絹本着色五大明王像
( けんぽんちゃくしょくごだいみょうおうぞう:kenpon tyakusyoku godai myoozo )
不動明王二童子像を中幅とし、降三世明王像(東方)、大威徳明王像(西方)、軍荼利明王像(南方)、金剛夜叉明王像(北方)の5幅からなる五大明王像一具である。中央と四方に割り振られたこの構成は一般的なものであるが、不動明王二童子像の大きさが144.0×70.0 p、残りが108.0×54.0pと不動明王二童子像のみ大きい点は珍しい。
五大明王は、密教の代表的な忿怒尊(ふんぬそん)セットで、五尊一具で用いる場合は息災・増益(そうやく)を祈る五壇法の本尊として祀られることが多かった。本作品は中規模な五幅セットで、仏画の伝統的な描写法にのっとり、彩色を中心として動的な姿態と力強い火炎光背を的確に表現している。着衣の文様には截金(きりがね)を用いず、彩色と金泥の2種類で描かれている。尊像表現には形式化の傾向が見受けられるが、忿怒尊の威風を充分に表出できており、金泥文様には鎌倉時代後半の流行を反映した描写もうかがえる。五幅とも素材となる絵絹は同質で、鎌倉時代後半の特色を示している。描写の表現や絵絹の状況から、制作年代は鎌倉時代後半(13世紀後半)と考えられる。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の絵画
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所在地 |
鳥取市東町二丁目124 鳥取県立博物館 |
指定年月日 |
平成31年3月15日 |
所有者等 |
宗教法人大安興寺 |
参考文献 |
『新鳥取県史 資料編 近世4因幡上』鳥取県刊、2018年 |
参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
5幅 |