上原家文書
( うえはらけもんじょ:ueharake monjo )
上原家文書は、因幡国の上原氏一族の子孫が中世以来、連綿と引き継いできた伝来文書である。
上原氏は在地社会に深く根を下ろした小規模な領主であり、因幡国智頭郡・美作国東北条郡をはじめとした広大な領域を支配下に収めた草刈氏の配下に属していた。文書は、この上原氏当主家の上原九郎左衛門尉が隠家分所領(上原家当主家の知行とは別の隠居分所領)を、上原家庶流である上原小兵衛に譲与した際の証文2点である。1は永禄10年8月27日に、上原九郎左衛門尉が小兵衛に「田畠山林」と「屋敷」を譲与した際の譲状であり、2は1の譲与物件の内訳を示したものである。文書に記された譲与物件の場所については、「八頭郡那岐村大字奥本全図」(明治29年以降に成立、智頭町所蔵複写版)によると、智頭町内の奥本川流域と宇丹谷にまとまっており、この周辺に上原家の当主家・庶流家の権益が多数存在していたと想定される。
因幡国内の在地社会に深く根を下ろした小規模な領主の存在形態をうかがわせる希有な中世文書として重要と認められる。
1.永禄10年(1567)8月27日 上原九郎左衛門尉譲状(うえはらくろうさえもんのじょうゆずりじょう)
2.永禄10年(1567)8月27日 上原九郎左衛門尉譲状
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の古文書
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所在地 |
八頭郡智頭町埴師54 智頭町埋蔵文化財センター |
指定年月日 |
令和2(2020)年5年22日 |
所有者等 |
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参考文献 |
矢吹金一郎編『美作古簡集註解』(對岳樓書房、1936年)
『智頭町誌 上巻 自然・歴史』(智頭町、2000年)
『写真で見る智頭町の文化財 第4集』(智頭町教育委員会、2012年)
『新鳥取県史 資料編 古代中世1古文書編 上』(鳥取県、2015年) |
参考リンク |
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