(1)オイコ(南部町久蔵)モロの木、ヒノキやハゼの木の枝を骨として、藁の小縄で編んだ背負い籠。大きな物はマヤゴエを運搬したり、畑の野菜を収穫して負い、小振りの籠は泥や石を負う、農家にとって必需品であった。材料の枝を曲げて留めるのに、フジの皮を使用している。
(2)ガマコシズ(智頭町芦津)、フクロセゴ(日野町中菅)農作業時に腰にさげる小物入れ(かご)と背中に背負うふくろ(かご)。ガマの茎で編む民具は、三朝町(鳥取県)、真庭市(岡山県)などにも伝わる。かつては、ヒルカワ(シナノキの樹皮)でなったひもで編んでいた。
(3)ナタコシズ(智頭町中原)腰にさげる鉈のさや。ツヅラ(ツヅラフジ)で編む。山村ならではの道具。
(4)ワタタソウケ(若桜町若桜)トチの灰汁抜きなどに使用するかご。ワタタ(マタタビの方言)を細く平たく割いて編む。一部にヒビ(イヌガヤ)の幹、ツヅラを用いる。マタタビ製のかごは青谷上寺地遺跡で出土例があり、現在では福島、石川県など、内陸から日本海側にかけての豪雪地帯に伝承されている。