生活環境部 くらしの安心局 水環境保全課の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 水環境保全課 所属長名 田中将 電話番号 0857-26-7400
組織ミッション
安全で快適に暮らせる水環境づくり ・快適な水環境の確保 ・生活排水処理の普及
1.政策内容と目標
(1)政策内容
三大湖沼の浄化と利活用の推進
(2)今年度の目標
<中海>
○水質改善
・国、島根県及び沿岸市等と連携し、効果的な水質浄化対策の検討及び実施
(水質モニタリングの継続、覆砂検討ワーキンググループによる窪地対策の検討、ファインバブルを活用した水質浄化の検討)
・第6期水質保全計画(H26-30)の水質浄化対策の評価・解析
・第7期水質保全計画(H31-35)の策定に係る水質シミュレーションによる施策効果の検討
・米子湾を中心とした流入負荷対策⇒合併浄化槽の設置促進、環境にやさしい農業の普及(地域住民、米子市、農林局等との連携)
○ワイズユース(利活用)
・ラムサール条約趣旨に基づく中海の賢明な利用を、周辺市とより一層連携して推進⇒条約湿地間こども交流、シンポジウム等
・米子水鳥公園を活用した中海圏域の情報発信、環境教育の推進
<湖山池>
○水質改善
・鳥取市との連携による湖山池水質管理保全計画(第3期)に基づく水質改善の推進
(塩分濃度は将来ビジョンに定める範囲内で管理)
・生態系(水生植物、プランクトン、昆虫、鳥類等)の調査、溶存酸素連続観測などのモニタリング及び汽水化後の中間評価
・周辺のため池・ビオトープを活用した淡水動植物(カラスガイを含む)の保全及び市民の環境意識の啓発
○利活用
・鳥取市との一層連携による情報発信⇒地域住民等との意見交換(サロン、プラザ)の充実
・湖山池プラザ等を活用した環境教育の推進
<東郷池>
○水質改善
・湯梨浜町との連携による「みんなで取り組む 東郷池水環境保全プログラム(第2期東郷池水質管理計画)(H28〜H37)」に基づく水質改善の推進
・セキショウモの移植など自然浄化作用の回復への取組
○利活用
・住民が東郷池に親しみ五感により水環境を評価する東郷池湖沼環境モニターの推進
・湯梨浜町と協働し、地域住民に参画いただく「愛らぶ東郷池」イベントによる普及啓発等
(参考)該当する長期的目標
政策項目 | 元気づくり総合戦略 | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
○
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○
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○
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○
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●将来ビジョンの取組の方向性(該当所属のみ)
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | V【守る】鳥取県の豊かな恵み・生活を守り、次代へつなぐ | C県民、NPO、行政等の全ての主体が連携して、三大湖沼の水質の改善、美しい水辺環境の回復に取り組み、その水質を環境基準に近づけます。 |
●環境イニシアティブプラン
番号 | 目標 | 施策 | 具体的な目標 |
1 | 【4 自然共生】自然がもたらす恩恵を持続的に享受できる健全な自然生態系の確保 | 4-3 三大湖沼の浄化と利活用の推進 | <中海>
►流入汚濁負荷の一層の削減(下水道、農業集落排水施設、浄化槽等の整備・接続率向上)
►自然浄化機能の活用(浅場・藻場の造成、浅場環境の保全・活用、海藻等の湖外搬出による水質浄化)
►モニタリング充実と科学的知見に基づく対策検討(体制充実と効果的対策の検討、米子湾水質浄化実証実験補助)
►親しみやすく快適と感じられる水環境を目指した指標設定(五感湖沼環境指標、透明度設定)
►環境教育等の推進(次世代の子どもたちの水質保全意識の向上、賢明な利用(ワイズユース)の推進)
►関係者との連携(河川管理者との連携強化等)
<湖山池>
►流入汚濁負荷の一層の削減(生活排水対策(下水道の整備・接続、浄化槽等の排水負荷低減)、工場・事業場排水対策、畜産業に係る汚濁負荷対策、農地・市街地等からの面源系負荷対策など)
►湖内浄化対策(湖内等の浚渫・覆砂)
►自然浄化機能の活用(浅場造成の推進・拡大)
►地域住民等の協力確保と環境学習の推進(地域住民等による美化活動(アダプトプログラム、流入河川清掃等)、環境教育学習の推進など)
