福本70号墳出土遺物
( ふくもとななじゅうごうふん しゅつどいぶつ:fukumoto 70gofun syutsudo ibutsu )
福本70号墳は、墳丘規模東西最大約15m、南北最大約13m、高さ約5mを測る。墳丘裾部等で確認された列石の状況から、多段築成された変形八角形と考えられる多角形墳で、出土土器の年代観から7世紀前半から中葉頃の古墳とされる。
平成6年に実施された発掘調査により、玄室床面や墳丘流失土内から副葬品を中心とする遺物が出土した。玄室内出土遺物には、銅製匙(どうせいさじ)、双龍環頭大刀(そうりゅうかんとうたち)、鍔付鉄剣(つばつきてっけん)、馬具(ばぐ)、鉄鏃(てつぞく)、鉄製工具、ガラス玉類、耳環(じかん)、鉄釘、土器等があり、良好な状態で遺存していた。
それら出土遺物からは、木棺使用に見る埋葬方法や葬送の場の変化、銅製匙や渦巻文(うずまきもん)杏葉(ぎょうよう)などに見る中国、もしくは朝鮮半島との交流といった政治動向を窺い知ることができる。また、福本70号墳の近隣には、7世紀後半以降に八上郡衙(やかみぐんが)(八頭町万代寺(まんたいじ)遺跡)の設置や土師百井(はじももい)廃寺が建立されるが、本墳の追葬に伴ったと考えられる遺物にも、金銅装馬具のほか、双龍環頭大刀といった優品が引き続き見られることから、古墳時代から律令時代への過渡期における地域社会の変化や有力者の動向を知ることができる資料として重要である。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の考古資料
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所在地 |
八頭郡八頭町宮谷80(八頭中央公民館) |
指定年月日 |
平成29年4月11日 |
所有者等 |
八頭町 |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
八頭町教育委員会 |
備考 |
員数250点 |