鳥取文化の伝承・創造・再発見を推進し、日常生活の中にある多彩な芸術文化に光を当て、感動(美、真、愛)に溢れる豊かな県民生活を推奨する(Beautiful Life in Tottori)
令和2年度の取組 | 成果 |
アートで花ひらく地域活性化事業(アートによる地域活性化事業) | 地域及び市町村等と連携し、文化芸術を通した地域活性化を進めた団体:9団体
※ 新型コロナウイルス感染症の影響により、県外アーティストの招へいができず、事業を中止した事業者もある。
(内訳)
○アートによる地域活性化促進事業補助金(6団体に交付決定)
・現時点プロジェクト:私はおぼえている(参加者:62人)
・関金AIR温泉実行委員会:PLAY THE MOUNTAIN⇒新型コロナの影響により中止
・子どもの人権広場:アートを通じたオルタナティブな学びの場をつくる「ちいさいおうち」プロジェク
ト
・用瀬宿活性化委員会:いなば用瀬宿横丁さんぽ市×トットリ式屋台楽宴プロジェクト(参加者:200人)
・鳥取R29フォトキャラバン実行委員会:AIR2020因州和紙×写真(参加者:70人)
・柿原縁日実行委員会:-廃村という美術館から-廃村芸術祭(参加者:180人)
○市町村連携型地域活性化拠点事業補助金(2団体に交付決定)
・岩美現代美術展実行委員会:岩美現代美術展⇒新型コロナの影響により中止
・明倫AIR実行委員会:明倫AIR2019(参加者:1,005人)
○ホスピテイル・プロジェクト実行委員会補助金(1団体に交付決定)
・ホスピテイルプロジェクト実行委員会 Hospitale2020-2021 |
アートで花ひらく地域活性化事業(工芸・アート村推進事業) | ○鳥取市河原町西郷地区で工芸作家の移住定住や住民との交流を図り、地域課題の解決と活性化に取り組む「(一社)西郷工芸の郷あまんじゃく」の事業を支援。
・7/25、2/20に西郷工芸の郷ミニフォーラムを実施(参加者:102名)。
・8/1、8/23、9/12、9/27、10/24、12/5に陶芸、木工、革工芸、塗絵のワークショップを実施(参加者:53名)。
・10/23〜25に第5回西郷工芸祭りを人数制限・予約制で開催(参加者:約450名)。
○大山町でアーティストインレジデンス及びアートを通じた移住定住、及び地域活性化を進めている「こっちの大山研究所」の取組を支援。
・年間を通じてイトナミダイセンプロジェクトとして、オンラインを活用した講演、ワークショップ等を開催(参加者:326名)。
・10/31〜11/15「イトナミダイセン藝術祭2020」(大山町長田集落、むきばんだ史跡公園)の開催(参加者:のべ1,037名)。
○西いなばエリア(鳥取市旧気高郡(鹿野・気高・青谷))の「鳥取西いなばまちづくり株式会社」「鹿野芸術祭実行委員会」「ことるり舎」「日置地区まちづくり協議会」「鳥の劇場」が行う工芸・アートイベント、及び情報発信等への支援を実施。
・ことるり舎の浜村温泉湯けむり映画塾では、アニメーションを制作し、気高町内の公民館等9箇所で浜村温泉映画祭を分散開催した(3/12〜20)。
・鹿野芸術祭はウェブ上で開催し、毎月アーティストの作品を発信。
・ひおき工芸の郷では、因州和紙とスペインとの現代版画交流20周年記念展展開催(10/22〜29)、オンライン体験イベント「紙は神 因州和紙の里で魂のリトリート」開催(3/20配信開始)、ひおき工芸の郷紹介動画作成を実施。
・情報発信として、道の駅西いなば気楽里でとーく&音楽の夕べの開催(3回)、鹿野芸術祭実行委員会によるワークショップ作品の展示、西いなば工芸・アート村紹介リーフレットの作成を実施。 |
アートで花ひらく地域活性化事業(鳥の劇場運営委員会補助金) | ○鳥の劇場と地元まちづくり団体等が連携して取り組む「鳥の演劇祭」は、新型コロナの影響により海外団体の招へいを中止し、内容の大幅な変更、規模縮小を余儀なくされたが、同時期に開催された「豊岡演劇祭2020」と連携を図り、新型コロナウイルス感染症の拡大により公演の機会を奪われた劇団の招へい支援や直通バスの運行など山陰の特徴的な2つの劇団の同時発信にも努め、万全なコロナ対策を講じながら実施することで、地域活性化と文化芸術の新しいかたちでの取組を県内外へ広めた。
【会期】令和2年9月12日(土)〜9月27日(日)
【上演作品】全10作品、8団体(県内2団体:鳥の劇場、じゆう劇場、県外3団体:東京、千葉、神奈川、県内と県外との共同制作3団体)
【開催テーマ】「半開きの殻(シェル)・人間的距離を考えよう。」
【コロナ対策】
・新型コロナウイルス感染症対策手順書(ガイドライン)の制定
・劇場(体育館)の強制換気(ファン設置)、野外劇場(校庭)での上演、とっとり新型コロナ対策安心登録システムの活用
・出演者や県外招へい関係者のPCR検査実施、検温等の体調の継続確認
