地域づくり推進部 文化財局 埋蔵文化財センターの工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 埋蔵文化財センター 所属長名 牧本哲雄 電話番号 0857-27-6711
組織目標
文化財の適切な保存を図るとともに、調査・研究を通じて本県の歴史・文化を解明し、効果的な情報発信を行うことにより、文化財を大切にし、身近に感じ、親しみ、誇りをもてる地域づくりと調査研究成果を地域資源とする地域おこしの推進を目指します。
1.政策内容と目標
(1)政策内容
埋蔵文化財の調査研究と情報発信・活用の推進
■SDGsのゴール
04 質の高い教育をみんなに
11 住み続けられるまちづくりを
(2)今年度の目標
「鳥取西道路」の発掘調査で出土した膨大な量の木製品を地域の貴重な資源として活用することを目指して、保存処理の優先順位付けに基づく保存処理と木製品に関するテーマを定めた調査研究を行い、他部局とも連携しつつ成果を随時情報発信していく。それとともに「鳥取西道路」をはじめとする山陰自動車道建設に伴う過去の発掘調査について、その成果をもとにその地域の歴史を再構築していく。
測定指標
測定指標なし
目標を実現するための主要事業
番号 | 主要事業・主要制度 |
1 | 鳥取西道路出土木製品調査研究事業 (予算額(事業費)2963千円) |
2 | 山陰自動車道の発掘調査成果を踏まえた調査研究 (予算額(事業費)千円) |
2.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
△(やや遅れ) |
達成度の評価 |
7 |
評価理由 |
トリアージ作業の方法を大きく見直したことにより、処理点数は大きく伸びたが、トリアージに重点を置いたこともあり、実測等点数がやや少なくならざるを得なかった。調査研究に関しては、コロナ禍にあり分析着手が遅くなったこともあり、結果報告を踏まえた分析ができでいない。 |
令和3年度の取組 | 成果 |
1 鳥取西道路出土木製品調査研究事業
・木製品の効率的な調査研究と保存処理の基礎となる台帳作成のための判別作業(トリアージ作業)と、その情報に基づいて早急な処理が必要な木製品の保存処理作業を実施。
・判別作業後木製品の調査研究(実測・写真)を実施。
・鳥取県の自然環境の通時的な復元を目的に、昨年度に引き続き鳥取大学と共同研究を実施。
・各種出前講演、鳥取西道路出土木製品についての情報をHP、フェイスブック等で発信。 |
・青谷横木遺跡出土木製品1,274箱のトリアージ作業を行った。トリアージの方法を大きく見直したことにより、コロナ禍による出勤制限はあったものの、前年比で2倍(昨年度約640箱)の処理数を年間を通じて達成できている。
・保存処理について、ポリエチレングリコールによる処理を継続中。予定通りに116点の処理を終えることができる見込み。またトレハロースによる保存処理では、約200点の処理を行い、約170点の処理を終了する見込み。外部委託については、7点の保存処理を終え、2月に納品されている。
・木製品約90点の実測を実施。
・調査研究では、鳥取大学中原氏との共同研究により、青谷横木遺跡の古代の建物に使用されていた材や転用材を用いることが多い杭に、スギが見られないことから、現地調達できる身近な材を用いていた一時的な施設であった可能性が明らかとなった。
・コロナ禍のため出前講演は開催できていないが、県内木工作家とのコラボレーションにより制作された作品や保存処理を終えた木製品をロビーで展示するとともに、HPやフェイスブックでも発信した。 |
2 山陰自動車道の発掘調査成果を踏まえた調査研究
・古代集落の在り方を、須恵器の胎土分析を通じ、流通と交通の面からも検討。 |
・426点の分析結果が3月中旬に明らかとなる予定。
・報告書原案を作成し、一部について記述を行うとともに、分析資料の写真撮影を完了。 |
課題 | 今後の取組 |
1 鳥取西道路出土木製品調査研究事業
・整理作業員減員後のトリアージと作業と調査研究(実測・写真)の推 進。
・調査研究成果の公表。 |
・今年度大きく処理スピードをあげることができたトリアージ体制を維持しつつ、調査研究も推進できるよう、更なる効率化に努める。
・センター研究紀要等を通じた研究成果公表を計画する。 |
2 山陰自動車道の発掘調査成果を踏まえた調査研究
・胎土分析結果を踏まえた総合的な考察と成果の公表。 |
・分析結果を踏まえた総合的な考察に取り組む。
・須恵器の流通と交通の面から古代集落の在り方を、フォーラムを通じて広く情報発信する。
・フォーラムだけでなく、調査研究紀要等を通じて報告書としても成果を発表する。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。