因幡・但馬の麒麟獅子舞
( いなば・たじまのきりんししまい:inaba tajima no kirinshishimai )
麒麟獅子舞は、鳥取市を中心とした鳥取県東部から兵庫県北西部にかけて分布する獅子舞で、多くは各地域の春夏秋の神社祭礼で行われるが、初午や正月に行うところもある。
本件は、中国の想像上の霊獣麒麟を想起させる頭を用い、頭に付いたカヤ(蚊帳)と呼ぶ胴幕に二人が入って舞う二人立ちの獅子舞である。頭は、前後に細長く頭頂に一本の角がある形状をしている。獅子には、赤い仮面を着け、腰から瓢箪を下げ、「棒」「朱の棒」などと言う棒を持った猩々(しょうじょう)と呼ぶ役が付く。
神社祭礼においては、獅子は神幸に加わり、あるいは単独で、神社境内や御旅所(おたびしょ)などの所定の場所で「本舞」「本練り」などという本式の舞を舞い、加えて氏子の家々を巡って「門舞」「門練り」などと呼ぶ短い舞を舞う。「キザミ」「スネオリ」「クネリ」などの名前が付いた動作があり、これらの動作を組み合わせた動作の型の繰り返しから獅子舞は構成されている。囃子は太鼓、笛、鉦で構成されることが多く、獅子は囃子にあわせ、地を這うようにゆっくり頭を回したり、ひねったり、伸びあがるように頭を上げたりして舞う。
他地域にはみられない麒麟を想起させる獅子頭を用い、猩々を伴う点、重厚な舞ぶりなどに地域的特色がよく示されている。また、特定地域内に濃密な分布をみせ、獅子舞の変遷の過程を考えるうえでも重要である。
文化財の種別 |
民俗文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
重要無形民俗文化財
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分類 |
国指定の民俗芸能
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所在地 |
鳥取県鳥取市、岩美郡岩美町、八頭郡八頭町、同若桜町、同智頭町、東伯郡湯梨浜町、兵庫県美方郡新温泉町、同香美町 |
指定年月日 |
令和2年3月16日 |
所有者等 |
無形民俗文化財「因幡の麒麟獅子舞」連合保存会(令和2年3月現在104団体)、但馬地域麒麟獅子舞保存会(同10団体) |
参考文献 |
文化庁監修「因幡・但馬の麒麟獅子舞」『月刊文化財 第678号』第一法規株式会社2020
鳥取県教育委員会事務局文化財課『国選択記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財「因幡の麒麟獅子舞」調査報告書』鳥取県教育委員会2018 |
参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
本件には、以前より県指定無形民俗文化財を受けていたものも含まれる。
宇倍神社獅子舞(宇倍神社獅子舞保存会)
大和佐美命神社獅子舞(大和佐美命神社,大湯棚獅子舞保存会,上砂見獅子保存会)
倉田八幡宮の麒麟獅子舞(蔵田獅子舞保存会)
賀露神社の麒麟獅子舞(賀露神社獅子舞保存会)
下味野神社の麒麟獅子舞(下味野神社獅子舞保存会)
澤神社の麒麟獅子舞(澤神社麒麟獅子舞保存会)
䖝井神社の麒麟獅子舞(芦津獅子舞保存会) |