消費者ニーズに応じた農産物づくりや農業者による加工・販売を支援し儲かる農業を実現 1 認定農業者の経営発展や多様な新規参入希望者の経営確立等への支援 2 新品種・新技術を活用した地域特産物づくりへの支援 3 労働軽減に向けた農作業改善への支援
H29年度の取組 | 成果 |
【三朝神倉大豆を活用した特産品育成】
・大豆餡どら焼きの商品化、販売促進としては、平成27年度からの構想で昨年度から商品化に向けて取り組みを進めてきた。今年度は販売開始に向けて、品質の確定、PR資材の作製を行った。年度後半には販売促進の手段として、お土産、贈答品用の箱の作製を行った。併せて町の観光協会との連携により、旅館での販売の試行を行った。
・今後の商品開発の方向検討については下位等級大豆の有効活用の計画を立てる参考にするため、大豆の保管中の品質分析を行った。併せて豆腐を製造し食味試験を実施した。
また、大豆の生産量増加に伴い、主力商品の納豆の拡販について県外への販売について検討を行った。それに伴う新しいパッケージの作製の検討を行った。
| ・平成29年6月24日、中部発食のみやこフェスタで、三朝神倉大豆餡どら焼き「神の笑み」の新商品発表を行い、翌日からJA直売所を中心に一部スーパー、三朝町内の数店で販売を開始した。神シリーズ商品5番目の商品となった。販売数は、当初目標の3倍となる1万個を超える売れ行きであった。(平成30年1月時点)三朝町内での販売を促進するため旅館での販売試行については、好感触ではあったが、販売の方法については方向が未定のままである。
お土産、贈答品については5個入りの箱を作製したが、具体的な販売方法について未整備である。三朝町内で手みやげとして徐々に使われつつある。
・下位等級大豆の成分については、低温で保管されていることから、成分の著しい減少はなかったことがわかった。しかし、風味については経時による劣化は若干感じられた。
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【新甘泉等ナシ新品種生産技術の普及(新甘泉無印製品率の低減)】
・夏枝管理(誘引・せん除等)の徹底により樹勢を安定させ、花芽着生の促進と糖度向上を図る。
・樹ごとの収穫時期を果色判別により把握し、適期収穫出荷ができるように指導する。また、選果場で未熟果の出荷が多い農家は収穫出荷を遅らせ、過熟果の多い農家は収穫出荷を早くするように促し、適熟品出荷の指導を行う。
・選果実績を分析し栽培者別の品質低下要因を調べ、対策を指導する。
・二十世紀梨との混植園において、黒星病被害果が多い園が散見されるので、防除強化の対応を指導した。 | 29年産 新甘泉無印率 17.6% >5% 目標未達
・夏枝誘引の指導会を行い、励行された。肥効のコントロールが上手くいかず、新梢停止後に降雨の影響で遅伸びした園がみられた。
・収穫時期の果色判別には問題なかったが、糖度基準に達しない割合が高くなった。
・栽培履歴、選果実績を分析したところ、全域の傾向として、側枝更新が遅く、花芽着生が少ない園が増えており、新梢停止後の徒長枝の遅伸びが影響していることが示唆された。樹体の仕立てを含めて、枝管理について見直すことが必要という結論となった。
・「新甘泉研究会」を立ち上げ、栽培者が気軽に意見交換して、技術研鑽できる場を作った。
・黒星病防除強化の結果、発生は少なかった。
・変形硬化症を軽減する潅水方法について、試験し、提案できる結果を得た。 |
【倉吉スイカの品質向上(秀品率)】
・ハウス、トンネル栽培における初期地温確保について指導会で啓発した。
・ハウス栽培における交配期前後の適正温度管理の徹底について、マンガ資料を作成して指導会で配布した。
・また、交配後の潅水の必要性についても、マンガ資料を作成し、指導会で啓発を図った。
・JA鳥取中央全体の栽培暦を15年ぶりに改訂し、潅水、温度管理を含めて品質向上のために必要な知識を盛り込んだ。
・新規栽培者を中心にした指導会を29年作中に4回開催し、栽培初心者の技術向上を図った。 | ・倉吉西瓜生産部として16年ぶりとなる10億円を達成した。
・定植時に地温が足りない圃場については午後から植える、翌日にずらすなどの対応が見られ、地温確保の必要性について理解が進んでいる。
・ハウス栽培における適正温度管理の認識は広がっており、今季ハウススイカの秀率は80%程度であった。全体の秀率低下要因は、5月の少雨による草勢低下によるもの。
・これまでは文字やグラフばかりだった資料をマンガ形式に変えたことで、生産者の理解が進んだ。中には「わかりやすいから冷蔵庫に貼ってるよ」と言われる生産者もあった。
・新しい栽培暦は若手、中堅生産者を中心にわかりやすいと好評である。
・新規栽培者向け指導会では活発に質問が出るなどし、終了後のアンケートでも良かったとの声が多かった。また新規栽培者同士、新規栽培者と指導員の交流が生まれた。 |
