鳥取県流行性感冒(スペイン風邪)新聞記事データベース

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内容
 資料番号1185
 発生時期大正9 ( 1920)年 1月22日
 旧郡名・旧市町村名等鳥取市
 現市町村名鳥取市
 発生区分鳥取連隊
 記事見出し悪性感冒と予防注射 ワクチンも血清も 肺炎には最も流行
 被害内容等流感の近況について市内立川町の医師曰く「鳥取連隊の流感漸次(ぜんじ)終熄に傾きつつあるのは喜ぶべきことであるが、市内及び市の接続村落一帯は益々猖獗(しょうけつ)を極めつつあり、憂慮すべき現状で現在は吉方に接続した村落や立川に接続した村落の如く、猖獗の兆あり、又、市内もほとんど全市に伝播して、予防注射はワクチンという事になっているが、流感には一定の菌が発見されていないので、効力が絶対的とは言えない。肺炎ワクチン、或いは肺炎血清注射は中々有効なものでこれを施しておけば流感が肺炎に変症しても滅多に一命を奪うような事はない、この意味に於いてこの2種の注射を打っておけば最後の勝利を得る訳で一般から重宝が知られている肺炎ワクチンの効力は約半年で、血清の効力期間はワクチンより短期間であるが、注射直に其の効を発揮し又血清は隊内の病菌を一挙に殲滅(せんめつ)する、それからどんな訳か妊婦がよく一命を奪われる、又一昨年冒された者はある程度までは免疫性を帯びているようだ」。医師は大多忙を極め、殆ど寝る間もない位だという。
 出典因伯時報 年月日 19200122 号数 8792 記事掲載面 3
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