農林水産部 水産振興局 水産試験場の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 水産試験場 所属長名 宮永貴幸 電話番号 0859-45-4500
組織ミッション
１ 限りある水産資源を賢く、末永く利用する管理技術の開発と提案 ２ 県産魚付加価値向上に対する取り組み ３ 燃油高騰に耐える漁業経営体への技術・研究支援 ４ 中海水産資源の回復方策の研究
１．政策内容と目標
（１）政策内容
①魚を絶やすことなく、資源を大切（有効）に利用するための漁獲方法の開発（資源管理の推進）
（２）今年度の目標
ズワイガニ、ベニズワイガニ、クロマグロ、マイワシ等の各種調査の実施
（参考）該当する長期的目標
| 政策項目 | 元気づくり総合戦略 | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン（教育振興基本計画） | その他 |
|
|
|
|
|
|
| Ⅰ豊かな自然でのびのび鳥取らしく生きる | （２）農林水産業 | ②農林水産業の活力増進 |
２．測定指標
指標１
| 指標名 | 指標の分類 |
|---|
| 本県特産のズワイガニの水揚量1,200トン程度維持できる管理方法を確立 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
|---|
| 数値 | 899ｔ | 899 | 900 | 773（2月末現在） | 1200t |
| 時点 | H31 | H31 | H31 | R1（H31） | H35 |
| 根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
|---|
| 総合戦略 | | 国による資源管理に加えて、本県独自の資源管理（改良網の使用、漁期の短縮、保護区の設定等）を実施することによってズワイガニの資源を回復させる。 |
指標2
| 指標名 | 指標の分類 |
|---|
| 境港の水産加工を支えるベニズワイの安定的な漁獲 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
|---|
| 数値 | ・市場調査（年10回） ・漁業者とのベニズワイ共同調査（年９回） | ・市場調査（年10回） ・漁業者とのベニズワイ共同調査（年12回） | ・市場調査（年10回） ・漁業者とのベニズワイ共同調査（年13回） | 市場調査（年10回）・漁業者との共同調査（年11回） | ・市場調査（年10回） ・漁業者とのベニズワイ共同調査（年15回以上） |
| 時点 | H23 | H31 | H31 | R1（H31） | H32 |
| 根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
|---|
| アクションプラン | | 境港の水産加工を支えるベニズワイの漁獲について、資源保護のための脱出口付き漁具、及び個別割当制の導入により、安定した漁獲を維持していく。 |
指標3
| 指標名 | 指標の分類 |
|---|
| 今後、資源増加が見込まれるマイワシ資源の調査研究 | 活動指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
|---|
| 数値 | 市場調査による漁獲魚の把握、水産研究・教育機構と関係県等で構成したマイワシ検討会への参画、県試験船を用いた仔魚調査の３航海の実施。 | 市場調査による漁獲魚の把握、水産研究・教育機構と関係県等で構成したマイワシ検討会への参画、県試験船を用いた仔魚調査の３航海の実施。 | 市場調査による漁獲魚の把握、水産研究・教育機構と関係県等で構成したマイワシ検討会への参画、県試験船を用いた仔魚調査の３航海の実施。 | 市場調査による漁獲魚の把握、水産研究・教育機構と関係県等で構成したマイワシ検討会への参画、県試験船を用いた仔魚調査３航海の実施。 | 日本海のマイワシ資源の変動要因について検討を行い、今後の資源予測の精度を高める。（境港地区の漁業振興に利用） |
| 時点 | H28 | H30 | H31 | R1(H31) | R1 |
| 根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
|---|
| | | 日本海のマイワシの資源増減予測のための調査研究 |
指標4
| 指標名 | 指標の分類 |
|---|
| 日本海クロマグロの持続的利用のための調査研究 | 活動指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
|---|
| 数値 | 水揚回数の７割以上の市場調査実施、県試験船を用いた仔魚調査、稚魚調査の各１航海の実施 | 水揚回数の７割以上の市場調査実施、県試験船を用いた仔魚調査(１航海)の実施 | 水揚回数の6割以上の市場調査実施、県試験船を用いた仔魚調査(１航海)の実施 | 市場調査を水揚回数の7割実施、仔魚調査１航海実施 | 科学的根拠による国際委員会の勧告に基づく日本海での資源管理の実施 |
| 時点 | H28 | H30 | H31 | R1(H31) | H31 |
| 根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
|---|
| | | 日本海クロマグロの持続的利用のための調査研究 |
３．目標を実現するための主要事業・主要制度
| 番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
|---|
