農林水産部 東部農林事務所八頭事務所 八頭農業改良普及所の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 八頭農業改良普及所 所属長名 田中重樹 電話番号 085872-3837
組織ミッション
豊かな自然環境を活かした中山間地農業の振興 ・多様な担い手育成と経営改善の支援 ・地域特性を活かした特産物の育成とブランド化 ・環境に配慮した持続可能な農業を振興
1.政策内容と目標
(1)政策内容
地域に合った品目、品種の導入による産地育成と農畜産物のブランド化の促進
(2)今年度の目標
・水田導入野菜(白ねぎ等)の収量向上を技術支援する。
・果樹新品種(新甘泉、輝太郎等)の生産拡大と収量向上を支援する。
・和牛繁殖農家の増頭と子牛の生産拡大を支援する。
・中山間地域に合った特産物づくり(エゴマ等)を支援する。
(参考)該当する長期的目標
政策項目 | 元気づくり総合戦略 | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
○
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○
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●将来ビジョンの取組の方向性(該当所属のみ)
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | T 【ひらく】地域で・県外で・国外で新時代に向かって扉をひらく | H本県の特徴である多様な農林水産物の生産に対応した生産基盤の整備を促進します。
また、高品質な県内農産物の生産・加工を通じた輸出拡大や、食品加工産業への県内農林水産品の供給拡大、新品種や機能性食品など付加価値の高い新商品開発を通じた、農林水産物供給・加工の一大生産・供給拠点を目指すフードバレーの取組を推進し、農家所得の向上を目指します。
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●所属で設定する長期目標(設定がある場合のみ)
白ねぎの単位収穫量を平成32年度末に1400kg/10aとする。梨新品種(新甘泉)の単位出荷量を平成32年度末に2.5t/10aとする。柿新品種(輝太郎)の栽培面積を平成32年度末に5.8haとする。重点繁殖農家7戸の和子牛生産頭数を平成32年度末に125頭とする。若桜町のエゴマ栽培面積を平成32年度末に10haとする。
2.測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
白ねぎの単位収穫量(kg/10a) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 1,153kg | 1,153kg | 1,200kg | 1,178kg | 1,400kg |
時点 | 平成29年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 平成30年度末 | 平成32年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 普及活動計画 | 普及活動計画より |
指標2
指標名 | 指標の分類 |
梨新品種(新甘泉)の単位出荷量(t/10a) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 1.3t | 1.3t | 2.1t | 1.5t | 2.5t |
時点 | 平成29年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 平成30年度末 | 平成32年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 普及活動計画 | 普及活動計画より |
指標3
指標名 | 指標の分類 |
柿新品種(輝太郎)の栽培面積(ha) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 4.3ha | 4.3ha | 4.8ha | 集計中 | 5.8ha |
時点 | 平成29年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 平成30年度末 | 平成32年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 普及活動計画 | 普及活動計画より |
指標4
指標名 | 指標の分類 |
重点繁殖農家の和子牛生産頭数 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 99頭 | 99頭 | 115頭 | 80頭 | 125頭 |
時点 | 平成29年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 平成30年度末 | 平成32年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 普及活動計画 | 普及活動計画より |
指標5
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 5ha | 7ha | 8ha | 6ha | 10ha |
