鳥取県流行性感冒(スペイン風邪)新聞記事データベース

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 資料番号1328
 発生時期大正9 ( 1920)年 2月16日
 旧郡名・旧市町村名等鳥取市
 現市町村名鳥取市
 発生区分学校
 記事見出し醇風以下流感猖獗 成るべく休校せぬ方針 父兄の迷信と注射忌避
 被害内容等本市内に於ける流行感冒の発生は一昨年流行の際も本年と同様、常に市の東部に起こって漸次(ぜんじ)西方に及ぶ傾向があり、従って市立各学校の中で最も西部の醇風校生徒間には遅れて患者が発生するが、今回も同校下最も遅れて猖獗(しょうけつ)の状態にあり、生徒間には比較的少なく、17日より3年以下の生徒を休校。4年以上は未だ休校していない。これにつき校長は下級生徒は上級生徒より身体虚弱な者が多く、その為休校を決定した。4年以上の高校生の中には16日43名、17日33名、18日39名の欠席者があるが、これは流感及び其の他の病気欠席のみならず、家事手伝いの為に父兄が休ませるものであり、学校よりも家庭で伝染する者が多く、一般の休校を行っても予防上の効果はないと判断、風気【原文ママ】のある者は注意休養し、学校を休ませるようにしている。尚、全校生徒750余名の内550名は予防注射を行い、200名ばかりは未だ予防注射を行っておらず、その内50名は病気の為、不可能であるものの、残りの約150名は父兄が注射を嫌がっている。貧困家庭等は既に全部注射を行い、今尚注射していないのは父兄が嫌がっている為である。その中でも大本教、金光教、黒住教などの信徒で絶対にしない者もおり、信仰によって病は伝染しないとしているが、実際金光教信徒が多い三軒屋町の猖獗(しょうけつ)はこの為である。
 出典因伯時報 年月日 19200219 号数 8818 記事掲載面 3
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