- 鳥取県人権尊重の社会づくり協議会 -
鳥取県人権尊重の社会づくり協議会会議録

開催日時	平成23年05月11日（水曜日） 10:00 AM 〜 12:00 PM
開催場所	とりぎん文化会館（鳥取市尚徳町１０１−５ ） 第３会議室
出席者名	アベ山田マリアルイサ委員; 荒井玲子委員; 射場守夫委員; 今度珠美委員; 大月悦子委員; 柿内真紀委員; 小矢野馨委員; 下吉真二委員; 薛幸夫委員; 田中完治委員; 田渕眞司委員; 田村勲委員; 東樋口護委員; 中瀬香里委員; 廣田富子委員; 松嶋まゆみ委員; 松村由朝委員; 椋田ひとみ委員; 山本誠代委員
議題	（１）会長の互選、会長代理の選出 （２）人権尊重の社会づくり相談ネットワークの運用状況と検証について （３）宅地建物取引上の人権問題に関する県指針及びこれに基づくアクションプラン（案）について （４）インターネット上の人権侵害への対応について
問い合わせ先	0857-26-7121
その他	（１）公開又は非公開の別 公開 （２）傍聴者数 0人 （３）その他（会議資料等）

会議内容：
（１）会長の互選、会長代理の選出
�@ 会長の互選
大月委員が推薦され、出席委員全員の賛成により、大月委員を会長として選出。
�A 会長代理の選出
大月会長が田中委員を会長代理に指名。これを田中委員が了承し、会長代理として選出。
　
（２）人権尊重の社会づくり相談ネットワークの運用状況と検証について
事務局が資料２に沿って説明。意見・質疑応答については以下のとおり。

○　相談者の満足が得られていない相談事例として、「関係先を紹介または関係先に伝達しようとすると、相手方がそれを忌避してしまい、傾聴で終わってしまう」ということを挙げているが、この場合にはどのように対応するのか。
（事務局）
専門的な助言等が必要であることはもちろんだが、まず、相談者に落ち着いてもらうため、相談内容をじっくりと傾聴することを優先している。

○　子どもの虐待に係る相談について、どのように対応しているのか。このなかには児童相談所等への通告まで至ったケースはあるのか。
（事務局）
傾聴に終始する、児童相談所へ取り次ぐという対応をしている。なかには、電話で相談内容をお聞きしている途中で一方的に切られてしまう事例もあった。
なお、今まで児童相談所への通告に至ったケースはない。

○　相談内容の分野別内訳では、障がいに関するものが一番多く、これは障がい者（特に精神障がい者）からの発信が強まった証拠だと考える。できれば、障がい別で相談件数が分かるようにして欲しい。
（事務局）

　　後日、障がい別で相談件数の分かる資料を各委員へ送付する。（対応済）

○　自分も相談対応しているが、既に他の機関に相談してきたというケースが多い。他の相談機関を紹介しようとしても、相談者が「もういい」と諦めてしまうこともあり、他の機関を簡単に紹介するのではなく、相談者の心情を汲みながら、慎重に取り次ぐことが必要。
また、精神障がいに関する相談が増えているが、病院に人権相談の電話番号を明示していることが、その要因の一つとして挙げられる。
精神障がい者の方の相談は、まずじっくりと長い時間をかけて傾聴することが重要。

　　　

○　最近では「生活が苦しい」という相談内容が多いことから、福祉が低下しているように感じている。お金さえ払えば、サービスが与えられるという現在の福祉制度の在り方は好ましくないので、障がい者の生活を後押ししてほしい。

○　外国の方からの相談については、母国語で対応しているのか。

（事務局）
平成２２年度においては、日本語で対応が可能な事例しかなかったが、母国語で対応しなければならないケースでも、国際交流財団等と連携して対応できるよう検討していかなければならない。

○　あまり行政に繋がりのない外国人は、色々な行政支援があっても知らないことが多く、また虐待などの問題が生じてもなかなかフォローできないことがある。これについては対応していくのか

（事務局）
　　 今後検討する。

○　相談件数が増加傾向にあるが、その要因としては、相談ネットワークがうまく運営されているためか、または相談事象自体が増えてきているためか、それとも他の要因が考えられるのか。
（事務局）
ひとつの要因として、積極的な広報によりこの相談ネットワークの周知が進んだ結果であると考える。相談内容からの要因分析まではまだしていない。

