国史跡青谷上寺地遺跡第17次発掘調査で出土した銅戈片−中国地方以西で初めて発見された近畿(大阪湾)型銅戈−
2017年12月20日提供 資料提供
提供課等:教育委員会(事務局)文化財課
担当/係名:歴史遺産室
電話番号:0857-26-7934
平成28・29年度に実施した国史跡青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡第17次調査で弥生時代終末期(3世紀前半)の地層から、弥生時代中期の武器形祭器の一つ「銅戈」(どうか)の破片が出土しました。この銅戈は近畿(大阪湾)型銅戈と呼ばれるもので、中国地方以西では初めての発見です。ついては、下記のとおり記者公開を行いますので、取材にお越しください。
記
記者公開
日時 12月25日(月)午後1時30分から
場所 鳥取県埋蔵文化財センター (鳥取市国府町宮下)
概要
(1)調査機関 鳥取県埋蔵文化財センター
(2)調査担当 青谷上寺地遺跡調査整備担当 係長 M田竜彦(はまだ たつひこ)、文化財主事 大川泰広(おおかわ やすひろ)
(3)調査期間 平成28年8月1日〜平成29年12月20日
(4)調査面積 525平米
(5)出土した銅戈片について
・弥生時代終末期(約1800年前)の包含層から出土
青谷上寺地遺跡で初めて出土した銅戈
・破片の状態で出土 長さ3.4センチメートル、幅2.3センチメートル
・近畿(大阪湾)型銅戈の特徴を備える
国宝桜ヶ丘銅鐸・銅戈群(兵庫県)の銅戈と同型式
弥生時代中期後半(紀元前2〜1世紀)に製作されたもの
中国地方以西の地域で初めての出土
銅戈片出土の意義
○青谷上寺地遺跡で初めて確認された銅戈
・青谷上寺地遺跡では戈形木製品、戈の柄(え)や鞘(さや)(いずれも木製)が出土していたが、銅戈の存在は不明だった。今回の発見は青谷上寺地遺跡における武器形祭器を使った祭りを考える上で重要。
○中国地方以西で初めて出土した近畿(大阪湾)型銅戈
・近畿(大阪湾)型銅戈の破片が山陰地方に及んでいた事実は、弥生時代の社会、地域間の関係、青銅器の流通を考える上で重要。
○破片で出土
・本来は弥生時代中期の武器形祭器。ところが、本資料は終末期の地層から破片の状態で出土しており、再利用を目的とした素材だった可能性が考えられる。弥生時代における青銅利用、素材としての消費の実態を考える上で重要な発見。