河本氏庭園
( かわもとし ていえん:kawamotoshi teien )
琴浦町(旧赤碕町)箆津に所在する河本家の庭園。同家は、江戸時代初期から明治時代初期にかけて、代々大庄屋・宗旨庄屋などの八橋郡役人を勤めた家柄である。明治時代以降にも、近代的地主として財政基盤を拡大し、大正期には110町歩を超える田畑を所有する山陰地方有数の大地主に成長した。
庭園は、長屋門から主屋正面にかけての「前庭」、「表(おもて)」と呼ばれる空間であった主屋客間部を挟んで南と北に面する「表の庭(南)」、「表の庭(北)」、離れの北に面する「離れの庭」、新離れの東に面する「新離れの庭」の5つがある。
5つの庭のうち、「表の庭(南・北)」は、嘉永7年(1854)の家相図に詳細に描かれる幕末頃の様子が、現在まで良く遺存しており、本地域屈指の豪農の近世庭園の一つとして学術的価値が高い。また、客間を介して南北に庭園を設える空間構成は類を見ず、限られた敷地において水路をうまく活用した池の構成も巧みで芸術的価値も高い。一方、「離れの庭」、「新離れの庭」は、家相図には描かれないものの、飛石を主体とする構成や、雪見灯籠の配置の点で類似し、同様の構成・意匠が、「表の庭(北・南)」にも部分的にみられる。これらは、大正期の古写真に確認できることから、近代的地主として成功を収めた明治初期以降、遅くとも大正期までの間の造営・改修であると考えられ、近世から近代の長きに渡って地域の文化的中心であった河本家の変遷を知る上で重要である。
文化財の種別 |
記念物
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定名勝
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分類 |
県指定の庭園
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所在地 |
東伯郡琴浦町箆津 |
指定年月日 |
平成30年10月9日 |
所有者等 |
個人、琴浦町(水路敷) |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
琴浦町教育委員会社会教育課、【ガイド申込】 琴浦町観光協会 |
備考 |
5,646.91u |