内閣官房が実施した「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」では都道府県ごとの状況が把握できなかったため、令和4年12月に孤独・孤立に関する県内アンケート調査を実施しました。以下のとおり集計が完了しましたので、調査結果の概要をお知らせします。
本調査によって得られた分析結果については、これまで「とっとり孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」(以下、「官民連携プラットフォーム」という。)等で関係者からいただいたご意見や国の調査に加えて目立った特徴があるものではありませんが、今後、分析結果を官民連携プラットフォームや県庁内の「孤独・孤立対策プロジェクトチーム」でも共有し、支援現場での状況とも比較をし、今後の孤独・孤立対策事業等の検討に活用していきます。
(1)単純集計結果・国のアンケート調査との比較(主な項目)
○孤独感が「しばしばある・常にある」、「時々ある」、「たまにある」人は、県、国とも約4割であり、一定の割合で孤独感を抱えている方がいることが裏付けられたほか、20代・30代の若年層が孤独感を抱える割合が高い点など、県、国で概ね似た傾向を示している。
※県調査の方が、回答者全体に占める20代、30代の割合が高いため、孤独感に関する設問等について国調査よりも若干数値が高く出ている可能性があります。
項目 | 県調査結果 | 国調査結果 |
孤独感が「しばしばある・常にある」、「時々ある」、「たまにある」と回答した人の割合 | 43.5% | 40.3% |
孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人の年齢階級別の割合(第1位、第2位) | ・20代:11.6%
・30代:10.2% | ・30代:7.2%
・20代:7.1% |
孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人の仕事の種類別の割合(第1位、第2位) | ・失業中:13.8%
・派遣社員:12.1% | ・失業中:9.9%
・家族従業者・内職:5.9% |
項目 | 県調査結果 | 国調査結果 |
孤独感が「たまにある」、「時々ある」、「しばしばある・常にある」と回答した人が、その状況に至る前に経験した出来事の割合(第1位〜3位) | ・一人暮らし:24.0%
・転校・転職・離職・退職:
19.0%
・心身の重大なトラブル
(病気・怪我等):16.0%
・人間関係による重大なトラブル:16.0% | ・家族との死別:27.0%
・心身の重大なトラブル
(病気・怪我等):17.7%
・転校・転職・離職・退職:
16.9% |
孤独・孤立状態が解消したきっかけ別の割合(第1位、第2位)
※県独自設問 | ・時間が経過することで自分の気持ちに変化が生じた:25.1%
・相談や話ができる相手との新たな出会いがあった:17.6% | |
※国アンケート調査(内閣官房孤独・孤立対策担当室「人々のつながりに関する基礎調査(令和4年)」)
(2)各質問項目に係る分析(主な項目)
○年齢階級別孤独感
・すべての年代で孤独を感じる方が存在するが、若年層で孤独感を抱えている割合が高い。
・若年層は、相談相手や居場所がないと感じている割合も高く、社会との接点の少なさが影響している可能性がある。
・また、SNSを頻繁に活用する年齢層でもあるが、相手の顔が見えないことや文面で相手の気持ちを推測しなければならないなど、SNSのつながりでは必ずしも孤独感の緩和には至っていないことが推測される。
○現在の仕事の種類別孤独感
・失業や派遣社員等の不安定な雇用環境などにより社会との接点が少なくなることも、孤独感につながる一因と推測される。
○現在の孤独感に至る前に経験した出来事の状況
・「一人暮らし」、「転校・転職・離職・退職(失業を除く)」、「心身の重大なトラブル(病気・怪我等)」、「人間関係による重大なトラブル(いじめ・ハラスメント等を含む)」などの割合が高く、これらの出来事は概ねつながりの希薄化を伴うことから、孤立状態が孤独感を感じる要因の一つとなっていることが窺える。
○孤独・孤立状態が解消したきっかけ
・「時間が経過することで自分の気持ちに変化が生じた」や、「相談や話ができる相手との新たな出会いがあった」の割合が高いことから、ある程度の時間をかけながら、つながり続けることで、対象者の状況変化を逃さず、適時支援につなげていくことも必要であると考えられる。
(3)「孤独・孤立状態にある方への支援で必要なこと」として自由記載でいただいたご意見のうち件数が上位のもの(抜粋)
・声をかける、見守る、寄り添う、話し相手になる
・気軽に集まれる居場所やコミュニティづくり
・相談支援や相談窓口・機関の充実
・地域や民間の力による支援
・訪問によるアプローチ
・経済的な支援
・国や自治体による支援
・支援に関する情報の提供やPR など