旧興国寺書院障壁画
( きゅうこうこくじ しょいん しょうへきが:kyukokokuji syoin syohekiga )
鳥取画壇の祖とも称される土方稲嶺の代表作である。和歌山県日高郡由良町所在の興国寺(臨済宗妙心寺派)書院の障壁画であったが、2016年に鳥取県へ寄贈された。
稲嶺の作風は濃彩細密な南蘋派風のもの、四条派や狩野派の学習を反映した南蘋派を和様化したような水墨基調のものに大きく分けられるが、本作は後者を代表する大作であり、山水、人物、花鳥という諸画題を網羅しており、56才の円熟期ならではの高い大画面構成力と個々のモチーフを、実感をもって描き出す筆技が存分に発揮されている。
本作は稲嶺が藩絵師となる以前である寛政8年(1796)4月の制作であり、県内の寺院のための制作でもないが、多岐にわたる画題を網羅する、禅宗寺院の書院四室分の障壁画がまとまっていること、制作年が明かなことにおいて、きわめて意義深い。また、土方稲嶺をはじめ藩政時代の他の画家たちが描いた障壁画は、現在のところ県内に一件も確認されておらず、稲嶺および近世の藩絵師の障壁画作品として県内で唯一の例として貴重である。
文化財の種別 |
有形文化財
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区分 |
指定
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指定種別 |
県指定保護文化財
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分類 |
県指定の絵画
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所在地 |
鳥取市東町二丁目124 鳥取県立博物館 |
指定年月日 |
平成30年10月9日 |
所有者等 |
鳥取県立博物館 |
参考文献 |
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参考リンク |
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問合せ先 |
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備考 |
22枚(画面数38面:山水図8面、竹林七賢図8面、芦に叭々鳥・遊鯉図12面、芭蕉に烏図10面) |