松原田中遺跡出土の地中梁が国内最長級であることが分かりました
2018年12月06日提供 資料提供
提供課等:教育委員会(事務局)文化財課
担当/係名:歴史遺産室
電話番号:0857-26-7934
鳥取県埋蔵文化財センターは、一般国道9号(鳥取西道路)の改築に伴う発掘調査で出土した多量の木製品(約6万点)を再度、全点整理しているところですが、この度、松原田中(まつばらたなか)遺跡(鳥取市松原)で出土した建物基礎を補強するための「地中梁(ちちゅうばり)」が、国内最長級のものであることが明らかになりました。また、公立鳥取環境大学の浅川滋男(あさかわしげお)教授監修のもと、建物の復元(CG)も行っています。御多忙な時期ですが、下記のとおり地中梁の公開を行いますので、ぜひ取材くださるようお願いします。
記
日時
12月14日(金)午後1時30分から3時まで
場所
鳥取県埋蔵文化財センター美和分室(鳥取市源太12 旧鳥取湖陵高等学校美和分校)
地中梁について
(1)古墳時代前期(3世紀後半頃)の布掘(ぬのぼり)建物(※)跡から2本出土。それぞれ全長が7.33m、7.22mを測り、2本とも出土したものとしては国内最長(※※)。
また、残存状況が良好であり、4箇所の柱の圧痕が明瞭に残っており、柱の配置位置もわかる。
※布掘建物:溝を掘り、その溝の中に柱を建てた建物
※※最長は、石川県金沢市大友西(おおともにし)遺跡出土のもの(1本のみ出土)で、全長7.995m(弥生時代終末、3世紀前半頃)
(2)地中梁が残っている布掘建物の類例はかなり少なく、全国でも10遺跡にも満たない。にもかかわらず、松原田中遺跡では、古墳時代前期の布掘建物跡14棟中、8棟から地中梁が出土した。(1)の残存状況の良さと共に、当時の建築を考える上で大変重要なので、公立鳥取環境大学浅川滋男教授の監修による建物の復元(CG)も行ったところ。
(3)地中梁はいずれもスギ材であり、年輪等から判断してかなりの大径木を使用していたと思われる。青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡をはじめ当県が、古くから森林の大いなる恵みを受け、卓越した匠の技を使い木の文化を育んでいたことを改めて教えてくれる。
一般公開について
出土した地中梁について次のとおり一般公開を行います。
・日時 12月22日(土)午後1時から3時まで
・場所 鳥取県埋蔵文化財センター美和分室(鳥取市源太12 旧鳥取湖陵高等学校美和分校)
・申込 不要
お問い合わせは鳥取県埋蔵文化財センター(0857-27-6711)まで