令和4年度の国の予算編成に際し、県政推進上必要な施策等の創設・改善、国の協力が必要な主要事業について県議会に説明するとともに、本県選出国会議員に説明、協力依頼を行い、国への要望活動を行った。また、県及び県議会に加え、市長会、市議会議長会、町村会及び町村議会議長会で構成する鳥取県自治体代表者会議・鳥取県地方分権推進連盟(県内版地方六団体)として要望活動を行った。このほか、令和3年7月豪雨からの早期復旧に向けた緊急要望など、社会情勢を踏まえた要望活動を臨機に実施した。
○令和3年7月14日(新型コロナウイルス感染症対策及び令和4年度の国予算概算要求に向け鳥取県版地方6団体として要望、また要望活動前に国会議員への説明会を実施)
○令和3年11月19日(新型コロナウイルス感染症対策及び令和4年度の政府予算案の取りまとめに向け鳥取県版地方6団体として要望、また要望活動前に国会議員へ説明会を実施) 等 | 本県が要望していた内容に関し、国の令和3年度補正予算案及び令和4年度政府予算案(16ヶ月予算)に盛り込まれた主な内容は以下のとおり。
<新型コロナウイルス感染症対策の推進>
・緊急包括支援交付金の増額(2.03兆円)
・地方創生臨時交付金の増額(6.8兆円)
・検査・接種体制の整備(1.3兆円)
・雇用調整助成金等の特例措置延長(6,547億円)※令和4年3月末まで
・事業復活支援金の創設(2.8兆円)
・個人向け緊急小口資金の特例貸付(4,581億円)
・生活困窮者等への支援(6,330億円)
・新たなGoToトラベル事業(2,685億円)
・ものづくり等高度連携・事業再構築促進事業(10.2億円)
・森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策(116億円)
・看護、介護、保育の現場で働く職員の賃上げ(395億円)等
<その他喫緊の課題>
【地方税財源の充実・強化】
・交付団体ベースの一般財源総額は、前年度比+0.02兆円となる62.0兆円、地方交付税総額は、+0.6兆円となる18.1兆円と、前年を上回る額が確保された。
・折半対象財源不足を解消し、臨時財政対策債の発行額が過去最低水準にまで抑制された。
・「地域デジタル社会推進費」(2,000億円)、「地域社会再生事業費」(4,200億円)が昨年度に引き続き計上された。
・「公共施設等適正管理推進事業費」は、新たに「脱炭素化事業」を追加し、事業費を1,000億円増額したほか、「長寿命化事業」の対象に空港施設・ダムを追加、事業期間も5年間延長された。
【デジタル社会の実現】
・マイナンバーカードの利便性向上、申請促進・交付体制強化のための関連予算(1,064億円)、地方公共団体の基幹業務システム移行のための関連予算(3.9億円)が計上される等、行政手続きに関するデジタル化が推進されることとなった。
・意欲ある地域における地域の課題解決や魅力向上に向けた先導的なデジタル実装の取組を支援するとともに、サテライトオフィス等の整備や運営を支援するデジタル田園都市国家構想推進交付金(200億円)が令和3年度補正予算に計上された。
・農林水産分野への最先端技術(AI、IoT等)の導入を加速化するための16ヶ月予算として「スマート農業の総合推進対策」(63億円)、「スマート農林水産業の導入支援」(77
億円)が計上された。
・教育現場でのICT支援員の人材不足の解消等、1人1台端末環境に対応した運営体制構築のための「GIGAスクール運営支援センター整備事業」(10億円)が計上された。
【脱炭素社会の実現】
・地域脱炭素ロードマップのモデルとなる脱炭素先行地域(地域特性に応じて脱炭素に向かう先行的な取組を実施)や重点対策(自家消費型太陽光発電等)に取り組む自治体を複数年に渡って支援する「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」(200億円)が計上された。
【防災・減災対策と社会基盤の整備】
・大雨等をはじめ近年相次ぐ大規模自然災害からの復旧・復興に備えるため、5ヵ年加速化対策において、令和3年度補正予算で1.4兆円が前倒しで実施された。
【高速道路ネットワークの整備促進】
・令和3年度補正予算と合わせた国土強靱化に資する道路ネットワーク機能強化として、道路整備事業費は前年度比1.00倍となる2.4兆円、「災害時における人流・物流の確保」は6,339億円が計上された。 ※山陰道(北条道路)、鳥取自動車道及び山陰道(米子道路)等の付加車線整備、山陰近畿自動車道(岩美道路)の整備促進が図られるものと期待。
【農林水産業の競争力強化に向けた対策の推進】
・農業の競争力強化やカーボンニュートラルを見据えた森林整備事業の促進、拠点漁港等の機能強化等を図るため、16カ月予算として対前年度並みの3.2兆円が計上された。
・輸入木材の不足(ウッドショック)への対応を視野に木材加工流通施設等への支援を含めた「林業・木材産業成長産業化促進対策」(75億円)が計上された。
・新規就農者の定着等を進める新規就農者育成対策に関し、地方側の負担増を含めた国の制度変更案が改めて見直され、地方負担の軽減に繋がる見通しとなった。(肥料購入・光熱費支援、農業法人への支援 他)
・主食用米の減産及び米価下落への対策として高収益作物への転換を促す「水田活用の直接支払交付金」(3,050億円)が計上された。 |