| 1 | 底魚資源変動調査 （予算額（事業費）19855千円） | 底魚類（ズワイガニ、ベニズワイ、カレイ類、ハタハタ）資源量について、市場調査や試験操業調査を行う。
(１)漁獲物(市場)調査（７、８月を除く毎月）
(２)トロール調査(８月、１０月、２月)
(３)かにかご調査 ７月
(４)ベニズワイ試験篭調査（１０～２月） |
| 2 | 浮魚資源変動調査 （予算額（事業費）9198千円） | 浮魚類（アジ、サバ、イワシ類、クロマグロ、ブリ類、スルメイカ、ケンサキイカ）資源量について、市場調査や試験操業調査を行う。
１ 浮魚類(アジ、サバ、イワシ類、ブリ類、スルメイカ)の資源状況及び今後の見通しについて把握
(１)漁獲物(市場)調査（毎月）
(２)卵稚仔一斉調査（４～６月、３月）
(３)鳥取沿岸におけるブリ産卵期の把握
２ 境港に水揚げされるクロマグロの漁獲量調査及び市場調査（６～７月）、仔魚採集調査（８月）
３ マアジ幼魚（０歳魚）の来遊量の予測を行うための採捕調査（５～６月）
４ マイワシの資源変動を調査するための調査手法の開発 |
| 3 | 海洋環境変動調査 （予算額（事業費）7826千円） | 水産資源の変動や漁業活動に大きな影響を与える水温、塩分等について調査を行う。
（１）海洋観測（１月を除く毎月）
（２）大型クラゲ調査（８月～１１月） |
| 4 | 水産試験場管理運営費（第一鳥取丸維持管理） （予算額（事業費）69032千円） | 調査に必要な試験船「第一鳥取丸」の維持管理経費 |
４．評価
■最終評価（年度末時点）
| 進捗評価 |
|---|
| ○（予定どおり） |
| 達成度の評価 |
|---|
| 8 |
| 評価理由 |
|---|
| 調査は予定どおり実施できたため |
| 令和元年度の取組 | 成果 |
|---|
| ハタハタ、ズワイガニ | ・10月にズワイガニの漁期前トロール調査を実施した。松葉がに、親がに、若松葉がにの漁況について取りまとめ、漁業関係者へ情報提供を行い、操業等に役立てられた。
・ズワイガニ解禁後は、網代、賀露、境港の市場において、松葉がにの甲幅測定を行うととも、規格別漁獲枚数を調べた。これらの情報に基づき、甲幅別漁獲尾数の把握を行い、漁獲サイズが大きくなっていることがが確認された。
・ズワイガニ稚ガニ調査結果の取りまとめを行い、ズワイガニ稚ガニの分布状況について研究関係機関と情報共有を図った。
・2月にハタハタの春季トロール調査を実施した。得られた結果は、漁業関係者へ情報提供を行い、操業に役立てられた。 |
| マアジ、マイワシ | マアジは５～６月にかけて行った新規加入量調査の結果、加入量指標値は0.70となり、過去５年間で２番目に低い値となった。前年の0.76から微減となったため、概ね同程度の水揚げが期待されたが、2019年の水揚量は14,941トン、前年比78％と予想より大きく減少した。２年連続で低調な加入となったため、境漁港において漁獲の主体となる１、２歳魚が少ないと推察され、今後の漁獲は３歳魚以上の大型個体が主体となる可能性がある。マイワシについては2019年の水揚量は3,771トンで、平年比19%の大不漁となったが、日本海側全体で同様の不漁傾向だったことから、回遊経路が大きく変化した可能性が考えられた。一方で資源状態は上向いており、2020年2月以降、大型魚を中心に隠岐海峡で大規模に漁場形成し、既に昨年の水揚量を大幅に上回っている。 |
| ベニズワイガニ | 調査は概ね予定通り実施した。残念ながら、昨年より漁獲量は資源の低下および船舶の老朽化による故障による影響で減少した。漁場全体において漁獲が減少しているが、漁場毎で減少幅に差が見られる。国の研究機関による資源評価では、資源水準は低位で傾向は減少。漁業者との共同調査の結果では、次期の資源となる小型の個体は、漁場ごとに異なり、大和堆、新隠岐堆では、多く確認されたが、隠岐西方ではほとんど確認されなかった。 |
| クロマグロ |
・夏季の市場調査の効率化を図り、市場調査日数を昨年より7日間減少させた。
・仔魚調査では、第一鳥取丸の調査海域にて22尾（前年111尾）
の仔魚を採集した。2015年以降、日本海での１曳網あたりの採集量は年々増加傾向にある。
・課題であった漁場別・年齢別のCPUE等について、過去3か年のデータを整理し、年級群別の資源量(加入量)をある程度反映した数値であることがわかった。
|
| | |
| | |
| | |
| | |
| | |
| | |
| 課題 | 今後の取組 |
|---|
| ズワイガニ | 令和元年度のズワイガニ稚ガニの分布調査は、漁場の一部にとどまるため、調査範囲を拡大するとともに、資源状況の把握するため、調査を継続する必要がある。 |
| マアジ、マイワシ | マアジについては特に１～２歳魚の需要が高く、これらの資源動向の把握が重要であるため、引き続き市場調査を実施し、年齢組成などの基礎データを把握していく。また、中層トロール調査では加入程度の把握が出来るため、積極的に情報提供していく。マイワシについては、水揚げの年変動が大きく来遊予想が困難であるものの、市場調査や高精度化事業が徐々に進展しており、今後も地道に調査を続け、資源動態の把握、来遊予想の精度向上につとめる。 |
| ベニズワイガニ | 今後も市場調査を行い、資源状況の把握につとめる。 |
| クロマグロ
| 今後も市場調査を行い、資源状況の把握につとめる。 |
| |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎：予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。