宮本家文書
( みやもとけもんじょ:miyamotoke monjo )
江戸期に伯耆国米子の商家であった宮本家に伝来した文書である。平成29年(2017)6月22日、系図類を除く、中世から現代までの206点の史料が鳥取県立博物館に所蔵されることとなり、現在に至っている。これらの文書は、伯耆国の在地領主が中近世移行期の複雑な情勢を生き抜いた過程や、江戸期の鳥取藩領内における有力商家の成り立ち、さらにはその後の変遷を示す貴重な史料群といえる。
指定された文書は、宮本家に伝来した文書のうち、16世紀に大内氏や山名氏、毛利氏から発給された原文書14点であり、伯耆国淀江の領主であったと推測される村上氏や、伯耆・出雲両国内の領主として複数確認される福頼氏へ宛てられたものである。
宮本家文書は、中世伯耆国において在地領主に関する史料がほとんど残されておらず、実態がわかっていない中で、村上氏や福頼氏の具体的な動向を示す希有な史料であるほか、中世伯耆国内の領主層と山名氏や大内氏、毛利氏などとの結びつきがあることを確認できる貴重な史料である。
1 (年未詳)3月3日 大内義隆書状(おおうちよしたかしょじょう)(切紙)
2 (年未詳)3月19日 大内氏奉行人連署副状(おおうちしぶぎょうじんれんしょそえじょう)(切紙)
3 (年未詳)8月10日 陶晴賢(すえはるかた)副状(切紙)
4 (年未詳)6月27日 山名棟豊(やまなむねとよ)書状(切紙)
5 (年未詳)7月2日 山名東揚(やまなとうよう)書状(切紙)
6 (永禄7年〈1564〉)2月10日 平佐就之(ひらさなりゆき)書状
7 (年未詳)5月17日 小早川隆景(こばやかわたかかげ)書状(切紙)
8 (天正13年〈1585〉)7月23日 吉川元春(きっかわもとはる)書状(折紙)
9 (天正16年〈1588〉)8月晦日 毛利輝元(もうりてるもと)書状(折紙)
10 (天正16年〈1588〉)9月20日 毛利輝元書状(折紙)
11 (年未詳)8月14日 二宮就辰(にのみやなりとき)書状(折紙)
12 (年未詳)8月15日 毛利輝元書状(折紙)
13 (慶長3年〈1598〉)正月7日 安国寺恵瓊(あんこくじえけい)・福原広俊(ふくばらひろとし)連署書状(折紙)
14 (慶長3年〈1598〉)5月14日 榎本元吉(えのもともとよし)書状(折紙)
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の古文書
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所在地 |
鳥取市東町二丁目124 鳥取県立博物館 |
指定年月日 |
平成31年3月15日 |
所有者等 |
鳥取県立博物館 |
参考文献 |
佐伯元吉編『因伯叢書(第四冊)伯耆志』(名著出版、1972年)
『鳥取県史2 中世』(1973年)
岡村吉彦「毛利氏の兵糧政策と西伯耆国人村上氏」(『鳥取地域史研究』7、2005年)
岡村吉彦「『宮本文書』の翻刻と紹介」(『鳥取地域史研究』13、2011年)
『新鳥取県史 資料編 古代中世1古文書編 上』(鳥取県、2015年) |
参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
14点 |