・患者の行動歴から感染源の調査を行うとともに、接触者については健康観察(最終接触より21日間)を実施して二次感染拡大を防止していきます。
・麻しん情報については、県ホームページに公開し、注意喚起を促していきます。
≪県民の皆様へ≫
・麻しん(はしか)は、本年5月に国内での感染伝播事例が報告されるなど、現在、全国での感染事例が増加しています。
・麻しんは感染力が非常に強く(インフルエンザの約10倍)、空気感染が主な感染経路です。
・麻しんに感染したことのある方や予防接種歴が2回ある方は、感染する恐れは殆どありません。
・麻しんの有効な予防方法は、ワクチンの2回接種です。
・国外・県外への旅行・出張等の後に、麻しんが疑われる症状が現れた場合は、必ず事前に医療機関 に連絡し、医療機関の指示に従って受診してください。
・また、受診時は、周囲への感染を防ぐため、公共交通機関の利用は避けましょう。
≪医療機関の皆様へ≫
・発熱や発疹を呈する患者が受診した際は、麻しんの予防接種歴や海外渡航歴の確認など、麻しんを意識した診療をお願いします。
・麻しんを疑う患者を診察する際は、個室管理を行うなど、麻しんの感染力の強さを踏まえた院内感染対策を実施してください。
・臨床症状などから麻しんと診断した場合は、速やかに保健所へご連絡ください。 |
| H28 | H29 | H30 | H31 | R2 | R3 | R4 | R5 |
全国 | 165件 | 186件 | 279件 | 744件 | 10件 | 6件 | 6件 | 12件 |
鳥取県 | 0件 | 0件 | 0件 | 3件 | 0件 | 0件 | 0件 | 1件 |
※全国の件数:5月24日現在、鳥取県の件数:6月2日現在
なお、R5年の全国の発生状況は、以下のとおり
月
(週) | 1月
(1〜4週) | 2月
(5〜8週) | 3月
(9〜13週) | 4月
(14〜17週) | 5月
(18〜21週) |
発生件数
(都道府県) | 0件 | 1件
(東京都1) | 1件
(神奈川県1) | 2件
(大阪府1、
茨城県1) | 8件
(東京都4、和歌山県2、
新潟県1、兵庫県1) |
1 症状
○感染力はきわめて強く、麻しんに対する免疫を持っていない人が、感染している人に接すると、ほぼ100%の人が感染します。
○典型的には、約10〜12日間の潜伏期間の後、38℃程度の発熱及びかぜ症状が2〜4日続き、その後39℃以上の高熱とともに発しんが出現します。主な症状は、発熱・発しんの他、咳、鼻水、目の充血などです。
○合併症として、肺炎、中耳炎、稀に、脳炎、失明等があり、肺炎や脳炎は、重症化すると死亡することもあります。
○主に重症化するのは小児であり、予防接種対象ではない1歳未満の子どもの親が麻しんにかかった場合、子どもが重症化するおそれがあるため、親世代(20〜40歳代)で免疫がない可能性のある人(予防接種1回)は追加接種が望ましいです。
○1歳未満の乳児が罹った場合は、免疫グロブリン投与やワクチン接種などの治療を行うこともあります。
2 感染経路
○空気感染が主たる感染経路です。その他に、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」、およびウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。
○発症した人が周囲に感染させる期間は、発しんが出現する4日前から発しん出現後4〜5日くらいまでです。なお、感染力が最も強いのは発しん出現前の期間です。
3 対処方法
○特異的な治療法はなく、対症療法を行います。
4 予防方法
○有効な予防方法は、麻しんワクチンの
2回接種です。
○麻しんワクチンは、予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。
(1歳と小学校入学前年度の1年間の2回)
○定期予防接種の対象でない者は、医療機関で任意の予防接種が可能です。
※抗体獲得率(1回目接種95%、2回目接種すると免疫の付かなかった5%の人も免疫獲得)
※手洗いやマスクでは、完全に防ぐことはできません。
※昭和47年〜平成2年生まれ(20歳代後半〜40歳半ば)の方は、ワクチン1回接種であり、追加接種(任意)が望ましい。