時点 | 平成28年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 平成30年度末 | 平成32年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 普及活動計画 | 普及活動計画より |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 戦略的園芸品目(白ネギ)総合対策事業 (予算額(事業費)30539千円) | 最重要園芸品目の白ねぎの「県下一産地」を目指して、産地横断ネットワークづくり、新技術等の集約・横展開の推進、規模拡大・作業受委託の推進などにより、農家所得の向上と県外産地に負けない産地づくりを加速させる。 |
2 | 鳥取梨生産振興事業 (予算額(事業費)106721千円) | 抜群の甘さで高評価の「新甘泉」など梨新品種の新植・改植を進めるとともに、果樹棚や網掛け施設、防除用機械など生産基盤整備を支援して、果樹農家の経営改善と梨産地の再生を進める。 |
3 | 鳥取柿ぶどう等生産振興事業 (予算額(事業費)16630千円) | 早生柿でトップクラスの品質を誇る「輝太郎」を全国ブランドにするため生産拡大を図るとともに、産地で振興する品目の新植改植や果樹棚、網掛け施設、防除用機械など生産基盤整備を支援して、果樹農家の経営改善と柿産地の再生を進める。 |
4 | 和牛改良・増頭対策事業 (予算額(事業費)133679千円) | 鳥取和牛の生産拡大及び高品質和牛肉の増産を図るため、和牛繁殖雌牛や肥育素牛の導入・保留に必要な経費を助成する。 |
5 | みんなでやらいや農業支援事業 (予算額(事業費)197702千円) | 農業者等が経営発展のために作成したプラン(営農計画)の達成のために行う取組に必要な経費を支援する。(がんばる農家プラン事業)
市町村が地域の関係者による話し合いを行って策定した農業活性化プランの実現に向けた取組に必要な経費を支援する。(がんばる地域プラン事業) |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
△(やや遅れ) |
達成度の評価 |
4 |
評価理由 |
・測定指標の今年度実績値は、多くの項目が年度当初の値を上回っているものの、一部の項目を除き年度目標値には到達しなかった。 |
H30年度の取組 | 成果 |
【白ねぎ】
・白ねぎの低収要因を克服するため、圃場に合った排水対策を施工した実証圃2箇所を設置して、生産者に作業性の改善・収量の向上効果を指導会等で広くPRした。また、その施工にあたっては戦略的園芸品目(白ネギ)総合対策事業が活用できることを説明して、排水対策の取組拡大を図るとともに、施工を希望する圃場の土壌条件を調査して施工方法や時期について助言を行った。
・八頭町管内のJA3支店の生産部合同で西部地区の白ねぎ排水対策等を視察し、他地区の事例も参考にしてもらった。 | ・排水対策の実証圃では、圃場管理者からは植付・土寄作業時の作業性が良い、白ねぎの生育が斉一で曲がりがなく調整作業も作業性が良いなど好評価が得られた。
・排水対策の実証圃について収量調査・作業分析を行って、排水対策施工の費用対効果を取りまとめ、研修会等で生産者に広く紹介したが、事業を活用して施工した農家は4戸1haにとどまった。
・排水対策施工に踏み切れない農家には、連作障害を恐れて1〜2年で水田に戻すものが多く、水田に戻した時の漏水等を心配する声もあった。(生産者アンケート結果より) |
【梨新品種(新甘泉)】
・各生産部毎に新品種のための栽培指導会を開催し、着果管理、夏枝管理、病害虫防除を徹底することにより、糖度や外観品質の向上を支援した。(今年は夏場の少雨高温対策にも力を入れた。)
・特に、ジョイント栽培に取り組む重点農家10戸には定期的な個別巡回を実施して個々の課題解決を助言したり、若手生産者グループを対象に研修会を開催して相互の栽培技術習得を支援した。 | ・新甘泉の全体出荷量は117tと前年(H29:97t)を大きく上回った。(平均果重は345gとやや小玉、赤秀率は58.5%、平均糖度14.6%と前年を上回った。)
・ジョイント栽培の重点農家の中には、着果過多で小玉となったり、黒星病や変形硬果で秀率が低下したものもあったが、確実に単収が増加しており、糖度、外観品質とも前年を上回る成績だった。
・若手グループの研究会は、毎回ほぼ全員が出席するなど熱心であり、新甘泉+王秋のジョイント栽培にもH32までに全員が取り組むことになった。 |
【柿新品種(輝太郎)】
・各生産部毎に輝太郎柿の優良園2カ所を選定して、優れた品種特性や栽培管理方法を研修会等で説明し、他の生産者への面積拡大を呼び掛けた。また、経営モデル園と高接ぎ一挙更新の優良園について経営試算や栽培管理状況をまとめた事例紹介資料を作成し、視察や研修会等で紹介した。
・特に今年度は、輝太郎だけの栽培研修会を定期的に企画・開催し、樹冠拡大を優先した栽培管理(かん水、施肥、着果制限)や果実品質の向上対策(汚損果軽減、着色促進)を呼び掛けた。 | ・既存生産者の中で新たな面積拡大の動きは見られなかった。(具体的な新改植の実績は年内の苗木注文や生産部への申告面積等で確認する。)
・輝太郎の全体出荷量は約22tと前年(H29:23t)とほぼ同じだった。(平均荷重は316gとやや小玉、赤秀率は24.3%と前年を下回り、製品率が低かったことが主な要因。)
・既存の汚損果軽減対策(反射マルチ、摘葉)は概ね実施されていたが、本年は収穫期に入って降雨が続いたこともあり、対策の効果は不十分であった。 |
【和牛子牛】
・和牛改良組合の重点農家7戸を個別巡回して、繁殖牛改良に役立つ情報提供、繁殖成績改善の支援、哺育・育成技術の向上支援等を行い、子牛販売頭数の増加と販売価格の向上を図った。
