理性院等相承血脈次第(紙背後亀山上皇院宣案)
( りしょういんとう そうしょう けつみゃく しだい (しはい ごかめやまじょうこう いんぜんあん):risyointo sousyo ketsumyaku shidai (shihai gokameyama-joko inzenan )
全5紙からなる軸装巻子で、巻子の表側に理性院等相承血脈次第、その裏側には計6通の後亀山上皇院宣案が記されている。
後亀山上皇は、後醍醐天皇の孫にあたる南朝4代目の天皇であり、明徳3年(1392)の南北朝合一により譲位し、明徳5年に太上天皇(上皇)の尊号を贈られた。いわゆる南北朝合一とは、すでに北朝(持明院統)の天皇であった後小松天皇への譲位という形をとり、両統迭立の復活と、諸国国衙領の支配を南朝(大覚寺統)に認めるものであり、むしろ北朝を局外に置きながら足利義満が南朝との交渉により断行したものである可能性が指摘されている。
6通の院宣案は、南北朝合一直後において、大覚寺統が実際に諸国国衙領を支配しうる立場にあったことを裏づけるものである。これらは、ほとんど実態のわかっていない南北朝合一直後の政治体制をうかがわせるものとして、いわゆる後南朝に関する稀有な史料と言わなければならない。しかもそのうちの3通が因幡国に関するものであり、14世紀末における国衙領の所在を示すとともに、おそらく一時的なものとは言え大覚寺統による支配を裏づけており、中世因幡国の関係史料として大変貴重である。
また表側の理性院等相承血脈次第は真言宗諸流の法脈を記したものであり、真言宗関係史料として全国的にみて貴重である。
よって、理性院等相承血脈次第(紙背後亀山上皇院宣案)は鳥取県指定文化財に指定し保護するに相応しい価値を有するものと判断される。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の古文書
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所在地 |
鳥取市上町88 鳥取市歴史博物館 |
指定年月日 |
平成29年10月10日 |
所有者等 |
鳥取市歴史博物館 |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
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