挙も実施されることから、再び道州制の議論が活発化することも想定される。自民党や参議院選挙の動向を注視しつつ、地方として主張すべきことを全国知事会等を通じてしっかりと主張していく。 |