消費者ニーズに応じた農産物づくりや農業者による加工・販売を支援し儲かる農業を実現 1 認定農業者の経営発展や多様な新規参入希望者の経営確立等への支援 2 新品種・新技術を活用した地域特産物づくりへの支援 3 労働軽減に向けた農作業改善への支援
令和元年度の取組 | 成果 |
【三朝神倉大豆を活用した特産品育成】
・関係機関での情報共有のため、プロジェクトチーム会議開催を支援した。
・ブランドイメージをどう守るか地域団体商標やGIについて学び関係機関で検討した。
・食品表示法に基づく表示への切り替えについて、修正方法を示した。 | ・大豆の生産状況や加工品販売状況について情報共有できた。作付面積減少により生産量も減少、大粒率も低かった。在庫になりがちな中粒を活用した新商品の開発や知名度向上へ向けた検討が行われ、JAから製造業者に中粒大豆の商品化について依頼されることになった。 |
【ナシ新品種「新甘泉」の面積拡大及び栽培技術支援】
・「新甘泉」の「二十世紀」と比べた時の収益や、栽培管理時間を比較したデータを作成した。また、重点対象生産者5戸と倉吉梨生産部女性会に対して作成したデータを説明し、「新甘泉」の導入を勧めた。
・倉吉梨生産部の支部総会において、「新甘泉」の収益性の高さや、導入時の補助事業について説明し、ジョイント栽培または、高接ぎによる導入を勧めた。
・「新甘泉」の栽培管理に関する指導会を開催した(1回目:摘果、捻軸、除芽、2回目:新梢誘引、徒長枝切除、3回目:整枝せん定、誘引)。
・「黒星病」の春型病斑の防除について、芽基部病斑処理、薬剤の適期散布を示した資料を作成し、全戸配布した。また、昨年の選果実績から「黒星病」の発生がやや多かった25戸の農家に対して、資料を元に個別指導を行った。
・「黒星病」の秋防除について資料を作成し、配布・説明を行った。
・ジョイント栽培を導入する2戸の農家に対して、定植作業の支援を行った。
・選果成績を集計し、著しい出荷量の減少、秀率低下のある農家を抽出する。また、その農家ごとの出荷量減少、秀率低下の原因を明確にし、対策を指導した。 | ・倉吉梨生産部の中で「新甘泉」45aが新植、高接ぎにより導入される予定(来年度の事業で申請)。
・2戸の農家が「黒星病」の耕種的防除(落葉処理)を実施した。
・2戸の農家でジョイント用大苗の定植が完了した。 |
【倉吉スイカの販売額増加】
・近年増加している新規栽培者に対し、栽培のポイントを押さえる指導会や、生産者指導員によるほ場巡回を実施して、栽培技術の向上を図った。次年度に向けた振り返りの機会として、販売反省会も開催した。
・栽培圃場の温度管理の「見える化」のため、スマホで温度変化を把握できるBluetoothおんどとりの導入を勧め、使用方法について指導した。
・さらなる新規就農者の獲得をめざし、生産者が研修生を受け入れ育成する産地研修を実施している。研修生、親方双方のサポートを行い、生産部役員等による状況確認会を開催する等して、産地にスムーズに入り込めるように支援を行っている。
・新規就農した場合の概ね5年程度の経営モデルを検討し、産地提案書を作成した。
・生産部が就農相談会(マイナビ農業FEST/12月、大阪)に出展する支援をした。
・生産者の適正管理意識の向上のため、来年作に向けてGAPチェックリストの活用を促し、極実スイカGAPを新たに作成、周知した。 | ・春作(6〜7月出荷)のみでの販売額が、18年ぶりに10億円を突破した。抑制を含めた最終的な販売額は10.5億円となった。
・今年度産地で受け入れた研修生4名のうち、2名は令和2年2月就農でスイカ作りを始めることとなった。また、残りの2名についても、確保した就農予定地での実践的栽培研修を実施することになり、合計で1ha以上の面積増加となる見込み。
・令和2年2月からのアグリスタート研修で夫婦2組4名の研修生を受け入れ、研修がスタートした。
・生産部役員会で品質の高位安定化のためGAPを実施するべきとの声があがり、令和2年作での取り組みを深める(出荷前に全極実スイカ生産者のほ場を巡回し、チェックリストとほ場を確認する)こととなった。 |
【多様な水稲栽培への取組支援(きぬむすめ食味値向上)】
・特選三朝米モデルほ場の、収量・品質・食味について実態を把握した。
・ごま葉枯病対策における鉄およびマンガン施用効果について農業試験場と連携して検証を行った。
