竹内町のオコニャ
( たけのうちちょう の おこにゃ:takenouchi-cho no okonya )
オコナイとは、密教寺院の修正会の影響を受けた民間行事で、新春に地域と家々の安全と五穀豊穣、大漁満足を祈るもので、西日本に広く分布している。鳥取県内では境港市内で数か所行われていたが、現在では同竹内町のみにオコナイ行事が伝承されている。
竹内町では、この行事をオコニャと呼んでいる。毎年1月初旬に同町内の大同寺に15軒の草分け(本家)を中心とするモット(同族組織)がそれぞれ講中をつくり、輪番で大餅を作って奉納し、次の講中に引き渡す行事である。
同町は、全国的にみても色濃くオコナイ行事が分布する出雲地方東部から連続した範域にある。出雲地方あるいは湖北地方との関連が推測され、オコナイ行事の分布やあり方を考える上で興味深い。また、竹内町のオコニャは、モットと呼ばれる同族組織が行事の担い手となり、現在まで続けている希有な事例である。一方、時代の変化により、行事の伝承に課題がみられるようになっており、廃絶した行事や隣県との比較を含め、早急に記録作成等の措置を講ずべきである。
文化財の種別 |
民俗文化財
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区分 |
選択
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指定種別 |
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
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分類 |
県選択の風俗慣習
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所在地 |
境港市 |
指定年月日 |
平成28年4月26日 |
所有者等 |
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参考文献 |
余子公民館『竹ノ内伝承記』1985
『境港市史』境港市1988
『滋賀県の祭礼行事』滋賀県教育委員会1995
長浜城歴史博物館『オコナイの源流をさぐる』2001
早川時夫「竹内町のおこない」『鳥取県の祭り・行事』鳥取県立博物館2006
中島誠一『川道のオコナイ』サンライズ出版2011 |
参考リンク |
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備考 |
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