►調査・研究(環境モニタリング(水質・生態系)、湖内環境改善に資する調査研究、生態系保全ビオトープの検討)
<東郷池>
►流入汚濁負荷の一層削減(環境にやさしい農業の推進、市街地等からの面源系負荷対策)
►自然浄化機能の活用(魚介類資源回復調査、魚類・シジミ等の生息環境の改善、水生植物帯再生など)
►地域住民等の協力確保(東郷池湖沼環境モニター(五感による水環境評価)、地域住民・事業者・行政の協議による浄化活動(アダプトプログラムと環境学習の推進・参加)、行政による活動支援など)
►調査・研究(湖沼・河川等の水質調査など) |
●所属で設定する長期目標(設定がある場合のみ)
○水質改善を進め、保全・再生を図りその利活用を推進します。
第7期中海水質保全計画(R1〜R5)
第3期湖山池水質管理計画(H24〜33)
みんなで取り組む 東郷池水環境保全プログラム(第2期東郷池水質管理計画)(H28〜H37)
2.測定指標
指標1
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 中海:5.1mg/L | 中海:4.9mg/L(最高地点) | 中海:5.1mg/L | 中海:4.6 mg/L | 中海:5.1mg/L |
時点 | 平成25年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 令和2年3月末 | 中海:平成30年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
環境イニシアティブプラン その他計画等 | 第6期中海水質保全計画(H26〜30)/(参考:今年度中に第7期計画を策定) | |
指標2
指標名 | 指標の分類 |
湖山池の水質(COD値) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 湖山池:5.5mg/L | 湖山池:5.1mg/L(中央部) | 湖山池:5.5mg/L | 湖山池:5.4 mg/L | 湖山池:5.5mg/L |
時点 | 平成25年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 令和2年3月末 | 湖山池:平成33年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
環境イニシアティブプラン その他計画等 | 第3期湖山池水質管理計画(H24〜33) | |
指標3
指標名 | 指標の分類 |
東郷池の水質(COD値) | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 東郷池:4.5mg/L | 東郷池:5.1mg/L(中央部) | 東郷池:4.5mg/L | 東郷池:5.7 mg/L | 東郷池:4.5mg/L |
時点 | 平成28年度末 | 平成29年度末 | 平成30年度末 | 令和2年3月末 | 東郷池:平成37年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
環境イニシアティブプラン その他計画等 | みんなで取り組む 東郷池水環境保全プログラム(第2期東郷池水質管理計画)(H28〜37) | |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 湖山池・東郷池及び三湖沼共通水質浄化対策推進事業 (予算額(事業費)15438千円) | ・環境教育事業の委託
・魚斃死時の回収作業
・作業員派遣
・湖山池水質テレメータシステムの維持管理
・環境モニタリング委員会開催
・汽水化事業中間評価
・生態系等の各種モニタリングの実施
・愛らぶ東郷池イベント等の実施
・みんなで守る湖沼の自然環境保全補助金
・植物・動物プランクトン調査事業 |
2 | 【統合】”ラムサール条約湿地”中海の水質浄化対策とワイズユース推進事業 (予算額(事業費)10953千円) | ・中海水質予測計算業務
・各種ワーキンググループ
・中海の藻場生物調査
・ファインバブルを活用した水質浄化技術研究
・加茂川水質調査
・中海湖沼環境モニター
・中海水質汚濁防止対策協議会
・中海利活用イベント
・こどもラムサール交流事業 |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
8 |
評価理由 |
概ね予定どおり進捗したため |
令和元年度の取組 | 成果 |
湖山池・東郷池及び三湖沼共通水質浄化対策推進事業 | 〇塩分管理と生態系保全
