倉吉市の古刹天台宗長谷寺に伝来する青銅製の梵鐘である。明徳4年(1392)に美作国布施庄(現岡山県真庭市)内の長田村住人が牛頭天王社に奉納したむねの銘文がある。京都の祇園社(現八坂神社)が布施庄の荘園領主となり勧請された牛頭天王社は今の長田神社(真庭市蒜山下長田)とされる。
総高85.1cm、鐘身高64.8cm、笠形高5.7cm、竜頭高14.6cm、口径49.8cm、撞座径9cm。
乳は4段4列64個中27個が剥落している。縦帯にある銘文は備考欄のとおりである。
なお、鳥取市国英神社には、長谷寺から移された県指定保護文化財の梵鐘が伝わる(県立博物館寄託)。これは正安3年(1301)に製作された鐘で、銘文を有する。長谷寺から国英神社への移動の経緯は不明だが、一寺院を軸に2点の梵鐘が流出と転入した事実は、梵鐘という什物の性質を考えるうえで興味深い。寺運の隆盛と衰退、社会の混乱や人々の交流等、様々な事情により、梵鐘は移動するものであったと考えられる。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の工芸品
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所在地 |
倉吉市仲ノ町 |
指定年月日 |
昭和31年5月30日 |
所有者等 |
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参考文献 |
『梵鐘~鐘をめぐるものがたり~』(展覧会図録)鳥取市歴史博物館、2011年。 |
参考リンク |
倉吉市の文化財紹介ページ
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問合せ先 |
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備考 |
【銘文】
牛頭天王姫宮御宝前/作州布施之荘/長田村之上下萬民/一同願主又四郎悲願二世/成就故也/政浄大夫敬白/明徳四年[癸酉]八月八日/大願主教超禅門 |