県立博物館「鳥取藩お抱え鐔師・因州駿河の鉄鐔デザイン」の展示を行います
2022年12月19日提供 資料提供
提供課等:教育委員会(事務局)博物館
担当/係名:人文担当
電話番号:0857-26-8044
趣旨
令和5年2月19日(日)に博物館で開催する因伯名刀フォーラム「刀装具の世界〜技巧・造形美と鳥取藩の鐔師たち」にあわせて、鳥取藩お抱えの鐔師・早田家(因州駿河)に伝わった鐔の下絵を初公開します。鐔は日本刀の外装として、手を守ることや、刀身(とうしん)のバランスを整える役割があります。時代とともに実用本位の素朴なものに嗜好性(しこうせい)が加わり、花鳥の紋様などが施された技巧的なデザインへと変わっていきます。鳥取で鐔師として活躍した早田家は、戦国時代までは駿河府中(現・静岡県静岡市)に居住する春田派の甲冑師でした。慶長2年(1597)に初代春田(はるた)卓(たか)次(つぐ)が池田家に仕えます。池田家の転封にしたがって三河吉田、播磨姫路、備前岡山、因幡鳥取と移住し、その技術は10代卓随(たかゆき)まで受け継がれました。当初は甲冑を製作していましたが、次第に鐔を専門に作るようになり、姓も春田から早田に改めました。駿河国を出自とすることから、鐔師として「駿河」を名乗りました。江戸中期までの作品は、甲冑師の技法をいかし、よく鍛えられた鉄地に、簡素な透かしを施した鐔が主流でしたが、中期以降は、彫りや象嵌などの装飾技法を駆使して動植物や人物を立体的に表現した作風を得意としました。今回展示する鐔下絵は、早田家に伝来した実物大の雛形であり、池田家の御用や藩士の注文にも応じて様々なデザインの鐔を手掛けていたことがわかる珍しい資料です。本展は鐔下絵という小さな世界のなかで表現される様々な図柄の面白さを鑑賞いただくことで、匠の技や心に触れていただき、鳥取で隆盛した鐔師とその作品について理解を深めいただくことを目的としています。
展示テーマ
鳥取藩お抱えの鐔師(つばし)・因州駿河(いんしゅうするが)の鉄鐔(てつつば)デザイン
主な展示資料
(1)鐔下絵(つばしたえ)江戸後期 1式
(2)鉄地笹透図鐔(てつじささすかしずつば) 銘(めい)因州住駿河卓随(いんしゅうじゅうするがたかゆき) 江戸末期 1枚
展示期間
令和4年12月20日(火)〜令和5年2月26日(日)
会場
鳥取県立博物館1階 歴史民俗常設展示室内
入館料
常設展示観覧料180円(団体150円)、次の方は無料(大学生以下・70歳以上の方・学校教育活動での引率者・障がいのある方・難病患者の方・要介護者及びその介護者)
問い合わせ先
県立博物館学芸課 人文担当(電話0857-26-8044)