農林水産部 森林・林業振興局 林業試験場の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 林業試験場 所属長名 大北 誠 電話番号 0858-85-6221
組織ミッション
森林資源の循環利用を担う「自立した林業・木材産業」の実現に向けた研究・技術開発
1.政策内容と目標
(1)政策内容
安全かつ低コスト林業推進のための搬出・造林・保育・育苗技術、森林病虫害の被害防止技術、県産材の加工利用・用途拡大等に係る技術等に関わる研究開発、「県立21世紀の森」の管理運営など
(2)今年度の目標
1 県産スギ板材の表面処理技術の構築
・うづくり加工、圧密加工の条件設定と基本性能把握(スギの風合いを活かし、キズを抑制出来る表面処理技術の開発)
2 現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発
・ユニットの構造決定、ユニット単体の構造試験(誰でも容易に精度良く、施工できるスギユニット耐力壁の開発)
3 スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・応力波技術を応用した葉枯らし乾燥期間の調査及び簡易な計測手法の開発(現場で伐採木の含水率を非破壊的に計測し、効率的な葉枯し期間を実証)
4 住宅内装製品への県内産広葉樹材の活用に関する研究
・内装製品として活用するための材質に対応した加工技術の改良・開発(県産広葉樹材を内装製品として活用するための加工技術を開発)
5 保存処理CLTの製造技術の確立
・CLTの防腐防蟻薬剤の加圧注入処理(屋外使用向け)と接着性能評価(腐朽やシロアリに対する抵抗力を高めたCLTの製造技術を確立)
6 CLTの構造等性能評価
・CLTの住宅用部材としての各種基本性能把握(厚い、長い寸法のCLTの強度や寸法安定性などの把握)
(参考)該当する長期的目標
政策項目 | 元気づくり総合戦略 | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
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T豊かな自然でのびのび鳥取らしく生きる | (2)農林水産業 | A農林水産業の活力増進 |
2.測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
県産スギ板材の表面処理技術の構築 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | - | | | | 技術提案数1 |
時点 | H28 | | | | H31.3月 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
総合戦略 | | 新技術の開発が組織ミッションであるため選定。目標値は現研究課題の終期を設定。 |
指標2
指標名 | 指標の分類 |
現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | - | | | | 技術提案数1 |
時点 | H28 | | | | H31.3月 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
総合戦略 | | 新技術の開発が組織ミッションであるため選定。目標値は現研究課題の終期を設定。 |
指標3
指標名 | 指標の分類 |
スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | − | | | | 技術提案数1 |
時点 | H29 | | | | H32.3月 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
総合戦略 | | 新技術の開発が組織ミッションであるため選定。目標値は現研究課題の終期を設定。 |
指標4
指標名 | 指標の分類 |
住宅内装製品への県内産広葉樹材の活用に関する研究 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | - | | | | 技術提案数1 |
時点 | H29 | | | | H31.3月 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
総合戦略 | | 新技術の開発が組織ミッションであるため選定。目標値は現研究課題の終期を設定。 |
指標5
指標名 | 指標の分類 |
保存処理CLTの製造技術の確立 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | - | | | | 技術提案数1 |
時点 | H29 | | | | H31.3月 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
| | 新技術の開発が組織ミッションであるため選定。目標値は現研究課題の終期を設定。 |
指標6
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | - | | | | 技術提案数1 |
時点 | H30 | | | | H31.3月 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
総合戦略 | | 新技術の開発が組織ミッションであるため選定。目標値は現研究課題の終期を設定。 |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 県産スギ板材の表面処理技術に関する研究 (予算額(事業費)673千円) | スギ有節材の内装材利用を拡大するため、キズを抑制するための表面処理技術(うづくり、表層圧密など)を構築する。 |
2 | 現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発 (予算額(事業費)1570千円) | 施工の容易なユニット式スギ厚板耐力壁を開発し、耐震化木造住宅の普及に資する。 |
