商工労働部 商工政策課の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 商工政策課 所属長名 佐々木俊二 電話番号 0857-26-7212
組織ミッション
2020(平成32)年、さらに5年後の2025(平成37)年を見越した、県内産業の付加価値を高め、県民所得を向上させる「鳥取県経済再生成長戦略」の改訂とそれに基づく施策の推進、国内外及び県内経済の的確な分析による部内各所属の施策へのフィードバック、国際経済変動対策チームの運営を通じた県内企業の海外展開支援体制の確立
1.政策内容と目標
(1)政策内容
県内中小企業の事業継続計画(BCP)の策定・見直し及び防災対策の促進による災害対応力・企業経営力の向上
(2)今年度の目標
@商工団体や損害保険会社等の関係機関と連携して県内中小企業等のBCPの策定を促進するとともにBCPの見直しと防災措置への支援を通じてBCPの実効性の向上や災害対応力強化を図る。(県又は国の支援によりBCP策定に取り組む企業数40社程度を目指す。)
A自然災害のみならず、新型感染症対策を含むBCP策定支援を実施する。
(参考)該当する長期的目標
政策項目 | 元気づくり総合戦略 | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
○
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●将来ビジョンの取組の方向性(該当所属のみ)
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | V【守る】鳥取県の豊かな恵み・生活を守り、次代へつなぐ | A災害に強い地域社会・地域経済づくりを目指します。
○ 大規模災害に対応できる消防団の増強、自主防災組織率の向上、災害時の事業所「事業継続」の取組の促進等により、地域と事業所、行政との協働・連携体制を構築します。
○ 災害時の防災・避難拠点となる公共施設等の耐震化の促進など、建築物の耐震化を促進します。
○ 避難所運営への老若男女の参画によるユニバーサルデザインの避難所の普及や、障がいのある方やひとり暮らしの高齢の方、乳幼児など日常においても支援を必要とする人が災害に遭った場合(災害時要援護者)等の避難支援体制の整備に取り組むほか、ユニバーサルデザインによる情報伝達・情報共有を推進します。 |
2.測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
BCP策定企業数及び震災対策アドバイザー派遣 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 101 | 250 | 40 | 72 | 240社 |
時点 | H26 | R1 | R2 | R3 | H32年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 鳥取県国土強靭化地域計画 | |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 鳥取県中小企業災害対応力強化支援事業 (予算額(事業費)7923千円) | 県内中小企業のBCPの策定・見直しや防災対策措置等を支援するもの。
(1)普及啓発の促進
・普及啓発セミナー
・震災等対策アドバイザーの派遣
(2)BCP策定支援
・BCP策定ワークショップ
・専門家活用による個別策定支援(補助金)
(3)BCP継続改善スキル研修
(4)防災措置(非常用電源、バックアップサーバー等)導入支援(補助金)
(5)地域住民の安心・安全に資する取り組み(電力の地域開放、備蓄品の提供等)支援(補助金) |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
◎(予定以上) |
達成度の評価 |
10 |
評価理由 |
国・県の支援によるBCPの策定数が目標値を大きく上回ったため |
令和2年度の取組 | 成果 |
【普及啓発の促進】
・県内の商工団体と連携し、BCP(事業継続計画)の専門家による普及啓発セミナーを開催し、BCPの必要性や県支援制度の普及啓発を実施した。
・風水害や地震等の自然災害に対応したリスクだけでなく、感染拡大が続く新型コロナウイルスなどの新型感染症のリスクも含めた内容で実施した。
・新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、オンライン(非対面)での開催を実施した。
【BCP策定支援】
新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、オンライン(非対面)でのBCP策定ワークショップを実施。8月に実施した参加企業の数を考慮し、11月より今年度2回目となるワークショップを開催した。
・新型コロナウイルスへの備えとして、鳥取県独自の「鳥取県版新型感染症対応BCPモデル」を作成し、とりネットで公開することで多くの県内事業者が参考にできるようにした。
・BCP策定ワークショップでは、新型コロナウイルスの影響で、継続した参加が困難になることを想定し、重要度の高い事項に絞った簡易版BCPの策定支援を行った。また、R2年度からは新型コロナウイルスを含めた新型感染症対応BCPを策定できるコースも開催した。
・ワークショップではBCP策定に取組む事業者に対し、国が行う「事業継続力強化認定制度」について周知を図った。 | 【BCP策定・改善状況】
[BCP普及啓発]
・商工団体等と連携して普及啓発に取り組み、計5回セミナー等を開催し、延べ46社団体が参加した。
・新型感染症が事業に与えるリスク等についても触れるセミナーとしたことで、感染症への備えに関心のある事業者の参加に繋がった。
・初となるオンラインでの開催は、新型コロナウイルスの感染リスクを心配する事業者も安心して参加できるなど、継続した普及啓発を行うことができた。
・損保会社と連携し、Webで視聴できるBCPセミナーを公開し、55社の参加があった。また、新型コロナウイルスを含むオンラインでの個別相談も行い、2社が個別相談を実施した。
[BCP策定支援]
・今年度2回開催したBCP策定ワークショップには、自然災害対応BCP策定に16社団体が参加、新型感染症対応BCP策定に22社団体が参加し、自然災害対応BCPの策定見込みが13社団体、新型感染症対応BCP策定見込みが19社団体となっている。
・コロナ禍でも参加しやすい簡易版BCP(自然災害対応)としたことで、事業者の自然災害対応BCP策定に参加に繋がった。
・新型感染症への備えに関心のある事業者に対するコースを作ったことで、計2回の開催でそれぞれの参加上限に達するほどの申込があった。
・オンラインでの開催を可能にしたことで、コロナ禍でもワークショップに参加できるようにするなど、継続した策定支援を行うことができた。
・令和元年度から始まった国の「事業継続力強化認定制度」について、県内での普及啓発等実施によるBCP策定への気運の高まりからか、令和2年度では40社が認定を受けることとなった。 |
課題 | 今後の取組 |
・新型コロナウイルス感染症の国内外における感染拡大に伴い、従前の自然災害を前提としたBCP計画策定支援だけでは、十分な対応がしきれていない。事業継続を行う上で、多様なリスクへの備えとなるようなBCP等の支援を検討する必要がある。
・また、多様なリスクに対応できるBCP策定支援を行うとともに、BCP実効性を高めていく(有事に役に立つ内容とする)ための対応も必要。
・BCP策定について、中小企業だけでなく、零細企業や小規模事業者でも策定がしやすいBCPモデルについての検討が必要。 | ・地震や風水害などの相次ぐ自然災害や、新型コロナウイルスのような長期化する新型感染症への備えとしてBCPの必要性について普及啓発を推進する一方、県内の事業者は中小零細企業も多く、小規模事業者が策定にハードルを感じる可能性がある。小規模事業者でも取組みやすく、実行性のあるBCPモデルの検討をする必要がある。
・また、自然災害と新型感染症のBCPをそれぞれ策定する企業も多く、策定の内容には重複する部分があり、一部効率的ではない運用があった。事業者がBCP策定に取組やすいよう効率的に策定ができる方法を検討する。
・BCPは自然災害に対する備えという認識が主流であったが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が発生したことによって様々なリスクに対する備えが必要ということが分かった。令和2年度に作成した新型感染症対応BCPモデルの改良を図るとともに、他のリスクへの備えについての支援も検証を行う。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。