鳥取城の「兵糧攻め」が日本最古のリフィーディング症候群の事例と判明!
2023年11月21日提供 資料提供
提供課等:教育委員会(事務局)博物館
担当/係名:学芸課
電話番号:0857-26-8044
この度、鳥取城の「兵糧攻め」が日本最古のリフィーディング症候群の事例と判明し、鹿野泰寛、青山彩香、および当館学芸員の山本隆一朗により、国際医学雑誌に論文発表されました。この天正9年の鳥取城の戦いにおける例は、世界的にみても貴重な記録となります。
趣旨
天正9年(1581年)、羽柴(のちの豊臣)秀吉による「兵糧攻め」で落城した鳥取城から助け出された人々のうち、多くの粥を食べたものはすぐに死に、大量摂取を控えたものは生存したことが記録されている。
この極度の飢餓後の炭水化物の摂取により発生した大量死の原因を医学的に考察したところ、その死因はリフィーディング症候群(※)によるものであると推察され、査読付き国際医学雑誌に掲載された。詳しくは「別紙」を参照。
※リフィーディング症候群:低栄養状態にある患者に急激な栄養投与を行った際に、体液や電解質が急速に移行し、低血糖や電解質異常を起こし、死亡を含めた重篤な合併症を引き起こす病気。
掲載論文
・タイトル:Hyoro-zeme in the battle for Tottori castle (1581): the first description of refeeding syndrome in Japan
〔天正9年(1581年)鳥取城の戦いにおける「兵糧攻め」:日本におけるリフィーディング症候群の最初の記述〕
・著者:鹿野 泰寛(かの やすひろ)・青山 彩香(あおやま さやか)・山本 隆一朗(やまもと りゅういちろう)
・雑誌:The American Journal of the Medical Science
問合せ先
川上 靖(かわかみ やすし)鳥取県立博物館 学芸課長 TEL: 0857-26-8044/E-mail: kawakamiy@pref.tottori.lg.jp
【著者問合せ先】
・鹿野 泰寛(東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療科)TEL: 042-323-5111/E-mail: yasuhiro.kano.21@gmail.com
・青山 彩香(JA茨城厚生連総合病院 水戸協同病院)TEL: 029-231-2371/E-mail: aoyama.sayaka613@gmail.com
・山本 隆一朗(鳥取県立博物館)TEL: 0857-26-8044/E-mail: yamamoto-r@pref.tottori.lg.jp