・肉牛協議会の重点農家2戸の個別巡回や検討会を行い、一貫経営での生産コスト低減や肥育経営での個別課題解決を支援し、肉牛経営の経営安定を図った。 | ・繁殖経営では、(農)八頭船岡農場が和牛繁殖に参入したほか、新規参入した若手農家2名も順調な分娩成績であり、今後の増頭やセリ上場子牛の増加が見込まれる。一方、繁殖成績が悪くセリ出荷に結び付いていない農家もあり、地域間・農家間でのバラツキが認められる。
・夏頃から若手グループの自主活動が途切れており、それに替えて、普及所主導の研修会の開催などを検討することになった。(いなば改良組合の研修会として) |
【エゴマ】
・エゴマ生産組合に対して、役員会や研修会を通じて統一的な栽培方法を提案するとともに、適正な栽植密度や摘芯による増収効果を確認しようと試験圃1カ所を設置した。また、単収の高い優良農家の管理作業や生育状況について定期的に調査し、慣行との比較を行った。
・作付面積の拡大に備えて収穫作業の効率化を図るため、コンバイン等による機械体系の実施を支援した。 | ・本年のエゴマ作付面積は約7.4haと昨年より1.4ha増加した。(今年度から且瘢農林振興が約0.4haで新規栽培参入した。)
・生産組合の研修会は、4月の作付前のみであり、7月、8月はチラシを作成して配布した。現在収穫中であり、収量等の詳細は不明。
・町は、平成31年度にコンバインや半自動定植機など一連の機械を導入し、今年産から約2haでコンバイン収穫を行い、概ね順調に収穫できた。() |
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課題 | 今後の取組 |
【白ねぎ】
・事業を活用した排水対策の施工を希望する生産者は一部に留まっており、引き続き排水対策の取組拡大に向けて啓発する必要がある。
・水田転換では連作障害を心配して2年以内に水田に戻す農家が多く、畑地化が不十分であり、排水対策や堆肥施用が進まない。 | ・排水対策施工の効果(作業性向上、生育安定)について生産者に情報提供し、更なる実施者の掘り起こしを行う。併せて圃場条件に応じた施工方法について助言し、次年度に向けて事業活用の検討も促していく。
・白ねぎの生産安定対策として3年以上の連作を重点的に推進するとともに、八頭町の堆肥散布システムを活用して白ねぎへの堆肥利用者を増やすなど、総合的な収量向上対策に取り組む。 |
【梨新品種(新甘泉)】
・本年は全般に着果量がやや多めで小玉傾向であり、園によっては黒星病やハダニの多発園があるなど、着果制限や病害虫防除の徹底にも課題が残った。
・ジョイント栽培の重点農家も、新梢管理が不十分、明らかな着果過多、黒星病やハダニの多発など、個々には栽培上の課題が残る。 | ・本年度の出荷成績をもとに収量や品質面での課題を明確化したうえで、特に問題のある農家には果実部と連携して次年度に向けた助言指導を行う。
・ジョイント栽培の重点農家では、個別指導で明らかになった新梢管理の徹底や着果基準の厳守、黒星病・ハダニの防除徹底など、個々の残された課題を克服できるよう助言指導する。
・若手グループのメンバーには、新甘泉+王秋のジョイント栽培を将来的な経営の柱と位置づけ、補助事業の活用やさらなる技術向上を支援していく。(八頭町の経営モデル団地への入植者には、H32植栽に向けて年次計画を立てて対応していく。) |
【柿新品種(輝太郎)】
・現時点では既存生産者に面積拡大の具体的な動きがなく、新規栽培者のメドも立っていない。
・本年は汚損果対策が概ね実施されたにもかかわらず、収穫期に台風や降雨が続いたことで葉スレや裂皮が多発し製品率が低下した。 | ・引き続き、優良事例を紹介した資料や優良園での研修会の場を活用して、輝太郎の優れた品種特性や栽培方法のポイントをPRし、導入促進を図る。また、梨経営モデル団地に引き続き、輝太郎のモデル団地整備について生産部等に提案するなど、新規栽培者の確保と面積拡大の方策について検討を進める。
・本年のような厳しい気象条件の下では、既存の汚損果対策では不十分で、より効果的な対策を求める声があることから、収穫前の反射マルチ全面被覆など、抜本的な汚損果対策を検討し、生産部等に提案する。 |
【和牛子牛】
・繁殖経営では、繁殖成績が悪くセリ出荷に結び付いていない農家も見受けられ、農家間で成績にバラツキがある。
・一貫経営では、肥育成績の好調が続いている。
・畜産クラスター事業で牛舎建設した農家は計画的な増頭が必要。 | ・引き続き和牛改良組合の研修会を支援するとともに、課題のある農家を重点的に巡回して、特に子牛の発育改善に向けた助言指導を積極的に行う。
・牛舎建設後の計画的な増頭に向けて、定期的な検討会等を通じて個別に課題を把握し、解決を支援する。
・また、若手後継者・新規就農者の研修会を支援して、相互研鑽による意識向上と仲間作りを推進する。 |
【エゴマ】
・エゴマ生産者は小規模・高齢農家が多く、新たな栽培者を増やすのは困難であり、且瘢振興による新規参入の具体化が急がれる。
・本年のエゴマは干ばつによる生育不良が著しかったため、優良農家の事例も参考にして栽培基準改定を進める必要がある。 | ・新規栽培者を増やすため、様々な機会を捉えてエゴマ栽培基準や収支試算を提示し、新規栽培者の掘り起こしを支援する。
・且瘢振興の新規栽培参入については、機械化体系整備や経営圃場の確保など具体的な計画策定等について助言するなど、エゴマ栽培への参入を支援する。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。