商工労働部 商工政策課の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 商工政策課 所属長名 佐々木俊二 電話番号 0857-26-7212
組織目標
今年4月に策定した「鳥取県産業振興未来ビジョン」について、有識者や関係団体等で構成する推進会議を通じてKPIや推進状況の点検・評価等を行い、基本目標(コロナ危機を克服し、県経済・産業の“再生”と“持続的発展”を実現)の着実な達成を目指します。
1.政策内容と目標
(1)政策内容
県内中小企業の事業継続計画(BCP)の策定・見直し及び防災対策の促進や、新型感染症への対策を図ることによる災害対応力・企業経営力の向上
■SDGsのゴール
09 産業と技術革新の基盤をつくろう
(2)今年度の目標
@商工団体や損害保険会社等の関係機関と連携して県内中小企業等のBCPの策定を促進するとともにBCPの見直しと防災措置及びリスク対策への支援を通じてBCPの実効性向上や様々な災害対応力強化を図る。(県又は国の支援によりBCP策定に取り組む企業数70社程度を目指す。)
A自然災害のみならず、新型感染症対策を含むBCP策定を促進するともに、事業規模に応じたBCP策定を支援する。
測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
企業のBCP策定件数及び震災対策アドバイザー派遣 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 101 | 294 | 364 | 437 | 440件 |
時点 | H26 | R2 | R3 | R3.3末 | R7年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 鳥取県国土強靭化地域計画(第2期計画) | |
指標2
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | 0 | 0 | 70 | 73 | 200件 |
時点 | R2 | R2 | R3 | R3.3末 | R5年度末 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 産業振興未来ビジョン | |
目標を実現するための主要事業
番号 | 主要事業・主要制度 |
1 | 鳥取県中小企業災害対応力強化支援事業 (予算額(事業費)5813千円) |
2 | コロナリスクに打ち克つ!事業継続支援強化事業 (予算額(事業費)14232千円) |
2.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
8 |
評価理由 |
目標に対し、順調に進んでいることが確認されたため |
令和3年度の取組 | 成果 |
【BCPの普及啓発】
・令和3年度はBCPの普及啓発を目的とした「BCP普及啓発セミナー」をオンラインで実施。セミナーでは地震や豪雨等の自然災害発生時におけるBCPの効果や必要性について解説することに加え、新型コロナウイルス感染症の発生時から流行期におけるBCPの役割についても解説を行う。
・新型コロナウイルス感染症の流行時(第5波)において、感染流行が発生した要因である「変異株・デルタ株」に注目した県内企業向けセミナーを開催した。セミナーでは県内企業に対し、感染症の専門家より新型コロナウイルス感染症やデルタ株の特性を解説し、企業における感染症に対する注意点や対策についても解説を実施。また、新型コロナウイルス感染症の長期化する中での事業継続について、BCPの専門家がBCPの観点で解説を実施しした。
・令和3年7月に県内でも被害が発生した豪雨災害を受け、水害に特化したセミナーの開催や、豪雨が多発化する原因と考えられる気候変動をテーマとしたセミナーを追加で開催した。
・BCPを策定中、また策定済みの企業を対象としたBCP訓練(演習)をテーマとしたセミナーを実施し、策定したBCPの実効性を高めるためのノウハウを解説した。
