木造蔵王権現立像
( もくぞうざおうごんげんりゅうぞう:mokuzouzaougongenryuuzou )
三仏寺投入堂本尊の御前立。近年後補の彩色が除去され、年輪年代測定法によって、伐採年代が1002年を上限とすることが判明した。
像高74.6pで、ヒノキ一木造・内刳なし・彫眼。本像の特徴は、小像ながら、バランスのとれた優れた作風を示す。
三仏寺に伝来する平安時代の蔵王権現の中でもいわゆる「都風」の作風をもつ。かつて投入堂に安置されていた像の中では第4号像に比較的近い。
左足を軸足とするものの、わずかに右足をあげ、全体に太づくりで緊張感のある表現をみせる。
筋肉が押しあうような胸腹部、突出した腹部などの力感あふれる表現に加え、とりわけ背面では裾を大きく翻らせ、動感をも表している。
また面部では、眼鼻をやや中央に寄せ、誇張に走らない品格のある忿怒相をつくる点などに11世紀初頭の中央での作風に通じる要素を持つことから11世紀前半頃の造像と考えられる。
また、頭頂部や両肩、両足などほぼ全身に細かい鑿跡が遺されている。頭部の焔髪は、あたかも蓮のつぼみを思わせるような表現をみせているのは珍しい。
蔵王権現は、役行者の感得から始まったという伝えがあるが、かつて投入堂内に安置されていた多くの木造蔵王権現像のうち、正本尊以外の尊像は、それぞれが
異なる作風を示し、「感得仏」としての特色をもつ。本例はそのような感得性を保持しつつ、ひとつの定まった形への志向を合わせもつ優作である。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
解除
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の彫刻
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所在地 |
東伯郡三朝町三徳1010(三佛寺本堂) |
指定年月日 |
平成23年3月22日指定、平成29年9月15日解除(国指定) |
所有者等 |
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参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
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アクセス方法 |
倉吉駅からバス三徳線で40分、三徳山参道入口下車、徒歩10分 |
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公開状況 |
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