木造聖観音菩薩坐像
( もくぞうしょうかんのんぼさつざぞう:mokuzoushokannonbosatuzazou )
八頭町青龍寺に祀られる檜の一木割矧ぎ造りの観音像である。漆箔に玉眼嵌入。像高は79.9p、髪際高は61.1pを測る。
像の形像は通例の聖観音菩薩のもので、上半身には条巾と天衣を懸け、下半身には折り返し付きの裙を着ける。両手は屈臂し、左手は腹前で未敷蓮華を執り、右手は胸前で第一・二指を捻じ、他指を軽く伸ばして蓮華に添える。脚部は、右足を上に結跏趺坐する。
本像は、目尻の切れ上がったまなざしや面長な顔立ち、腰高で抑揚があり量感豊かな体躯の表現、胸を張り上半身を起こした姿勢などに、鎌倉時代前期の慶派の造形的な特徴を看取することができる。また、天冠台には1220年代以降にあらわれる連弧形が認められる点や、頬は平板で全体に抑揚が少なく固さがみられることなどを考慮するならば、本像の制作時期は13世紀第2四半期の1230〜40年代頃、作者は慶派の傍系の仏師と判断される。
本県では現存作例が少ない13世紀前半の作例であるとともに、近畿を除く西日本における比較的早期の慶派の作例としても貴重な彫刻である。
| 文化財の種別 |
有形文化財
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| 区分 |
指定
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| 指定種別 |
県指定保護文化財
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| 分類 |
県指定の彫刻
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| 所在地 |
八頭郡八頭町下門尾 |
| 指定年月日 |
令和7年11月28日 |
| 所有者等 |
青龍寺 |
| 参考文献 |
『鳥取県の仏像調査報告書』鳥取県立博物館、2004年
『新編郡家町誌』八頭町、2006年 |
| 参考リンク |
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| 問合せ先 |
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| 備考 |
※髻、玉眼、持物、条帛垂下部、両手首先、、宝冠・冠(かんぞう)・胸飾、台座・光背は後補。像表面の漆箔も後補。
※本像の脇侍、木造多聞天立像と木造持国天立像(正安3年=1301)は国の重要文化財に指定されている。 |