| 被害内容等 | 鳥取連隊の悪性感冒に絡まる哀話・美談は数多いが、中でも、岡山県英田郡巨勢村在郷軍人分会長、上等看護卒は、第4中隊某を看病のため、郷里岡山県より来県し、懇ろに看護を尽くしていたが、同人が全治したため、13日に帰郷しようとするに当たり、同郷者たる、第9中隊某が同病で入院し、誰一人の付添い看病人も無いのを見て同情し、郷里を同じくするというだけの理由から、某とは一面識もないにもかかわらず進んで看護を申し出、軍医の承諾を得て熱誠看護を尽くしたものの、去る14日、某は遂に死亡。「往々伝染病であることを理由に一般に嫌忌されているにも拘わらず、同郷者の誼(よしみ)を以て熱誠なる看護に従事した看護卒の行為は実に賞賛に値するものである」、と連隊長は語った。 |