3 | スギ材の効率的な葉枯らしシステムの開発 (予算額(事業費)765千円) | 鳥取県産スギ材の原木価格向上のため、スギ材の付加価値化技術の一つである葉枯らしについて、葉枯らしに要する具体的な期間を提示し、材色改善などの効果を数値化することで、現場の作業行程に葉枯らしを組み込みやすくし、葉枯らし材の出材量を増加させる。 |
4 | 住宅内装製品への県内産広葉樹材の活用に関する研究 (予算額(事業費)1141千円) | 県産広葉樹材を内装製品(フローリング、壁板等)として活用するため、材質に対応した加工技術を改良・開発する |
5 | 保存処理CLTの製造技術の確立 (予算額(事業費)600千円) | CLT(直交集成板)を用いた建築物の耐久性を向上させるため、防腐防蟻薬剤の加圧注入処理によって腐朽やシロアリに対する抵抗力を高めたCLTの製造技術を確立する。 |
6 | CLTの性能評価に関する技術力向上のための試験 (予算額(事業費)千円) | CLTの製造・建築に関する現場のニーズに対応できるよう、最新の試験方法、評価手法に関する技術を習得することを目的に、林業試験場が本年3月に新規導入した実大強度試験機と2室型恒温恒湿室等を用いて、CLTの各種性能試験を実施する。 |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
8 |
評価理由 |
各課題が概ね良好な成果を得ているため。 |
H30年度の取組 | 成果 |
1 県産スギ板材の表面処理技術の構築
・うづくり加工、圧密加工の条件設定と基本性能把握(スギの風合いを活かし、キズを抑制出来る表面処理技術の開発) | 現在、表面を適度に硬化させる条件、復元を防ぐ条件設定を実験で繰り返し行っているところ。年度内には適した加工方法を提示できる見込み。 |
2 現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発
・ユニットの構造決定、ユニット単体の構造試験(誰でも容易に精度良く、施工できるスギユニット耐力壁の開発) | スギ板を3枚1組にし、かつ、ダボの脱落を防ぐために、裏面から合板を釘打ちする事を考案。要素試験の結果、ダボだけよりも合板で接合したことで初期剛性を高められることがわかった。最終的には実大壁試験体での面内せん断試験を実施予定で、所期の計画を達成する見込み。 |
3 スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・応力波技術を応用した葉枯らし乾燥期間の調査及び簡易な計測手法の開発(現場で伐採木の含水率を非破壊的に計測し、効率的な葉枯し期間を実証) | 立木の水分変動を継続調査中。1年を通じて樹木内水分の季節変化を把握できた。 |
4 住宅内装製品への県内産広葉樹材の活用に関する研究
・内装製品として活用するための材質に対応した加工技術の改良・開発(県産広葉樹材を内装製品として活用するための加工技術を開発) | 広葉樹のドアを試作し西部総合事務所所長室に設置。設置後の寸法変化もなく、良好な状態を保っていた。デザインも好評で、広葉樹のPRにもつながっている。
大山産コナラの活用を目的に、原木の調達、材質調査、製材を行った。 |
5 保存処理CLTの製造技術の確立
・CLTの防腐防蟻薬剤の加圧注入処理(屋外使用向け)と接着性能評価(腐朽やシロアリに対する抵抗力を高めたCLTの製造技術を確立) | CLTの屋外使用を想定し、成分濃度の高い薬剤を加圧注入処理した。注入処理の接着への影響を明らかにするために、剝離試験を行ったところ、JASの基準の範囲内であった。 |
6 CLTの構造等性能評価
・CLTの住宅用部材としての各種基本性能把握(厚い、長い寸法のCLTの強度や寸法安定性などの把握) | CLTの雨がかりによる吸水と寸法変化について調べ、吸水は塗装処理を施したほうが少なく、乾きも早かった。全ての試験体で反りが生じ、現在、分析を進めているところ。
実大CLTの表裏面が異なる温湿度環境に曝露された時の変形を、約5か月間計測し、変形発生の特徴を明らかにできた。 |
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課題 | 今後の取組 |
1 県産スギ板材の表面処理技術の構築
・うづくり加工、圧密加工の条件設定と基本性能把握(スギの風合いを活かし、キズを抑制出来る表面処理技術の開発) | 県木連が取り組もうとしている、塗装による表面硬化と併せ、傷や汚れのつきにくい内装製品の開発に繋げていきたい。 |
2 現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発
・ユニットの構造決定、ユニット単体の構造試験(誰でも容易に精度良く、施工できるスギユニット耐力壁の開発) | 企業に利用の働きかけを行い、県庁の住まいまちづくり課が窓口となっている倍率認定制度を申請していただき、リフォーム現場での施工実績を増やしていく。 |
3 スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・応力波技術を応用した葉枯らし乾燥期間の調査及び簡易な計測手法の開発(現場で伐採木の含水率を非破壊的に計測し、効率的な葉枯し期間を実証) | 次年度も継続してデータ収集を行い、葉枯し乾燥に関するマニュアルを作成する。 |
4 住宅内装製品への県内産広葉樹材の活用に関する研究
・内装製品として活用するための材質に対応した加工技術の改良・開発(県産広葉樹材を内装製品として活用するための加工技術を開発) | 「大山」のブランドイメージを活かした広葉樹内装製品の試作を行う |
5 保存処理CLTの製造技術の確立
・CLTの防腐防蟻薬剤の加圧注入処理(屋外使用向け)と接着性能評価(腐朽やシロアリに対する抵抗力を高めたCLTの製造技術を確立) | 36mm厚さのCLTを木塀やウッドデッキで利用することを想定し、保存処理製品に表面塗装を行い、その耐久性を評価する。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。