○　犯罪被害者等支援に係る相談では、まず、傾聴し寄り添うことで、被害者の苦しみを和らげることが重要である。
また、２次被害を起こさないように、特定の偏った情報を提供し相談者に指図するのではなく、相談者が自ら選択できるように提供する必要がある。

○　相談後のフォローアップが本当に重要であり、関係機関には支援が途切れないように努めて欲しい。

○　精神障がい者家族会で、精神障がい者に一番近い方々で寄り添って支援していくことに重点を置いた相談事業を立ち上げる予定であるので、皆さんに承知いただきたい。

（３）宅地建物取引上の人権問題に関する県指針及びこれに基づくアクションプラン(案)について

事務局が資料３に沿って説明。意見・質疑応答については以下のとおり。

○　障がい者や高齢者への入居差別を実際に目の当たりにしたことがある。県にはこのような住宅問題にしっかりと対応していただきたい。

　（事務局）
県営住宅については優先入居制度を設けているが、民間賃貸住宅では障がい者や高齢者が入居を敬遠されがちというのは事実。
あんしん賃貸支援事業（資料３−参考資料２を参照）で、障がい者や高齢者等の民間賃貸住宅への円滑な入居の流れを作っていきたい。

○　医療機関では、精神障がいで長期入院されている方の地域移行について、保証人がいない等住居に関する相談を受けることが多い。
このような方々の住宅問題を解決するため、「あんしん賃貸支援事業」のような事業の活用が必要と考える。

○　「あんしん賃貸支援事業」のような事業があることを把握していなかった。母子の自立においても住宅問題が一番のネックとなっており、この事業を活用できたらと考える。

○　住宅問題の解決は、住民にとって一番身近な窓口である市町村との連携が重要だが、今後市町村に対してはどのような働きかけをしていくつもりか。
　（事務局）
現段階でも、「あんしん賃貸支援事業」の実施や公営住宅への入居については、市町村と協力しており、今後も事業の周知などで連携を図っていきたい。
しかし、市町村には住宅に関しての専門部署がないため、「あんしん賃貸支援事業」についての詳しい問い合わせについては県へまわしていただくようにしている。

○　ホームページによる広報も必要だが、制度が必要な方にピンポイントでチラシを配るなどインターネット環境のない方々への周知もしっかりしてほしい。
　（事務局）
新聞広告や県政だよりや携帯サイトによる広報なども行っており、他にも色々な機会をとらえて周知を図っていこうと方法を思案している。

○　宅地建物取引業者が、県民から「同和地区かどうか」との問い合わせがあった際にどう対応していくかが心配。指針案では「教示しないこと」としているが、単に教えないというだけで片付けるのではなく、具体的な対応方法について研修等を通じて、業者にしっかりと指導していただきたい。

○　すべての事業で県と市町村との連携が重要。市町村との情報交換を密にして、市町村を通して事業を地域社会で活用していけるようにしなければならない。

（４）インターネット上の人権侵害への対応について
事務局が資料４に沿って説明。委員の意見については以下のとおり

○　グーグルマップは、拡大表示や航空写真も表示され、同和地区が一目瞭然の状態になる。
また、大阪府における同様の地図も掲載されており、大阪市に至っては同和地区かどうか色分けもされている。

○　現状では、削除要請しても、プロバイダやサイト管理者の方がより制度で守られているため、対応しないことが多く、また情報が転載・拡散されることで、対処が困難になる。
やはり、法制度を変えなければ、問題は解決しない。

○　情報を求める側が存在するため、このような問題が生じてしまう。このことから、住民全体の意識改革をする必要があり、このことに関する啓発・教育を進めていくべきである。

（５）その他
本日の議事を受けての各委員の意見

○　在日韓国・朝鮮人について、本名だと貸してもらえないなどの入居差別が存在する。

また、自分も、外国人地方参政権付与に関して活動することについて、インターネットの掲示板などで誹謗中傷された。このような問題があることを皆さんに認知して欲しい。

○　以前、ハンセン病の国立療養所において、日本人の入居者から韓国人の入居を反対されたという事例を聞き、差別されてきた方々が逆に差別する立場となっていたことにショックを受けたことがある。

○　入居差別やインターネット上での人権侵害行為など人権問題の実態に驚いている。

○　色々な経験をしてきたが、この場で様々な人権問題についての説明を受けて、まだまだ自分の周りしか見えていなかったと実感した。これから色々と勉強していきたい。

（６）連絡事項
事務局から、次回の協議会を本年秋ごろに開催する予定であることを説明。

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