地域づくり推進部 文化財局 埋蔵文化財センターの工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 埋蔵文化財センター 所属長名 北村順一 電話番号 0857-27-6711
組織ミッション
鳥取県における埋蔵文化財情報の中心として文化財の適切な保存を図るとともに、調査・研究を通じて本県の歴史・文化を解明することにより県民の文化的向上に貢献し、効果的な情報発信と地域の文化財を活用した地域振興に繋がる取組を推進する。
1.政策内容と目標
(1)政策内容
埋蔵文化財の情報発信・活用
(2)今年度の目標
地域の歴史資源の掘り起こしのため調査研究を実施し、地域資源、観光資源となる資料蓄積を行うほか、展示、講演、イベント等での活用を図る。また、学校の歴史授業で使用できる歴史教材や学習指導案を作成し、地域の歴史資料を活用した「ふるさと教育」を推進する。
(参考)該当する長期的目標
政策項目 | 元気づくり総合戦略 | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
○
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○
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○
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○
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●政策項目
●元気づくり総合戦略
●将来ビジョンの取組の方向性(該当所属のみ)
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | W【楽しむ】いきいきと楽しみながら充実した生活を送る | @県民が鳥取県の歴史や文化を誇りに思い、三徳山や妻木晩田遺跡等のほか、史跡、街並み、郷土芸能、建築物、伝統芸能、民工芸等の鳥取県の様々な貴重な財産を大切にし、「郷土とっとり」に誇りを感じる機運・意識の醸成を目指します。民工芸品の県内販売場所を確保するとともに、県内外に情報発信を行い、広く紹介します。 |
2 | Y【育む】次代に向けて、躍動する「ひと」を育む | D子どもたちが鳥取県の歴史や文化を誇りに思い、史跡、街並み、郷土芸能、建築物、伝統芸能、民工芸等の鳥取県の様々な貴重な財産を大切にし、「郷土とっとり」に誇りを感じる機運・意識の醸成を目指します。 |
●アクションプラン(教育振興基本計画)
施策目標 | |
4:文化・芸術の振興と文化財の保存・活用 | (2)文化財を大切にし、身近に感じ、親しむことができる地域づくり |
2.測定指標
測定指標なし
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 鳥取県の考古学情報発信事業 (予算額(事業費)12624千円) | 鳥取県の遺跡や文化財に関する様々な情報と出土品を展示、体験学習、イベント、講演会、フォーラム、刊行物等を通じて積極的に発信するとともに活用促進する。また、学校とも連携し、児童・生徒の地域の歴史への認識を深め、郷土愛の醸成を図る。 |
2 | 埋蔵文化財等調査研究・研修事業 (予算額(事業費)265千円) | 県内遺跡等の文化財についての調査研究を行い、地域の歴史資源を掘り起こす。その成果を「考古学情報発信事業」等の普及啓発事業に活かす。また、県内各自治体等の発掘調査技術の標準化を図るための基礎的研修も実施する。 |
3 | 古代山陰道(青谷地域)の調査研究事業 (予算額(事業費)4272千円) | 国内初となる柳の街路樹や朝鮮半島から伝わった高度な土木技術が発見されるなど全国的な注目を集めている青谷地域の古代山陰道の調査研究を継続・進化させ、国史跡指定により更なる価値づけを目指すとともに、地域振興や観光振興に活かしていく。さらに古代山陰道の成果を青谷上寺地遺跡の史跡整備にも活かすことで青谷地域の歴史的価値をより一層高め、新たな魅力発信にもつなげていく。 |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
9 |
評価理由 |
予定した事業、調査研究を完了させることができた。特にセンター来館者及びイベント参加者は前年度比167%となり、好評を得た。 |
令和元年度の取組 | 成果 |
1 鳥取県の考古学情報発信事業
企画展示8回、出張展示2回(イオン鳥取北等)、現地見学10回(古代山陰道等)、講座9回、フォーラム1回、子ども向けイベント5回(古代まつり等)をすべて予定通り開催し、学校向け歴史授業も12回、県教育センター連携研修を1回実施した。 | ・まいぶん講座と連携した企画展示(4〜12月開催)、土日特別開館は好評だった。
・ショッピングモールで開催する出張展示は現時点で3回開催し、合わせて1000人(昨年度比115%)程度の来場を得るほど好評である。
