中部総合事務所管内における日本紅斑熱患者の発生(第1報)
2020年09月29日提供 資料提供

提供課等:中部総合事務所中部総合事務所福祉保健局
担当/係名:健康支援課医薬・疾病対策担当
電話番号:0858-23-3145
FAX番号:0858-23-4803

9月28日、倉吉市内の医療機関から中部総合事務所福祉保健局へ日本紅斑熱患者の発生について届出がありました。
なお、令和2年の本症の県内発生は5例目です。
患者の状況
項 目 | 内 容 |
患 者 | 70歳代(男性)
歳代、男性 |
住 所 地 | 倉吉市内 |
経 過 | 9月23日 発熱(38℃台)、全身倦怠感。
9月26日 医療機関受診。
9月28日 症状が続くため、紹介により別の医療機関を受診。
発熱、筋肉痛、全身倦怠感、全身に発疹、腹部にダニの刺し口を認める。
9月29日 衛生環境研究所で遺伝子検査を実施し、日本紅斑熱陽性。
現在、症状は快方に向かっており自宅療養中。 |
※ 患者のプライバシーの確保に十分な配慮をお願いします。
報道機関各位におかれましては、マダニに咬まれないよう以下の啓発についてよろしくお願いします。
山林での作業、農作業及びレクリエーションで野山や畑等に出かけるときは、マダニに刺さ
れないよう次のことに注意してください。
○ 肌を出来るだけ出さないよう長袖、長ズボン、手袋等をしましょう。
○ 肌が出る部分や服の上からダニ忌避剤(ディート剤)を噴霧しましょう。
○ 服は、ダニの付着が目立つ、白い色にしましょう。
○ 地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないよう敷物をしきましょう。
○ 服にダニが付着している可能性があるので、車や自宅に入る前に服をはたき、帰った後は
すぐ入浴し、体を良く洗い、新しい服に着替えましょう。
○ 野山などに出かけられた後、体にマダニに刺されたと疑われる刺し口がみられ、発熱等の
症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。 |
参考事項
1 日本紅斑熱の発生状況(令和2年は1月1日〜9月6日時点)
 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 |
全国 | 277 | 337 | 305 | 318 | 208 |
鳥取県 | 10 | 6 | 2 | 0 | 5 |
○ 1984年に徳島県で初めて確認された疾病で九州や四国地方および中国地方(広島県、
島根県)の西日本南西部をはじめ、近畿地方や関東地方の太平洋沿岸地域に多い。
2 日本紅斑熱について
○ 本症は、マダニが病原体(リケッチア)を媒介する疾患の一つです。
○ ヒトが野山に入ったとき、マダニのうちリケッチアをもつダニ(有毒ダニ)に刺されることによって感染します。
○ ヒトからヒトへの感染はありません。
○ 潜伏期間は2〜8日で、症状は、頭痛、発熱、倦怠感を伴って発症し、高熱、発疹および刺し口がほとんどの症例にみられる。
○ 治療は、早期受診により適切な抗菌薬を投与し、一般的に予後は良好です。
○ 予防について
発生時期および発生地を知り、汚染地域に立ち入らないこと。
農作業や森林作業でやむを得ず立ち入る際には、
・ 皮膚の露出を少なくしダニの付着を防ぐ。
・ ダニ忌避剤(ディート剤)を使用する。
・ 作業後入浴する。
・ この際、万が一、ダニが付着していた時は、注意深く付着ダニの除去を行う。
感染を防ぐためダニを指でつぶさず、頭部をピンセットなどで摘んで除去する。