大安寺文書
( だいあんじもんじょ:daian-ji monjo )
大安寺文書は、曹洞宗壺嶽山(こがくさん)大安寺(西伯郡南部町天萬)の伝来文書である。
寺伝によれば開山は珍目(ちんもく)とされているので、15世紀に既存の他宗寺院を曹洞宗に改宗して成立した寺院を、起源とするものと推測される。また、開基は杉原盛重(すぎはらもりしげ)であると伝えられており、現在の本堂裏の墓地には盛重の供養塔とされる宝篋印塔(ほうきょういんとう・南部町指定文化財)がある。
文書は2点あり、ひとつは杉原元盛(もともり・盛重の子息)の家臣と推測される5名が連署して、相見郡天満郷の大安寺に対し、35筆の田・畠・屋敷の面積・分米(ぶんまい)・請人名(うけにんめい)を列挙して新寄進したもの、もうひとつは吉川(きっかわ)氏家臣の香川春継(かがわはるつぐ)・粟屋就光(あわやなりみつ)が、大安寺に宛てて、寺領30石を安堵したものである。
大安寺文書は、戦国期伯耆国における杉原氏・吉川氏など諸勢力の興亡や、中世の激しい動乱を生き抜いた伯耆国内寺院の実態を示す、良質な同時代史料である。また、江戸中期の火災を免れて今に伝えられたものである点も貴重であり、本県の歴史上において重要である。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の古文書
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所在地 |
西伯郡南部町天萬 |
指定年月日 |
平成29年4月11日 |
所有者等 |
大安寺 |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
員数:2点 |