教育関係・報道提供資料

平成24年度地域伝統文化功労者表彰について

2013年03月25日提供 資料提供


提供機関

提供課等:教育委員会(事務局)文化財課   担当/係名:文化財担当 
電話番号:0857-26-7525

内容

このたび、平成24年度地域伝統文化功労者表彰の被表彰団体が決定しましたので、下記のとおり表彰伝達式を行います。

1 被表彰団体

団体名・代表者功績概要
橋津(はしづ)ふるさとの文化を守る会
代表 桜木(さくらぎ) 大作(だいさく)
永年にわたり、湯梨浜町指定無形民俗文化財「湊神社の祭礼行事」「茶町踊り」の保存と継承に尽力し、地域に伝わる貴重な伝統文化の振興に多大な貢献を果たした。

2 表彰伝達式

(1)期日
 平成25年3月26日(火) 午後1時から15分程度
(2)会場
 鳥取県庁第2庁舎5階 教育長室
(3)伝達
 鳥取県教育委員会教育長より保存会代表者へ表彰状を伝達授与

3 表彰の概要

(1)表彰団体
(1)表彰者
 公益財団法人伝統文化活性化国民協会(綿貫民輔理事長)
 伝統文化の活性化を図り、日本の文化の向上に寄与することを目的に、平成13年度に設立されただんたい。
(2)趣旨
 伝統文化の振興、伝統文化団体の育成及び発展等に関し献身的な努力を払い、顕著な業績をあげた個人及び団体に対し、その功績をたたえるもの。
(3)表彰実績
 鳥取県では、淀江さんこ節保存会(平成21年度)、法勝寺歌舞伎保存会(平成22年度)、倉吉市高城牛追掛節保存会(平成23年度)に次いで4回目。

被表彰団体の概要

(1) 団体名・代表者
 橋津ふるさとの文化を守る会(会長 桜木 大作)

(2) 指定等
 昭和56年「茶町踊」が羽合町無形民俗文化財に指定
 平成19年「湊神社の祭礼行事」が湯梨浜町無形民俗文化財に指定

(3) 伝統文化の概要
橋津ふるさとの文化を守る会では、橋津地区に伝わる「湊神社の祭礼行事」「茶町踊り(盆踊り)」などの保存伝承を行っている。

@湊神社の祭礼行事
「湊神社の祭礼行事」は、毎年10月第2日曜日に行われる橋津地区の湊神社秋期例大祭のことで、大名行列をはじめ、榊、神輿、花車(だんじり)の約300名が橋津の集落内を練り歩く。
湊神社の祭礼がいつころから執行されるようになったのか明らかでないが、宝永元年9月7日に橋津藩倉の御廻米安全祈願のため大祭日に永代船御幸を執行するよう藩から申し渡されたと伝えられる。それ以前には、榊や御幣を中心とした徒歩による小規模な御幸が行われていたものと推測され、この頃から祭礼の規模が拡大していったものであろう。大名行列が御幸に加わった時期も明らかでないが、宮司池田家の文書によれば、文政13年に猿田彦面・挟箱・白羽熊が寄進されており、これ以前から行われていたものと思われる。また、花車の起源について、地区には「200年ほど前に尾道から伝わり、橋津からさらに由良に伝わった」と伝えられている。
榊(25名)は昭和30年代まで数え年7〜13歳の男子が供奉していたが、その後小学生以下の男子が参加している。手に手にボンデンを振りながら榊の歌を歌い、榊を奉呈した「かつぎ台」を順次各戸前に奉持する。各戸からは御花(祝儀)が出される。歌の合間には、「サカヨロー 神のさん榊 ホウエイヤ」と唱える。
青・赤2台の花車を扱う花車連中(60名)は、数え年14〜25歳の男子であったが、最近は人数不足のため、中学生〜45歳くらいまでの人々によって支えられている。花車にはそれぞれ4名の小学生が乗子となる。乗子は女物の長襦袢に襷を着用し、厚化粧をほどこす。花車の歌を歌うとともに、太鼓を打って歌をリードする。乗子以外の連中は、青組は青の法被に鉢巻、赤組は赤の法被のいでたちで、それぞれボンデンを腰にさした軽装である。歌の合間に太鼓だけの拍子により、かついだり、のし上げたりするが、その時「レロオレーロー、レロオレーロー」を連呼し続け、やがてのし上げていた花車をどすーんと落とす。ここで乗子の歌と太鼓が演じられ、このくりかえしによって、地区内を移動していく。
大名行列(45名)は、大鳥毛奉持者のうち、1名が行列取締となり、大名行列の指揮をとる。この取締の「ヒーンサイナア」の発声により、行列全体が出発準備を行い、ついで行列全員の「アア、ヨイトマカセ」の唱えことばにより、前進を開始する。以後、「ヨイトマカセ」の唱え言を連呼して踊りをくりかえしていく。小槍・白羽熊・対槍・立傘・台傘・大鳥毛などは、「ヒーンサイナア」の合図により、踊りながら奉持者の交代準備態勢をとり、「アア、ヨイトマカセ」の唱え言によって道具の受渡しを行う。

A茶町踊り
茶町踊りと唄は橋津特有のもので、古老の言い伝えでは別名「ニガタ踊り」とも言われる。かつて橋津湊が盛んであった頃に新潟地方から習い伝えられたものであるとか、瀬戸内方面から花車とともに船乗りによって伝えられたものであるとか、その他諸説ある。旧暦7月23日の地蔵会の晩に西蓮寺のお地蔵さんの前で一年間の新仏の霊を慰めるために夜を徹して踊られたと言い伝えられている。

(4) 保存会の活動
従来、御幸の行列は、橋津を上・中・下の3地区に分けて、年交替でこれを担当していた。戦後の人口減少により、3地区に分けることが困難となり、昭和38年から上・下の2つに分けて行列を実施することとし、翌39年区民大会を開催し、橋津全域を一体化した「湊神社行列保存会」を設立し、行列の伝承と運営を行うこととした。
保存会では、このころ、忘れられようとしていた「茶町踊り(盆踊り)」「葉茂し唄」などの復興保存も考慮し、住民の文化財の保護・保存を強く望む声と一体となり、「湊神社行列保存会」を発展的に解散し、橋津の文化全般を保存することを考え、区民全員を構成員とする「橋津ふるさとの文化を守る会」を、昭和46年1月に区の総会にはかって設立を決定した。以降、規約にのっとり活動を続けている。
こうした活動が実を結び、昭和56年6月1日に「茶町踊り」が、平成19年6月1日に「湊神社の祭礼行事」が湯梨浜町指定無形民俗文化財として指定された。平成22年には、国のふるさと文化再興事業を活用し、用具の整備も行っている。
以上、保存会の熱心な活動により、地区に伝わる伝統文化の確実な保存・伝承がなされている。担い手の減少という課題を抱えてはいるが、対象年齢の幅を広げたり、他区から応援を頼んだりするなど、現状に即した活動も行われており、地域に伝わる貴重な伝統文化の振興に多大な貢献を果たしているといえる。

報道機関に提供した資料(PDFファイル)

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