・令和3年度より、企業が自社の企業リスクについてインターネット上で簡単に検討可能なサイト[企業リスク診断サイト「トリB」]を作成。9月に県HPで公開した。トリBでは自社の企業リスクの診断が可能となっており、自社のリスクを見直しすることで、リスクに対する対策としてBCPの策定に向かう企業の増加を目的としている。 | ・BCPの普及啓発について、県内の商工団体等と連携し、BCP普及啓発セミナーの周知を実施。BCPの概要説明やコロナ対策、水害リスク対策、気候変動やサプライチェーンの影響リスク、BCP訓練研修などBCPに関連するセミナーを計7回実施、計107社の参加があった。なお、一部のセミナーは日程が合わず参加できない企業に配慮し、YouTubeにセミナーを一定期間公開する取組を実施。コロナ対応、水害対策、気候変動のセミナーをYouTubeで公開し、計195回再生され、BCPに関心のある企業が取り残されることが無いような支援を実施した。
・[企業リスク診断サイト「トリB」]は9月8日に公開し、R4年2月末時点で494回のサイトへのアクセスを確認。リスク診断については、サイト内で診断可能な「自然災害」「新型感染症」「情報セキュリティ」について、「自然災害」が46回、「新型感染症」が105回、「情報セキュリティ」が29回利用されている。 |
【BCPの策定支援】
・令和3年度から、県内企業がBCPの策定等に対して、初期相談や県制度への問合せ、BCP等の専門家への個別相談等についての対応を行う相談窓口「とっとりBCPサポートセンター」を開設した。
・BCPの策定を行う「BCP策定ワークショップ」をオンラインで実施。ワークショップでは令和2年度に作成した新型コロナウイルス感染症に対応したBCPモデルに加え、中小企業でも取組みやすく、自然災害や新型コロナウイルス感染症などリスクについて幅広く検討を行うことが可能なオールハザード対応のBCPモデル(基本編)を作成。ワークショップでは簡易に取り組むことが可能なオールハザード対応の「基本編」、自然災害に特化し「自然災害編」、新型コロナウイルス感染症に対応した「新型感染症編」のワークショップを開催した。
・国が推進する「事業継続力強化計画」認定制度について、県のBCP策定ワークショップを受講した企業を対象に、国認定制の周知と合わせ、認定制度の申請に対するサポートを実施した。また、包括連携協定を締結する損害保険会社と連携し、県内企業を含む事業者に対して「事業継続力強化計画」をテーマにしたセミナーを開催する。 | ・「とっとりBCPサポートセンター」では、企業がBCPを策定するにあたっての活用可能な制度に関する問合せや、BCP関連の補助制度等に関する問合せがあった。また、策定したBCPについて見直しや改善等に関する相談もあり、BCPの専門家による個別相談を実施。問合せ件数は3月16日時点で120件。また、11件が専門家による個別相談を実施。専門家相談では、BCPの初期相談から策定相談まで幅広く対応し、個別相談で4社がBCPの策定や見直しを実施した。
・BCP策定ワークショップ、オールハザード対応の基本編を5回、自然災害対応の自然災害編を3回、新型コロナウイルス感染症対応の新型感染症編を5回実施。参加企業は、基本編がが32社、自然災害対応が19社、新型コロナウイルス感染症対応が24社参加し、R4年3月16日時点では、基本編を25社、自然災害編を14社、新型感染症編を18社が策定した。
・国の「事業継続力強化計画」について、損害保険会社と連携したセミナーでは、県内企業を含む32社に対し周知を実施した。事業継続力強化計画は、R4年2月末時点で31社が認定を受けている。 |
課題 | 今後の取組 |
企業の事業継続に影響を与える経営リスクが多様化する中、あらゆるリスクに対応することが求められている。新型感染症の他、特に原油価格高騰等によるサプライチェーンへの影響や、サイバーセキュリティ、気候変動に伴う自然災害の増加など対応が迫られるリスクに対し、事業継続(BCP)の観点からどのような支援を行う必要があるか検討が必要。 | ・企業の経営力に強靭化(レジリエンス)を図るため、自然災害や新型感染症などのすでに予測ができるリスクについては、既存の自然災害・新型感染症のBCPモデルを活用や、広くリスクについて検討可能オールハザード対応の基本編のBCPモデルの普及や策定支援の継続を行う。また、サポートセンター機能を相談対応だけでなくBCPの策定や改善(見直し)ができるよう強化を図るなど、より企業が策定に取り組みやすい環境を整える。
・経営リスクの中でも喫緊の課題であるサイバーセキュリティについては、サポートセンターによる相談対応の強化や、中小企業を想定したサイバーセキュリティ被害の初動対応方法や普及啓発等を実施することが検討される。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。