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重要文化財（美術品彫刻）の追加指定及び登録有形文化財（建造物）の新規登録について

2017年03月07日提供資料提供

提供課等：教育委員会（事務局）文化財課　　担当/係名：文化財担当　
電話番号：0857-26-7760

平成29年3月10日（金）に開催される国の文化審議会（文部科学大臣の諮問機関、会長馬淵明子　国立西洋美術館館長）において、国指定重要文化財（美術品彫刻）の追加指定及び登録有形文化財（建造物）の新規登録に係る答申が行われる予定です。

記

1　重要文化財（美術品彫刻）の追加指定について

（1）　文化財の名称　※追加指定については、国からの報道提供は行われません。

木造蔵王権現立像（もくぞうざおうごんげんりゅうぞう）　その七
（現在、県指定保護文化財になっている１躯がその七として追加）
（重文名称　木造蔵王権現立像　七躯（大正9年4月15日旧国宝指定　彫第1853号））

（2）　文化財の特徴

所在の場所　東伯郡三朝町三徳

　年代　11世紀前半から中頃　※年輪年代測定により1002年以降の伐採と報告

三徳山三佛寺には平安時代製作の蔵王権現像が複数伝わり、奥の院投入堂本尊（仁安3年〈1168〉、重要文化財）が明治37年に、投入堂に安置されていたその他の6躯が大正9年にそれぞれ旧国宝に指定されている。このうち大正9年指定の蔵王権現像は像高や作風、炎髪の有無・手足の上げ下げ等の図像、保存状態もさまざまで、11世紀から12世紀にかけて三徳山奥之院を中心に山内で順次製作されたものとみられる。
本像は、その作風や構造から11世紀前半から半ばと考えられるもので、他の6躯と同様に制作された1躯とみられ、それらと同様に平安期の蔵王権現像の展開を考える上で貴重な作例となる。
像高74.0㎝。檜材、一木造、白下地彩色。

（3）　文化財の件数（平成29年3月現在）

国指定重要文化財（美術品　彫刻）の現在の件数　18

この度は追加指定なので、国指定重要文化財の件数の変更はありません。

県指定保護文化財（美術品　彫刻）の現在の件数　４１
※追加指定に伴い、県指定保護文化財の件数は告示後に1件減ります。

2　登録有形文化財（建造物）の新規登録について

（1）　文化財の名称

鳥取民藝美術館別館湖山池阿弥陀堂（とっとりみんげいびじゅつかんべっかんこやまいけあみだどう）（鳥取市三津）1件
太田家住宅　主屋、新建、門長屋（おおたけじゅうたく　しゅおく、しんだて、もんながや）（八頭郡八頭町富枝）3件
計　2箇所4件

（2）　文化財の特徴等

鳥取民藝美術館別館湖山池阿弥陀堂

所在の場所　鳥取市三津

建築年代　昭和39年建築／昭和41年増築、昭和40年代改修
特徴等　阿弥陀堂は、昭和初期から鳥取で新作民藝運動を推進した吉田璋也により、鳥取民藝美術館別館として湖山池の北岸に建てられた。内部の展望台から正面にみえる津生島を中心に、青島、団子島と併せて阿弥陀三尊と見立てたことから阿弥陀堂と名付けたという。展望室のほか、2部屋の茶室、水屋からなる。建築には鳥取民藝協団の職人が多く参加し、クリ、ケヤキ、ラワン等が多く用いられた特徴的な建築となっている。外観も、湖山池周辺の景色と調和するように建てられている。

太田家住宅主屋、新建、門長屋
所在の場所　八頭郡八頭町富枝
建築年代　主屋：明治30年建築、新建：昭和8年建築、門長屋：明治30年頃建築／大正4年改修
特徴等　太田家は明治から昭和にかけて三代にわたり村長を、大正期には敷地内に丹比郵便局を開設して初代郵便局長を務めた。県道の北側に屋敷を構える屋敷地には、門長屋を道に面して構え、主屋、新建のほか、数棟の土蔵が立つ。
主屋は木造二階建、瓦葺で、明治30年の建築。東側に土間をもち、西側は6室の部屋からなる。座敷周辺には、拭漆で仕上げた良質な材料が多く用いられた上質なつくり。
新建は主屋に廊下で接続する離れ座敷。木造平屋建、瓦葺で昭和8年に曹洞宗管長を迎えるために建てられた。2室から成り、主屋と対照的に素木の良材を多用しており、質の高い建築。
門長屋は、門と長屋部分からなり、明治30年頃に建てられたものの南東部分は大正4年の郵便局開局にあわせて一部改造された。太田家の敷地の隅を画し、景観をひきしめる。