・湖山池では、河川課、水産課と連携して、細やかな水門操作でH26から概ね将来ビジョン目標範囲 (塩化物イオン濃度2,000-5,000mg/L)内で管理できた。
○水質汚濁(COD等)
・湖山池では目標値はCOD達成、全窒素・全りんは未達成。東郷池ではすべて未達成。
○生態系の保全
・湖山池のカラスガイは、環境モニタリング委員会の助言を得て、福井・青島・湖山南の大井手川の3 箇所でビオトープ造成をしたが、保全に適さないと判明。今後は、高住ため池での保全を行う。
・東郷池では、水質浄化を進める会(事務局:湯梨浜町)を中心に、在来の水生植物のセキショウモ 等の保全に取り組んでいる。また、流域の水田・水路での外来種(スクミリンゴガイ(通称:ジャンボ タニシ))駆除について、地元住民を中心とした活動が検討されている。
○アダプトプログラム
・地域の団体による環境美化活動(アダプトブログラム)を実施している。現在、22団体(湖山池)、 38団体(東郷池)が登録 |
【統合】”ラムサール条約湿地”中海の水質浄化対策とワイズユース推進事業 | 〇第7期中海に係る湖沼水質保全計画の策定
・島根県と連携して令和5年度までを計画期間とする第7期計画を策定
(環境大臣の回答待ち:令和元年度末予定)
〇覆砂検討WG
・R元年度の中海会議では、窪地の水質影響は流域負荷等に比べて小さく、窪地の全部埋戻し、
又は一部戻しでの改善効果は低いことなど、H28年度以降の研究成果を報告した。
・本県としては中間報告として位置付けていたが、島根県はワーキングを終了したと認識しており、意 識の隔たりがある。休止という整理はしたが、鳥取県としては米子湾の水質改善に係る新たなWG を提案しており、鳥取県側で米子湾の水質浄化策(底質調査、ファインバブル、堆積調査等)を進め ているところ。
○水質浄化技術に関する共同研究(R1-2)
・米子高専とファインバブル技術を用いた水質浄化技術について、実験室レベルでの底質改善効果 を確認し、関係機関を集めて情報共有を図った。
〇中海の水質と水産資源
・令和元年度の中海会議では水産資源を検討課題とするよう提案があり、島根県水産部局が構成 員の 「中海の利活用に関するワーキンググループ」に鳥取県水産課を新たにメンバーに加え、 水産資源に関する現状を整理し、R2年度中海会議で報告(利活用部会)するよう進めている。
〇中海水質汚濁防止対策協議会
・島根県議会で全ての議員連盟の見直しがされ、島根県から鳥取県に対して一方的に当該協議会 の休止または廃止の申入れがあった。そのため、協議会を開催し、今後の取扱いについては継続 が議決された(島根県側の議員の出席なし)。
〇利活用イベント
・10月にバイク&ランを企画していたが、台風でやむなく中止となった。 |
中海水質流動会議等運営事業 | |
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課題 | 今後の取組 |
【中海】国(国土交通省)、島根県、周辺市との新たなWGの取り組み | ・米子湾の水質改善に係る調査・研究等を下記のとおり、国、米子市と進めており、中海会議等にも報告できるよう進める。
→ 米子湾の水質改善に係る調査研究(@米子湾底質・間隙水調査、A米子湾覆砂シミュレーション、Bファインバブルを活用
した水質浄化検討、C島根県、国交省、米子市の調査研究データ) |
【中海】湖沼水環境保全に関する自治体連携の進め方 | ・R2の夏・国要望等に向けて検討課題を調整する必要があり、令和2年3月、滋賀県には引き続き、事務局(滋賀県)に会議を早 急に開催するよう申入れしている。 |
【中海】合併処理浄化槽の設置推進 | ・個人設置型浄化槽の設置費用の一部を市町村に補助しており、特に中海流域の米子市では下水道整備の進んでいない米子市安倍、彦名、葭津地区を含む地域について令和元度から8年度まで補助を嵩上げして生活排水処理施設の整備を進めている。(目標100基/年、中海流域では20基/年)
・米子市と連携して、整備状況の把握や課題等の共有を進める |
【中海】ワイズユースイベント等の実施 | ・島根、鳥取両県にて行う中海・宍道湖一斉清掃(6/14(日)知事出席予定)、ラムサールイベント(こども交流事業、15周年シンポジウム(10/31(土)知事出席))の円滑な実施
・住民向けの意識啓発に係る環境保全動画の制作 |
【湖山池】影響評価の中間まとめの完成 | ・令和2年度上半期に現在のモニタリング委員の協力を得ながらとりまとめる。刊行は県・鳥取市とし、委員からの意見を寄稿という形で巻末に掲載する。なお、汽水化に反対等の委員からは過激な意見が寄せられている。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。