良田平田遺跡で出土した木簡(歴名)について
2012年02月16日提供 記者発表資料
提供課等:教育委員会(事務局)文化財課
担当/係名:歴史遺産室
電話番号:0857-26-7932
(財)鳥取県教育文化財団では、国土交通省の一般国道9号(鳥取西道路)改築事業に伴う発掘調査を実施しています。このうち、昨年に現地調査を終了した「良田平田(よしだひらた)遺跡」において、平安時代の因幡国に存在した人物の姓名等が記された名簿状の木簡(歴名)がみつかりましたので、下記のとおり記者公開を行うとともに、鳥取県立博物館で一般公開を行います。
記
記者公開について
(1)日 時 平成24年2月24日(金) 午後1時30分から午後2時30分まで
(2)場 所 (財)鳥取県教育文化財団 調査室 美和調査事務所(鳥取市源太12番地、旧 鳥取湖陵高校美和分校内)
良田平田遺跡で出土した木簡(歴名)について
(1)木簡の時期と特徴
時 期:平安時代(9世紀後半〜10世紀初め)
特 徴:細長い板の片面に、地名(“因播国高草郡刑部郷(いなぱのくにたかくさぐんおさかべごう)”という当時の国・郡・郷名)および人名(“刑部(おさかべ)”、“孔王部(あなほべ)”などの姓、“廣公(ひろきみ?)”“浄主(きよぬし?)”などの名)、数字(“十六”、“廿四”など)が書かれています。
(2)木簡発見の意義
@古代の因幡国に“孔王部”の姓をもつ人物が存在したことを発見
今回みつかった木簡は、人物の姓名が書き連ねられた「歴名(れきみょう・れきめい)」と呼ばれるものです。この木簡の性格は、記録を目的とした帳簿のようなものと考えられます。
古代の因幡国に存在した人物の名が記された史料(古文書や木簡等)は少なく、木簡に記された人名はもちろん、初めて“孔王部”の姓をもつ人物が存在したことがわかり、新しい発見となりました。
A古代の良田地区は「刑部郷」に属していたことが判明
良田地区は、律令制に基づく古代の地方行政区画の上で「高草郡」に含まれますが、高草郡には八つの郷があり、そのうち「野坂郷(のさかごう)」か「刑部(おさかべごう)」のどちらかに属していたと考えられていました。この度みつかった木簡には「高草郡刑部郷」と記されており、木簡の性格から推測すると、古代の良田地域は「刑部郷」に属していた可能性が高く、「郷」の範囲や境界を明らかにする上で貴重な発見となりました。
一般公開
良田平田遺跡の出土品等について、以下のとおり発掘調査速報展を開催します。
(1)展示期間 平成24年2月28日(火)から4月1日(日)まで
*3月21日(水)・26日(月)は休館日
(2)会 場 鳥取県立博物館 歴史・民俗展示室「歴史の窓」コーナー
*入館料(常設展 一般180円)が必要です
(3)展示資料 歴名木簡(遺物保護の関係上、実物の展示は3月4日(日)までの6日間とさせていただきます)、墨書土器、銅製帯金具、写真パネル等