また、演劇を通した表現ワークショップ(トリジュク)では、コロナの影響を最小限とし、大学機関の研究テーマとして、予定どおり地域の小中高を対象に、学年や環境に応じたプログラムの展開と省察(振り返り)を行った。レポートやアンケートのよる定性分析を継続的に行っており、今後、取組成果の可視化に取り組む。 |
「令和新時代」万葉の郷とっとりけん魅力発信事業 | ○7月から9月末まで短歌大会の参加チーム(作品)を募集したところ、チーム数は242チーム(R元:246チーム)、学校数は、県外・県内ともに前回を上回り、23校(R元:16校)からの応募があった。
○12月13日(日)に米子コンベンションセンターにおいて本選大会を開催。県外チーム及び審査員はオンライン参加とし、パフォ―マンスは事前に提出された動画により発表することとした。他の高校生を対象とした短歌大会では紙上審査のみとした大会もある中、オンラインではあるが全国各地の他のチームとの交流や審査員との意見交換ができた。
○開催後は、当日の動画(ダイジェスト、本編、大会未発表のパフォーマンス動画)を県の公式YouTubeチャンネル「とっとり動画ちゃんねる」に掲載し、ダイジェスト(約6分間)は公開後1ヵ月で253回のアクセスがあった。 |
とっとりの民藝と文化に出会う魅力発信事業 | ○北栄町と連携し、民藝運動に影響を受けた北栄町出身の陶工・生田和孝を紹介する企画展及び関連事業を開催。
・企画展 「生田和孝の手仕事〜鳥取民藝運動に連なる丹波の陶工〜」
会期:令和2年8月8日(土)〜9月27日(日) (44日間)
会場:北栄みらい伝承館(北条歴史民俗資料館)第1・2展示室
入館者数:662人(うち県外34人)
・講演会 「観陽コレクションの想いで」(講師:最勝院住職 生田公厳氏)
期日:令和2年9月6日(日) 午後1時30分〜3時
場所:北栄町中央公民館講堂
参加者:約40人
・ワークショップ 「鎬・面取技法で器を作る」(講師:福光焼 河本賢治氏)
期日:9月13日(日)、20日(日) 午前10時30分〜正午
場所:北栄町民芸実習館
参加者:各10名
○吉田璋也がたどった新作民藝運動の成果を資料と作品で回顧する、特別展及び特別公開を鳥取民藝美術館へ委託実施。(入館者数:3,954人)
・特別展 「柳宗悦との出会いから百年 吉田璋也の民藝 −美の王国を夢見て−」
会期:令和2年9月5日(土)〜令和3年3月7日(日)
会場:鳥取民藝美術館
・旧吉田医院特別公開
期間:令和2年9月5日(土)〜11月8日(日)
入館者数:2,946人
※3Dデジタルミュージアム・ウォークスルーも同時期に公開 |
課題 | 今後の取組 |
○効果的な事業実施のため、実施主体へ以下の働きかけが必要。
・鑑賞者や参加者が特定の範囲に限定されることなく、県内あらゆる場所で多くの県民に文化芸術に触れ親しんでいただく環境や機会の構築。
・アーティストと鑑賞者や地域住民とが関わり、文化芸術を核とした地域活性化の活動が中長期的に取り組まれるような、地域における計画や構想の策定、及び若手や新たな人材の確保や養成。
・実施が地域限定的、あるいは内容やターゲットが固定化されがちな事業については、横展開の取組など裾野の広がりをもたせること。 | ○コロナ禍を経験したことにより、従来の開催手法に拘らず、少人数や複数拠点を繋いだオンライン実施、映像技術を駆使したAR・VRの利活用など、高まるICT技術の取り込みにより文化芸術の表現や鑑賞の媒体や手法は幅や厚みを増していることから、多様な文化芸術の取組を支援し、地域住民が幅広く享受できるよう、引き続き情報発信、周知に取り組む。
○アートによる地域活性化が推進されるよう、アンケートや聞き取りの結果などを踏まえ、課題や問題意識を実施主体と共有し、改善点や目標を整理することで、今後の事業にフィードバック、ブラッシュアップされる仕組みづくりを行う。 |
○若者や外国人を主なターゲットとして、万葉集やその歌人などの文化資源コンテンツを磨き上げや多言語化対応により、「万葉の郷とっとりけん」への関心・注目を高めていくことが必要。 | ○「万葉の郷とっとりけん」などに関する情報を一元的に発信するポータルサイトの改訂・拡充を行う。
○多言語対応と情報発信体制の更なる強化や創意工夫により、インバウンド回復後の本県への誘客拡充に繋げる。 |
○国内外からの効果的な誘客を行うため、民工芸の各施設や各コンテンツの多言語化対応、点在する拠点のモデルコースの提示などが必要。
○「とっとりの民工芸」を代表する吉田璋也のブランディングは、県内での浸透が不十分であることから、引き続き周年事業等の開催やメディアとタイアップした広報など、コンテンツの磨き上げや効果的な情報発信に努める必要がある。 | ○「とっとりの民工芸」を県内誘客の主要資源に位置付け、個々に点在する情報資源を一元的に発信するポータルサイトの改訂・拡充を行う。
○アフターコロナの国内外から観光需要の回復を視野に、団体旅行から個人、小グループでの移動や滞在への移行も見据えながら、多言語対応と体験型プログラムの創出・拡充により、民工芸の魅力を体感できる取組の強化に繋げる。 |