・中世城館ウォークなどの現地見学は10回開催し、各回常に定員を満たす参加者(昨年度比192%)を得た。参加者アンケートでも「継続して続けて欲しい」などの意見が変わらず多い。
・中世城館をテーマにした考古学フォーラムは大変好評を博し、来場者403人(内県外参加者50人、女性参加者97人)を得た。
・古代まつりを東部と中部で2回開催した。今年度から両回とも市町教育委員会も参加協力のもと開催し、来場者は東部450人、中部350人、計800人(昨年度比130%)だった。また、参加協力の市町からは「今後の普及活動の参考となった」、「次年度も継続して参加したい」等の意見があった。
・地域の歴史素材を学校の歴史授業で活用する出前授業は、前年度4校から9校となり、実施校の先生や児童からは、「専門家による授業は普段より児童の興味関心が高かった」(教員)、「今日の授業で歴史が好きになった。」(児童)などの評価を得た。
※児童のアンケート結果では、50%が歴史が好きになったと回答。
・教育センター連携研修で「ふるさと教育」をテーマに研修を開催し、29人の教員から評価を得た。 |
2 埋蔵文化財等調査研究・研修事業
・中世城館調査では、16回の踏査を実施した。
・基礎研修(市町村担当者向け)を予定通り開催
・専門職員研修を開催予定(3月25日) | ・因幡地方の中世城館19城の現地踏査実施し、縄張り図及び断面図を作成した。
また、文献調査も実施し、現地踏査、文献調査の成果をフォーラムのパネル展示、センターの企画展示で発表した。
・今年度の調査結果について概報を作成した。
・基礎研修を1回開催し、 市町教育委員会の参加があった。参加者からは「発掘調査の整理作業が具多的にわかった」との好評を得た。 |
3 古代山陰道(青谷地域)の調査研究事業
・踏査によって、古代山陰道の一部について候補地を絞り、発掘調査を行った。
・地形測量を予定どおり委託発注し、年度末に成果納品予定。 | ・青谷町地内の東側丘陵部、西側丘陵部の踏査を3回実施、ウォーキングイベントを1回開催した。
・踏査では、丘陵上に全長700mの古代山陰道候補地を確認することができた。
・発掘調査では、古代山陰道と考えられる道跡を2箇所において確認できた。また、古代道路研究者、文化庁調査官から高い評価を受けている。
・ウォーキングイベントでは60人の参加、発掘調査の現地説明会では161人もの参加があり、参加者からも全国に情報発信できる内容と好評であった。 |
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課題 | 今後の取組 |
1 鳥取県の考古学情報発信事業
・現在、普及活用事業に共同参加していない市町村がある。
・学校の歴史授業支援を行っているが今年度9校しか実施できていない。また、県中部地域の実施は0件である。
・教育センターと連携研修を開催し、好評であったが、その後の授業要請に繋がらない。 | ・古代まつり、個別イベントの共同実施の成果と参加市町村担当者の声を不参加市町村に伝えるなど、参加を働きかけていく。
・各地域、各時代の小学校、中学校の歴史学習指導案を多数作成し、学校へPRを行イベント、学校教育での当センター活用を促す。(特に中部地域)
・教育センターとの連携研修だけではなく、当センターでも「ふるさと教育」を実施するための教員向け講座を開催する。 |
2 埋蔵文化財等調査研究・研修事業
・中世城館で史跡指定は殆どなく、地域振興での活用を期待されながら、価値づけや地域機運の盛り上がりが十分ではない。
・今年度の研修参加市町村は、19市町村中8市町村と多くない。 | ・初年度(本年度)に取り組んだ鵯尾城、狗尸那城、鹿野城について補足調査、発掘調査を実施し、史跡指定を目指す。
・来年度は、東伯耆の中世城館について詳細調査、文献調査を実施し、該当地域の中世城館の様相を解明していく。また、地域にある中世城館の貴重さを周知するため、東伯耆を中心に中世城館ウォーク等を実施し、地域の機運を高める。それに加え、調査研究による価値づけを行い、地域資源とすることでより一層の地域振興を目指す。
・再来年度の取組に向けて、予備調査や市場調査を行う。
・市町村の文化財担当者の希望にリアルタイムにあった基礎研修、専門職員研修を開催する。
(内容については、3年サイクルで実施中) |
3 古代山陰道(青谷地域)の調査研究事業
・確認できた「古代山陰道」は研究者、文化庁調査官からの評価も高いが、価値づけか十分にできていない。 | ・本年度行った発掘調査について速やかに発掘調査報告書を作成するとともに、来年度は委員会を設置し、専門家の指導を得ながら青谷町地内の西側丘陵部及び東側丘陵傾斜部の発掘調査等を実施することで青谷町内の古代山陰道ルートの確定をするとともに青谷町内の古代山陰道の国史跡指定を目指す。 |
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※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。