用瀬の流しびな
( もちがせのながしびな:motigase no nagashibina )
(1)文化財の特色
雛人形に心身の穢れや災厄を移して水辺に送る行事は,「流し雛」や「雛流し」などと呼ばれ,雛祭りの源流となる古くからの習俗と考えられている。その伝承は,各地に散見されるが,本件は,呪具としての人形(ひとがた)に人間の形代(かたしろ)の役目を負わせ,送るという信仰をよく伝えており,同種の行事の典型例と考えられる。また,流しびなは鳥取県では因幡地方で広く行われていたが,伝承が途絶えた地域が多く,現在では当地に残るのみとなっており,我が国の民間信仰や節供行事の変遷を考える上で貴重である。
(2)文化財の説明
本件は ,鳥取県鳥取市用瀬町に伝承される女児の三月節供の行事 で,晴着で着飾った女の子たちが雛人形に災厄を託して川 に流し, 無病息災や無事な成長を祈願する。かつては ,旧暦 3月3日の夕方頃から家ごとに行われていたが ,現在は,同日の午後地区を流れる 千代川(せんだいがわ)の水辺で時間を定めて行っている。雛人形は,男女一対の小さな紙雛で,藁製の丸い桟俵の上にのせ,桃の小枝や 季節の 花,菓子などを添えて,川の緩やかな瀬を選んで下流へと送る。また,この日には,「ひな荒らし」と称して,近所の子供たちを自宅に呼んで雛祭りの 御馳走を振舞う習わしもあり,各家では,新旧 の 雛人形を座敷 や玄関口などに飾り,一般に披露する。
文化財の種別 |
民俗文化財
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区分 |
選択
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指定種別 |
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
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分類 |
国選択の民俗芸能
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所在地 |
鳥取市用瀬町 |
指定年月日 |
令和3年3月11日 |
所有者等 |
用瀬民俗保存会 |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
もちがせ 流しびなの館(TEL0858-87-3222) |
備考 |
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