【多様な水稲栽培への取組支援(きぬむすめ食味値向上)】
・きぬむすめ生産者に対し、品質向上のための注意点@田植時期、A中干し時期と期間、B追肥施用時期と量、C病害虫防除の徹底について、研修会や現地指導会を通じて周知を行った。
・上記の@からCの技術を順守するほ場を良質米生産のモデルほ場として1ヶ所設置し生育調査を実施した。また、実態把握のための調査ほ場を6ヵ所設置し、生育調査、品質・食味調査及び栽培管理状況調査を行った。 | ・田植時期は、適期としている5月下旬から6月上旬に行われ、中干し、病害虫防除等の管理については、生産者の意識が高まり、ほ場に合わせてほぼ適正に実施された。また、穂肥については、生育状況に応じてほぼ適正に施用された。
・籾の登熟歩合は90%前後と良好で、品質は高い一方で食味値がやや低い傾向となった。実態把握調査の結果から、食味・品質向上のためには根を活かす水管理、適正な穂肥などが必要であると考えられた。翌年産「きぬむすめ」の食味向上をめざすための技術指標を整理することができた。 |
【酪農業者のスキルアップ】
・最終生産物である生乳の生産増を実現するため、給与飼料の適正化、暑熱対策などの飼養環境の改善および飼料用トウモロコシの栽培技術の向上を図るため、農業者の個別課題を具体化し、解決手法の提示などを行った。
・飼料用トウモロコシの広域供給体制の構築を支援した。
・地区酪農青年部を対象とする学習会を開催し、スキルアップをめざした。 | ・倉吉地区酪農組合14戸(年度途中で1戸が経営中止)に対して飼養管理の改善を支援した結果、1頭あたりの乳量は前年9,348kgから9,537kgと増加したが、総乳量も前年6,093トンに対し5,999tと△1.5%となった。
・約6ha分の飼料用トウモロコシを500kgのロールサイレージ化し、地域内外への供給体制が継続された。
・飼養管理や目標を持った経営改善について3回の研修会が開催できた。 |
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課題 | 今後の取組 |
【三朝神倉大豆を活用した特産品育成】
・大豆餡どら焼きの販売促進のための贈答用商品の販売体制の整備支援
・三朝神倉大豆の加工品開発、既存商品の販売促進について方向を検討する。 | ・商品の注文方法や供給方法の整備を行い、贈答品としての商品確立及び販売促進のためのPRを行う。
また、三朝町観光協会などとの連携により、町の特産品として位置づけられるよう販売を促進する。
・納豆の更なる販売拡大と下位等級大豆の活用について新商品の開発の方向等をプロジェクト会議で検討を行う。 |
【ナシ「新甘泉」の花芽確保に向けた技術支援】
・「新甘泉」の収量安定、品質向上に必要な基本的栽培技術の高位平準化
・研究会活動による技術研鑽 | ・「新甘泉」の収量安定、品質向上のため、樹体の仕立てを含めて、枝管理、着果管理等、二十世紀とは違う特性を理解してもらいながら、花芽確保できる基本的な栽培技術の研鑽を進める。
・「新甘泉研究会」を発展させ、生産者が気軽に意見交換しながら、栽培のポイントを理解できるよう場と機会をつくる。 |
【倉吉スイカ新規就農者確保・育成】
・H30年2月から行っている先進農家実践研修のサポート
・産地提案型の新規就農者確保策の検討
・生産部GAPの発展や無つる引き栽培、スマート農業の導入による栽培技術の高位平準化 | ・先進農家実践研修生の就農に向け、指導部会や役員会で研修状況のヒアリング、アドバイスの場を作る。
・産地提案型の新規就農者確保に向け、関係機関で役割分担を行い、必要な施策を実施する。
・生産部GAPチェックリストの改善、無つる引き栽培の試験導入、Bluetoothおんどとりの普及推進を図る。 |
【多様な水稲栽培への取組支援(きぬむすめ食味値向上)】
・整粒割合は平均して良かったが、食味値が目標値80を超えたほ場は約3割で、生産者によるばらつきがあった。
・品質、食味向上技術の普及による高位平準化が必要 | ・品質、食味向上技術の改善項目(適正な水管理や穂肥施用など)が整理できたことから、次年度は、栽培技術研修会などを通して当該技術の普及、徹底を図る。
・品質、食味向上のためのモデルほ場を設置し、技術の普及を図る。また、生産者ごとの耕種概要について把握するとともに、品質と食味値の分析を行う。 |
【酪農業者のスキルアップ】
・倉吉コントラ合同会社を中心とした協働体制の再整備と自給粗飼料の域内流通体制の整備
・牛舎等施設整備計画の作成および実施
・後継者のスキルアップ |
・流通させる自給粗飼料を拡大(増量)させる。
・クラスター事業の活用を前提とする施設整備計画を確定させる。
・青年部の学習会を普及所主催で定例化する。 |