・ごま葉枯対策を周知するため農事組合長会や水稲座談会等の機会を捉えて説明するとともに、啓発チラシを作成した。 | ・特選三朝米モデルほ場では、収量が全体平均より低く、その低収要因はごま葉枯病とイネ縞葉枯病によるものが大きいと考えられた。
・鉄粉やマンガン資材を施用することで、ごま葉枯病の軽減と収量増加につながり、資材代を上回る収益増が見込めることがわかった。そのため、施肥量の増加や土壌改良剤施用を栽培暦に盛り込むことになった。
・縞葉枯病については対策の一つとして、効果の高い箱施用剤がJA鳥取中央で採用されることになった。
・啓発チラシはJAがごま葉枯病とイネ縞葉枯病対策を合わせて作成し、栽培暦に挟み込む形でJA鳥取中央管内全戸に配布された。
・病害対策についてはJAの座談会等でも説明され、本病についての危機感が高まり、土壌改良剤の施用を検討する動きが見られる。
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【酪農業者のスキルアップ】
・牛舎の施設整備計画の作成支援を行った。
・最終生産物である生乳の生産増を実現するため、給与飼料の適正化、暑熱対策などの飼養環境の改善および飼料用トウモロコシの栽培技術の向上を図るため、農業者の個別課題を具体化し、解決手法の提示などを行った。 |
・畜産クラスター事業で1戸の酪農家を哺育・育成施設を建設(R2.3完成)
・飼料用トウモロコシの栽培面積は84.6haであった(前年度79.8ha)。そのうち83%が適期(乾物率28%〜35%と設定)に収穫された。
・被覆尿素の利用者は、前年と同じ3人。利用面積は2.6haであった(前年度2.4ha)。
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課題 | 今後の取組 |
【三朝神倉大豆を活用した特産品育成】
・プロジェクトチーム会議への参画と生産販売状況の共有、販売戦略の構築
・中粒大豆を使った新商品開発検討
| ・関係機関と連携し、販路開拓・販売額向上に向けた支援
・関係機関と連携した新商品開発に向けた検討支援 |
【ナシ新品種「新甘泉」の面積拡大及び栽培技術支援】
・「新甘泉」及び「王秋」の栽培面積拡大
・「新甘泉」の安定生産 | 1 「新甘泉」及び「王秋」の栽培面積拡大に向けた取組み
・「鳥取県経営指導の手引き」を参考に、「新甘泉」「王秋」それぞれの単位面積当たりの収量、売上げ、経費、収入を算出・比較した資料を作成し、その資料を基に「新甘泉」「王秋」の収益性が高いことを説明し、新植または、高接ぎによる導入を勧める。
・ジョイント栽培を導入する生産者に対して、植栽図作成、定植作業及びジョイント接ぎ木作業の支援を行う。
2 「新甘泉」の安定生産に向けた技術支援
・生産部全体に対して栽培技術(着果管理、新梢管理、整枝剪定)の指導及び優良園の視察を実施する。
・「黒星病」の防除に関する資料を作成し、全戸配布する。また、資料に伴って病斑部を処理する耕種的防除(病斑部処理)、薬剤防除(有効な薬剤の選定、散布時期、散布量など)について指導する。 |
【倉吉スイカの販売額増加】
・新規栽培者の継続的な確保および就農相談会出展を含めたPR方法の再検討
・生産部員のスキルアップによる品質向上、生産安定 | ・生産部が出展する就農相談会のPR方法を検討し、効果的な出展につなげる。
・適正管理意識の向上のため、GAPチェックリストの適切な実施を促す。 |
【多様な水稲栽培への取組支援(きぬむすめ食味値向上)】
商品化された「特選三朝米」は現在町内の旅館を中心に販売されているが、令和元年産は需要量に対して供給量が不足していることから、食味を維持しつつ、生産量を改善する必要がある。 | 「特選三朝米」について、食味を維持しつつ収量性を改善するための施肥の見直しを行うとともに、その効果を検証する。 |
【酪農業者のスキルアップ】
・倉吉コントラ合同会社を中心とした協働体制の再整備と自給粗飼料の域内流通体制の整備
・牛舎等施設整備計画の作成および実施
・後継者のスキルアップ | ・流通させる自給粗飼料を拡大(増量)させる。
・クラスター事業の活用を前提とする施設整備計画を確定させる(1戸)。
・青年部の学習会を普及所主催で定例化する。 |