天部形像一体と、官人形像三体の計四体が伝存する。それぞれ針葉樹の一材からなり、内刳りをほどこさない。
そのうち腹前で拱手する三体は、像の規模や姿形から三体一組であり、天部形像が主神、武官姿の二体はその随神とみられる。柔和な表情の天部形像(像高39.8p)は、天冠台つきの宝冠、大袖衣、鰭袖のがい襠衣を着し、腰帯をしめる。闕腋の袍を着す随神像(ともに像高32.5p)は、どちらも目を見開いて憤怒の相を示し、うち一体はさらに上歯列と左右の牙をむき出しにする点で大変特異である。強装束化が認められるが、衣文は闊達で形式化していないため、制作は13世紀半ばごろを中心とする鎌倉時代と推定できる。
一方の、把笏像は一般的な姿の男神像で、彫りが浅く簡略化された表現から、推定制作年代は12世紀頃にさかのぼるとみられる。主神に対する配祀神、あるいは鎮守神であった可能性がある。
平安時代後期から鎌倉時代にかけての、県内を代表する神像群の一つである。全国的にも稀な表現の像を含んでおり、美術史・宗教史研究に資するところが大きい。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の彫刻
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所在地 |
東伯郡三朝町東伯郡三朝町(令和4年現在:鳥取市歴史博物館) |
指定年月日 |
令和3年11月19日 |
所有者等 |
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参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
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