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池田恒興像(狩野尚信筆)


 ( いけだ つねおき ぞう (かのう なおのぶ ふで):ikeda tsuneoki zo (kano naonobu fude) )

「池田恒興像」 鳥取県立博物館撮影・提供の写真
「池田恒興像」 鳥取県立博物館撮影・提供の写真




像主は池田恒興(1536〜84)。鳥取藩初代藩主・池田光仲の曾祖父で犬山城主などをつとめた戦国大名で、織田・徳川連合軍と豊臣の対戦であった小牧・長久手の戦いで豊臣方につき戦死した。
 光仲の従兄弟で岡山藩初代藩主・光政の弟である恒元が、林原美術館所蔵の二幅(「池田輝政像」「池田利隆像」)とともに三幅対の池田家歴代像として制作したうちの中幅である。三幅対は当初、恒興菩提寺として輝政が建立した妙心寺護国院に奉納されたが、脇二幅は1724年までには岡山池田家の所蔵となった。その後、本図は時期は不明だが鳥取池田家に伝わり1972年に「鳥取藩政資料」中の一点として県立博物館の所蔵となった。
 肖像画は狩野尚信(1607〜50)筆。尚信は徳川幕府御用絵師で、奥絵師・木挽町(竹川町)狩野家の祖である。壮年で没しているため確認されている作品は限られており、現在肖像画の遺品は他に知られていない。賛は妙心寺153世、雲居希膺(1582〜1659)筆。
鳥取池田家との関わりが認められ、後続の多くの恒興像の祖本となったこと、県内所在の肖像画として比較的古い例であること、近世初期の狩野派中枢の画家尚信の筆であること、その尚信による肖像画の希有な例であることから、きわめて重要である。また、池田家の歴史、鳥取・岡山両藩の関係においても意義深い史料である。
よって、鳥取県指定文化財に指定し保護するに相応しい価値を有するものと判断される。

文化財の種別 有形文化財
区分 指定
指定種別 県指定保護文化財
分類 県指定の絵画
所在地 鳥取市二丁目124 鳥取県立博物館
指定年月日

平成29年10月10日

所有者等

鳥取県立博物館

参考文献

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