佐治の板笠製作用具及び製品
( さじのいたがさせいさくようぐおよびせいひん:saji no itagasa seisaku yougu oyobi seihin )
本件は、鳥取市佐治地区で江戸時代以来伝承されてきた、幅の狭い薄く剥いだ板のみで編む板笠製作に用いられた用具類のまとまりとして、地域的な特色がある。板笠の需要が減少し、製作技術の伝承が危うくなっている現在、当該地域における板笠製作の実態を知ることができる貴重な資料である。
佐治の板笠は、現鳥取市佐治町中・栃原で、少なくとも江戸初期から昭和30年頃まで、重要な産業として生産がなされてきた。この板笠は、編み込みをされた丸みがある六角形をしており、一般的な菅笠のように竹などの骨組みを持たない木製であるため、大変丈夫でありながら、しなやかで軽いことが特徴で、県内の因幡地方はもとより、伯耆地方、辰巳峠を越えて県外は岡山方面にまで出荷された。
「佐治の板笠製作用具と製品」107点(製作用具94点、製品類13点)は、すべて佐治町内の個人から寄贈されたもので、使用年代は不明な点が多いが、昭和期のものが中心となっており、板笠製作全工程の用具を網羅する貴重なものである。
文化財の種別 |
民俗文化財
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区分 |
登録
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指定種別 |
国登録有形民俗文化財
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分類 |
国登録の生産、生業に用いられるもの
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所在地 |
鳥取市佐治町福園 佐治歴史民俗資料館 |
指定年月日 |
平成22年3月21日 |
所有者等 |
鳥取市 |
参考文献 |
樫村 賢二「国登録有形民俗文化財 鳥取県「佐治の板笠製作用具と製品」について」、中島 嘉吉「佐治の板笠と民俗資料の収集の経緯」(神奈川大学日本常民文化研究所編『民具マンスリー』43(11)、2011) |
参考リンク |
佐治の板笠(鳥取市ホームページより)
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問合せ先 |
鳥取市教育委員会佐治町分室 |
備考 |
国指定文化財等データベース(文化庁ホームページ)「佐治の板笠製作用具及び製品」より。 |