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泊の漁業関係資料


 ( とまりのぎょぎょうかんけいしりょう:tomari no gyogyo kankei shiryo )

泊の漁業関係資料の写真の写真
泊の漁業関係資料の写真の写真




 本資料は、湯梨浜町泊歴史民俗資料館に所蔵されている漁撈用具497点、関連史料10点で、当該地域の漁業に関連する資料群である。
 同資料館は、昭和40年代に泊の医師・故吉田道孝氏の呼びかけにより村内各地から収集された民具を収蔵する施設として発足した。収集された民具の種類は生活全般に及ぶが、その中心を本資料群がなしている。その内容は昭和30〜40年代に使用された漁獲のための用具を中心に、用具の製作・修理、漁獲物の運搬・保存・加工、船上での衣食、大漁への祈願や祝祭など、漁撈生活全般に及んでいる。漁業は移動性が高い生業であり、漁具や漁法も伝播や改良などにより随時変化するため、概して形あるモノとして残りにくい。泊の漁師は、戦前から小規模な各種沿岸漁を組み合わせて生計をたててきたが、それらが衰退に向かう時期に積極的な収集がなされたことにより、当時の泊における漁業を具体的に示す資料群となっている。
 これらは、鳥取県の一地区で行われてきた江戸時代から現代までの各種沿岸漁とその変遷を体系的に示す唯一無二の資料群であり、また、古老からの聞き取りにより、使用法・使用した漁場・対象魚種・漁期・漁法の伝播や普及の経緯など、有形民俗資料に不足しがちな用具に関する情報が豊富であること、さらには幕末から明治にかけての漁場図や古文書などの文献資料が現存することも特筆される。
 こうした一漁村における漁撈民俗誌的な資料群は、山陰地方でも他に類例がない。日本の沿岸漁は近年とくに衰退が著しく、わが国の漁業の変遷を実態的に理解するうえでも貴重な資料群であるといえる。

文化財の種別 民俗文化財
区分 指定
指定種別 県指定有形民俗文化財
分類 県指定の民俗資料
所在地 東伯郡湯梨浜町泊1204−1(湯梨浜町泊歴史民俗資料館)
指定年月日

平成30年4月27日

所有者等

湯梨浜町

参考文献

泊村誌編さん委員会編『泊村誌』鳥取県東伯郡泊村 1989年
吉田道孝「消えゆく民具を追って」『鳥取県博物館協会 会報』17 1978年3月
樫村賢二「湯梨浜町泊歴史民俗資料館所蔵の漁撈用具について」『民具マンスリー』第48巻11号 2016年2月

参考リンク
問合せ先

湯梨浜町教育委員会 Tel:0858-35-5368(社会教育/文化振興係) 

備考

漁撈用具 497点、シイラ漬漁関係絵図・古文書 10点


アクセス方法

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