○芸術文化分野:石田 雲鶴(いしだ うんかく)
平成元年に初の日展入選を果たし、以後10回にわたり入選する。10回目には特選となり、同16年には2回目の特選を受け、同17年に出品依嘱(現在の準会員)となる。また、平成20年、同25年及び同28年の三度にわたり日展審査員を務めるなど、その実力は高く評価されている。
鳥取県内においても、鳥取市民美術展や鳥取県美術展覧会の審査員、運営委員を歴任。また、鳥取書道連盟の副会長や鳥取県書道連合会の常任理事を長きにわたって務め、会の中枢で運営に尽力するとともに、当県書道文化の振興に大きく貢献している。
現在も、読売書法会参事、日本書芸院顧問の要職を務めるかたわら、多くの選抜展や書道展への出品を行うなど、精力的に創作活動を続けている。
加えて、自ら鳥取由源友の会を結成し、会長職として「鳥取由源書展」を毎年開催し、高校生を含めた幅広い年代層の作品を発表するなど、後進の指導にも尽力している。
平成14年に鳥取市文化賞、同25年には多数の優れた書作品の発表及び後進の指導を通じてその普及と発展に努め、地域の文化振興に貢献したことに対して、鳥取県文化功労賞知事表彰を受けている。
○文化財分野:橋詰 峯子(はしづめ みねこ)
植物の図柄を中心とした絵画性の強い作品を主体とし、花弁が器面全面を覆い尽くすものや、近年では、幾何学的な模様や窓のような矩形のなかに写実的な植物などの図柄を組み合わせる作品をつくっている。透明性の高い釉薬は、下地に貼った銀箔の効果を引き出すものであり、繊細に貼られた銀線から生み出される写実的なデザインとともに高い芸術性を有する。
橋詰氏の作品は1997年の第30回日本七宝作家協会記念展協会賞受賞を皮切りに、各展覧会において受賞・入選をし、2009年には日本工芸会正会員に認定された。とくに近年は、第25回伝統工芸諸工芸部会展(2015年)で最高賞の文部科学大臣賞、第54回(2011年)及び第59回日本伝統工芸中国支部展(2016年)で鳥取県知事賞、そして第66回日本伝統工芸中国展(2023年)において特別賞の金重陶陽賞を受賞するなど高く評価されている。また、平成30年度から現在まで「ふるさと未来創造工房」の講師として、子どもたちの制作体験の指導をしている。
鳥取県を代表する七宝作家として、平成28年10月25日付で県指定無形文化財「七宝」保持者に認定された。こうした功績により、令和3年度に鳥取県教育委員会表彰、鳥取県文化功労賞を受賞している。