北川家文書
( きたがわけもんじょ:kitagawake monjo )
北川家文書7点は、江戸時代に因幡国邑美郡吉成村(鳥取市吉成)の庄屋や邑美郡大庄屋を務めた北川家に伝来したものである。現在は、太巻きの軸装1巻に仕立てられ、桐の箱、さらには「北川家」と金字で記された黒漆塗りの箱に納められており、保存状態は良好である。
北川家文書は、因幡守護であった山名豊時、豊重、豊頼からその配下である在地領主家の北川家へ宛てた文書であり、中世因幡国における北川氏の動向を示すだけでなく、因幡国守護の沿革や、その配下の領主たちとの関係、さらには15世紀末〜16世紀初頭における因幡国内の政治情勢を示す史料群である。
鳥取県域においては、このような中世在地領主家の文書が現在に至るまで受け継がれてきたこと自体、希有な価値を有するのみならず、本県の歴史上において重要な内容を持つものである。また、貞享5年(1688)に『因幡民談記』を著した小泉友賢とその息子俊益による調査・修復を重要な契機の一つとしながら、まとまった形で連綿と受け継がれてきたことも、本文書の学術的価値を高める上において大きな役割を果たしたと言える。
<内訳>
1.長享3年(1489)9月14日 山名豊時感状(小切紙)
2.永正元年(1504)閏3月23日 山名豊重感状(小切紙)
3.永正10年(1513)4月23日 山名豊頼宛行状(小切紙)
4.永正10年(1513)4月12日 山名豊頼感状(小切紙)
5.永正10年(1513)5月26日 山名豊頼感状(小切紙)
6.永正10年(1513)6月10日 山名豊頼宛行状(小切紙)
7.永正11年(1514)5月15日 山名豊頼宛行状(小切紙)
※読み下し文は『新鳥取県史 資料編 古代中世1古文書編 上』(鳥取県、2015年)11・12頁を参照のこと
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の古文書
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所在地 |
鳥取市 |
指定年月日 |
平成30年4月27日 |
所有者等 |
個人蔵(鳥取市歴史博物館寄託) |
参考文献 |
佐伯元吉編『因伯叢書(第一冊)』(名著出版、1972年)
錦織勤「布施の「舟入」と因幡国守護所天神山城の構造」(『地域学論集』6-3、2010年)
『新鳥取県史 資料編 古代中世1古文書編 上』(鳥取県、2015年) |
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