木造菩薩形立像
( もくぞうぼさつぎょうりゅうぞう:mokuzo bosatsugyo ryuzo )
本像は大日寺(だいにちじ・倉吉市)の本堂内、向かって右の脇間に安置される。同寺は、鳥取県を代表する霊域である大山山麓に位置し、古くから天台宗が根を降ろした寺院として知られ、既に文化財指定された遺品も多い。
本像は、平安時代、10世紀にさかのぼる等身大の菩薩形立像である。像高159.3p様式的には、和様化が進むとされる10世紀的な要素を持ちながら、奈良時代から平安時代初期に造立された仏像にみられる要素が各所に認められる点が特徴である。
また、図像的な面に注目すると、当初は、定形化する前の多面観音として造立された可能性が高い。さらに、節を残置するなど日本古来の霊木信仰に由来すると考えられる造形も興味深い。
本像は大日寺を含む周辺地域の歴史を考える上でも、また平安時代における彫刻の様式、多面観音の展開を考える上でも貴重な作例であり、鳥取県指定文化財として相応しい尊像である。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の彫刻
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所在地 |
倉吉市桜 |
指定年月日 |
平成29年4月11日 |
所有者等 |
大日寺 |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
員数:1躯 |